「急がば回れ」
これは、2011年度大学入試において見事、東京大学・理科1類に合格したN君が後輩に贈る『合格体験記』の中で書いた「合格格言」です。
彼が言わんとしていることは「入試勉強には直接関係ない応用学習などを取り入れることで、入試に必要な総合的発想力が身に付いた」ということ。目先のことに囚われすぎず、大局を見据え、今の自分に必要なことを真剣に考え、それを確実に実行してきた彼ならではの一言です。また、小学生の時から高校3年まで能開の個別指導アクシスで学んだN君は、中学受験(附属中学合格)や高校受験(小倉高校、ラ・サール高校合格)を経験し、その節目で単に「目先の合格だけ」を目指すようなことはせず進学後のイメージを持って「裾野を拡げる」ように学習の土台を作り上げてきました。倉高に「合格する」ことではなく「上位で合格する」ために更に高い目標を設定し多くの難問に挑戦したり、授業や自学習を通して正解(○)・不正解(×)の奥に潜む「論理のプロセス」を丹念に探ったり、何かが「舞い降りてくる」まで手を動かし、夢中になりすぎてノートの枠をはみ出しても気づかずに書き続けたり、そのようないくつもの「回り道」をしながら骨太の学力を身につけて行ったのです。
東京大学は、2011年10月より日本マイクロソフト社と東京都豊島区立千川中学校と連携し、「21世紀型スキル」を持つ子ども育成のプロジェクトを始めました。タブレットPCとクラウドを活用した新しい学習システムのための研究です。これは、旧態依然の「秀才」から脱却し、教育のデジタル化を積極的に活用しながら国際的な広い視野と未知の領域に果敢に挑む力をもつ「タフな東大生」を育てるための一歩と考えられます。まさに「世界で活躍する人材」の輩出を大学が目指しているということです。その能力を花開かせるために必要な「思考力」と「表現力」を早期に開発し、熟成させていくことこそ大学側が望む人物像といえるのではないでしょうか。

左下<問い>の問題は、2010年大学入試センター試験数学Ⅰ・A第4問で出題された問題です。この「正答率30%程度」の問題を小倉校プロジェクトNに在籍する中3生に挑戦させてみると、中3生・9Sクラス10名中7名が正解。その他、小6や小5生でも少しのヒントで解ける生徒がいます。上記の中3生正解者7名のうち5名は小学生時からの継続生で、小学時代の中学受験を通した本格的な学習経験が充分に活かされています。
このような小学生・中学生時代の「アドバンテージ」は、高校進学後の大学受験に密接につながっています。中学・高校それぞれの受験で養った力、例えば教科力や学習方法や気持ちをコントロールする能力などは子どもが成長し、自立していく上での「武器」となります。
ただし、新たなフィールドに進み本領発揮するべきときに、その武器をうまく使いこなせない生徒がいることも事実です。自らの能力を充分に発揮できない…。それは合格・不合格という結果に関係なく現れているようです。受験という貴重な経験が次の環境で、つまり未来を創る道筋に活かされるようにするために、周りにいる大人たちが真正面から本人に対して語るべきことはとても大きいのです。
ワオ・コーポレーションには全国で3万名以上が学ぶ創業35年の歴史で培ったネットワークがあり、時代とともに変化してきたリアルな日本の教育の「今」を知ることができます。私たちは、その今と「未来をつなぐ」ことがワオの使命であると考え、年齢や環境や目標に応じた多様な教育サービスを提供しています。そのような広い俯瞰的な視野から福岡の教育・進学事情を捉えた上で、一人ひとりの今と保護者の方の想いをしっかり受け止め、大学進学まで見据えた中長期目標の実現に全力で取り組んでいきます。また、その過程を通した人間的成長と「支えられている自分」という事実に気づき純粋な気持ちで「ありがとう」の言葉を周りに投げかけることによって得られる自立心の形成を目指していきます。険しい道ではありますが、一歩でも理想の指導に近づくべく私たち指導陣一同、精一杯がんばってまいります。
ワオ・コーポレーション 福岡統括責任者
尾方 俊彦