入試の合否は「学力だけ」でずべてが決まるものではありません。

入試の合否は「学力だけ」でずべてが決まるものではありません。

入試日程

2010年度 岡山県中学入試を振り返って
岡山大安寺中等教育学校、初年度入試の影響は?

 2006年度の入試で初めて近畿2府4県での統一解禁日入試となり、それまでの奈良県・和歌山県で事前入試を経験し、その後の京阪神で本番を迎えるというスケジュールが崩れることになりました。そこで注目を集めることになった岡山県の入試ですが、2010年度では近畿地区が「1月16日解禁」となり、岡山白陵をはじめとした各中学校が併願しやすい日程を探ることで、年内は12月12日を皮切りに19・20・23日の4日間、年明けは1月4日から10日までの1週間連続でどこかの学校が入試を実施している(1月8日は朝日塾中学が2次試験を実施)というかつてないほど併願パターンに恵まれた入試日程となりました。

 2010年度入試の大きなトピックとしては、岡山大安寺中等教育学校の開校であることは明白でしょう。このことに伴い、岡大附属・岡山操山・倉敷天城の3校が直接的な影響を受けることはもちろん、県内私学がどのような方策を打ち出してくるのか(いかに受験生を確保し、入学者数を充足させるのか)に注目が集まりました。

 国立・県立志願者の総数は、2009年度の1503名に対して2010年度は2197名となり、受験生は実に1.5倍もの大幅な増加となりました。これは岡山県内の小学6年生のうち8.7人に1人の割合で受験をした(受験率11.5%)という計算になるわけで、中学受験がごく一部の限られた子どもたち・家庭だけで選択されているという状況ではないということを意味しています。

 岡大附属・岡山操山・倉敷天城の3校については、岡山大安寺と同日入試ということもあり、総じて志願者数は減少するのでは、というのが当初の予想ではありましたが、堅調に推移した県立と大幅減の岡大附属に二極化されました。

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拡大する、私立中学入試制度改革

 一方、県内私学では「争奪戦」とも言えるような施策が実施されました。入試日程を他の有力私学とバッティングさせずに受験生をいかに確保するか、入試制度を従来の受験者層だけでなく県立志望者からの併願を推進するように変更するかなど、さまざまな策を打ち出してきました。結果として、入試日程については前述したように年明けはほぼ毎日といってもよいほどに分散し、入試制度についても岡山中学・理大附属中学が適性検査型の入試を導入するなど積極的に受験生確保に向けて努力をしたように見受けられます。

 しかしながら、永らく続く先行き不透明な不況、政権交代による「高校無償化」といった国の新たな政策や「学習指導要領の見直し」といった政策の変更など私学への逆風が強まる中、さらには新型インフルエンザの流行も重なり、思惑通りに事が運ばなかったというのが現実でした。今後も私学各校には多くの労苦がともなうのは想像に難くありません。いかに人気校といわれる学校であってもその人気にあぐらをかくことが許される時代ではありません。しかし、その時、その時代にフレキシブルに対応できるフットワークを持ち合わせるのも私学の特色です。社会を取り巻くシビアな目に十分に応えうる独自性を期待したいところです。

 2010年度入試では、併願パターンは間違いなく増加しました。これが受験生にとって朗報であることに疑いの余地はありません。本番前にリハーサルが必要なことは周知の事実です。い
きなり本番を迎えても実力を十二分に発揮できるという人間は皆無に等しいでしょう。ましてや中学入試はその年の小学6年生しか経験することのできない舞台です。これを緊張せずに乗り切れ、というのは無理難題というものです。毎年のように受験生は「最初の○○中学のときが一番緊張した」と異口同音に口にします。いつもとは異なる環境で経験を積み重ねることによって、適度な緊張感と余裕を会得して受験本番を迎えていくのです。そういった意味で、併願受験が複数パターン考えられる日程は、受験生にとってはひとまずは朗報であったと言えるのです。

 ただし、入試の形式(科目別の学力検査なのか、総合問題なのか、適性検査なのか)・難易度(指導要領の範囲内なのか、超える範囲も含まれるのか)・面接の有無・科目数(社会が必要なのか、必要でないのか)といった条件により、併願のしやすさに個人差はあったと言えるでしょうし、進学後の生活、6年後の成果といったことも学校選びに影響を与えているようです。

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