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兵庫県 中学入試の動向

近畿圏では各府県の私学の思惑が複雑に交錯し混乱もありましたが、2006年より「近畿圏統一入試」の名の下、入試初日の解禁日を統一しました。長年、事前入試として存在感を発揮してきた奈良県・和歌山県・滋賀県下校は、2006年以降開始日に合流することによる歩留まり率の低下を懸念し、同地区の学校の多くが後期日程を新設する等、入試日程の基本構造が大きく変化しました。更には、新たな魅力創りも加速し、積極的に入試制度改革に取り組む学校が急増。「コース制の導入」や「入試教科数の選択制」は言うに及ばず、前期・後期入試での「募集定員変更」等、各私学が知恵を絞った様々な入試改革に取り組み、志願者の確保に努めました。

統一入試の2年目となった2007年入試では、各私学の危機意識は一層高まり、唯一の経験といえる2006年度の入試結果をふまえた上での様々な教育改革や入試制度改革が、各校の置かれている環境と状況、そして思惑の中で進行しました。

入試制度変更は学校改革に連動した学校側の決意を具現化したものです。したがって、改革が受験生・保護者に対して浸透し定着すれば、入試広報に訴求力を持ち、志願者増に結びつきます。しかし反面、猫の目のように変わる入試制度は「わかり難さ」を生み、その不安感から受験を敬遠されるという、相反する要素をも内包しています。私立中学校のレゾンデートルが進学保障である限り、「改革の意図に賛同できるか」「校風や教育方針と整合性のある改革か」をじっくり見極めてくる受験生の視線に明確に応えていく改革の断行でなければ支持は得られません。各学校のポジショニングと教育方針をふまえた「整合性のある入試制度改革」に向けて熾烈な攻防戦を繰り広げることとなりました。

2007年入試の結果においては、「後期日程の新設」「コース制の導入」「入試教科数の選択制」、前期・後期入試での「募集定員変更」等、多種多様な入試制度改革を実施した奈良県下校はプラスに転じましたが、諸般の情勢によりやや出遅れた感のある和歌山県下校は下げ幅を縮小したものの、下落傾向に歯止めはかかりませんでした。一方、大阪・京都府下の私学にとって、統一入試は期待したほどの追い風とはならなかったことは前述の通りです。

大阪府・京都府下校ともに、過去5年間では全体的な入学者数は微増傾向を示してきましたが、統一入試となった2006年度は、その意に反して劣勢にたたされることになり、緩やかな右肩上がりというわけにはいかなくなりました。唯一、気を吐いたのは兵庫県。地理的に統一入試の影響を受けにくいのが奏功したのか、ここだけが入学者数を伸ばすという結果になりました。
このような経緯を踏まえて、近畿の私学を取り巻く環境は異なる中、2007年入試に向けてそれぞれの私学が知恵を絞った入試制度改革や広報活動を繰り広げてきました。最終的には近畿圏の私立中学校への実入学者数も前年度に比べ約1,400人も増加し、全体として定員充足を果たす学校が大きく増える結果となりました。

2008年は、前年に引き続き「統一入試」の中で最も勢いのある地区となりました。前期入試の受験者数合計は6,158名、前年度比178名減(▲2.8%)で、ほぼ児童数減に伴う減少率に収まりました。特に甲南・園田学園・百合学院・芦屋大学附属・神戸龍谷・須磨学園・仁川学院などは大きく受験者数を伸ばしました。また、後期入試ではコース制導入をはじめ入試制度改革を行った甲南女子・雲雀丘学園が人数のみならず新たな受験者層の開拓に成功しています。兵庫県における後期入試の平均競争率2.45倍は関西地区2府4県で一番の高さを誇ります。入試難易度も前期入試に比べ極端に上昇する学校も珍しくありませんでした。

2009年は、前年に引き続き「統一入試」の中で最も勢いのある地区となりました。前期入試の受験者数合計は6,261名、前年度比103名増、後期入試は5,297名(同+518名)と、児童数の増加率以上に活況を呈しました。特に報徳学園・甲南女子・神戸国際・神戸山手女子・夙川学院・親和・武庫川女子大学附属・啓明学院・三田学園・須磨学園などは大きく受験者数を伸ばしており、他府県に比べ女子校の健闘が目立ちます。特に大きく入試制度を変更した武庫川女子大学附属と、共学化とともに2日間入試から単日入試へと変更した三田学園は2009年度入試のトピックスとなりました。

2010年は、2006年の「統一入試」実施以降、最も勢いのある県でした(受験率:2006年18.1%→ 2007年19.5% → 2008年20.3% → 2009年21.2%)。しかし2010年は一転、前年を大きく割り込むこととなりました。16日初日の受験者数は5,615名(前年度比▲574名)でトータルの受験率は18.4%へと大きく低下しました。開始日初日の受験者が前年度をオーバーした学校は滝川・報徳学園・滝川第二・雲雀丘学園の4校しかなく、全体としては前年度から10%近くの大幅な減少となりました。
一方、2日目以降の後期入試も実施校は増えましたが、受験者数は前年度の83.7%で、いずれの日程もさえない推移をしました。大阪府下校の3・4科選択入試実施の影響がないとは言い切れません。

2011年は、2010年は大きく前年の受験者数を割り込む数字になりましたが、2011年も微減という結果になっています。(児童数55,640名:受験率10.0%)統一開始日15日初日の受験者数は5,578名(前年度比▲37名)で、初日の受験者が前年度比10%を超えた学校は灘・甲子園学院・神戸海星女子学院・松蔭・芦屋学園・近畿大学附属豊岡・雲雀丘学園の7校になりました。一方、2日目以降の後期入試も、松蔭が参入して活況を呈した開始3日目を除いて、いずれの日程も低調なまま推移しています。大阪府下校・京都府下校の3・4科選択入試も定着し、兵庫県下受験生の選択の幅が広がったことが影響していることは間違いないところです。

2012年は、開始日14日初日の受験者数は5,366名でした。灘(+54名)・滝川(+27名)・須磨学園(+203名)・白陵(+56名)・雲雀丘学園(+85名)・三田学園(+38名)等の人気校の受験生が増加しています。一方、関西学院の共学化に伴うB 方式廃止に連動する形で、大きく前倒し傾向となった後期入試は低調なまま推移しました。大阪府・京都府の3・4科選択入試の定着と阪神なんば線の開通による、近畿圏のボーダレス化の加速で、兵庫県下受験生の選択の幅が広がったことが兵庫県下校に与えた影響は甚大なものがあります。

2013年で兵庫県は、残念ながら2012年を下回る数字になりました。また、2013年入試に向けて京都府に続きプレテストが解禁となりましたが、実施校は7校にとどまり、広報施策として大きな盛り上がりを見せることはできませんでした。

最後に2014年兵庫県ですが、18日初日の受験者数は4,976名で、初日の受験者が伸びた学校には、灘(+48)・六甲(+28)・甲南(131名)・淳心学院(+34)・神戸龍谷(+19)・白陵(+13)の人気校が顔を連ねました。さらに、初日午後入試でも甲南(131名)・滝川(203名)・親和(264名)・神戸龍谷(142名)が3ケタの受験生を集めるなど、動きのある入試となりました。また、コ-ス別募集(淳心学院:ヴェリタス/カリタス)(甲南:フロントランナ-/アドバンスト)や新規午後入試の導入、2013年に解禁となったプレテストも徐々に広まりを見せました。

小学校教育に関する最新情報

新学習指導要領のポイント2015年度の教科書改訂と学習指導要領について
2015年度の小学校教科書改訂については、2010年版学習指導要領が継承されるため、教科書の内容に大きな変更点はないと予想されます。ただし、初めての改訂ということからも学習指導要領の意図をさらに明確に反映した教科書になることが十分考えられます。2010年版学習指導要領のポイントとなる主なキーワードは右記の7つです。
特に(2)の思考力・判断力・表現力育成の点で言えば、体験で感じ取ったことを言葉や図で表現することや、観察などの結果を正確に理解し伝達すること、学習に関わる概念、法則、意図を解釈して説明すること、情報を分析・評価し論述するなどの力が不可欠と言われています。単に理解し、解釈するだけでなく、活用、伝達できるレベルが要求されていると言えます。論述までつながるような学習が今後も重要度を増していくと言えるでしょう。また、(4)の理数教育の充実については、旧指導要領の施行時と比べ、算数、理科ともに約16%の学習時間が増やされた点に変化はないことから引き続き日々の学習の重要性が増していると言えます。表現力を論述や説明する力にまで高めるといった点は、ぜひ、覚えておきたい点です。

小中一貫教育の広がり
小学校6年間と中学校3年間の教育を一体で行う「小中一貫教育」が、全国にじわじわと広がっています。文部科学省の今後の方向性としても、現在この制度は示されていますが、公式な制度として実施されているものではなく文部科学省の「研究開発学校」や政府の「構造改革特区」といった特例を使って広がっています。「中1ギャップ」という言葉も一般的になってきましたが、小学校と中学校では学校生活のあり方や授業のやり方も全然違うため、その変化に子どもたちがついていけなくなっているために起こると言われています。小中一貫教育はこのギャップを埋めて、学力向上はもとより生活指導面や心の育成面などさまざまな点で効果が期待されています。逆に言えば、現在の小学校、中学校が分離した体制では小6から中1に上がった際の1年間が非常に重要であり、多くのお子さまの成績の明確な分かれ目になっているといっても過言ではありません。特に注意が必要と言えるでしょう。

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