判定結果ばかりに気をとられ、「やらなければいけないこと」を忘れていませんか?
大学受験の模試判定はどう読み解き活かす?判定基準・チェックポイントを解説!

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大学受験に向けた対策では、模試を受けることが欠かせません。模試結果には、合格に向けた学習計画を立てるための貴重なデータが含まれています。 なかでも一番気になるのは、やはり「志望大学の合格判定」です。そうなる気持ちはわかりますが、合格判定ばかりに気を取られていてはいけません。多く高校生の大学受験を指導してきたプロが、判定に振り回されることなく模試を活かす方法を解説します。 ※模試を実施する予備校によって、判断基準や用語など異なる場合があります。
この記事のポイント

模試判定を見る前に知るべき「基本データ」の読み方
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模試結果で最初に確認すべき用語一覧「偏差値・順位・正答率・判定」の意味を解説
模試は、現時点の学力を測ること以上に、今後の学習計画を立てるための資料とすることがより重要になります。結果を分析するためには、「基本的な模試用語」を知っておかなければなりません。まずは、その用語解説から始めましょう。
偏差値 : 最重要指標。志望校との距離を測るもの
「偏差値」は「平均」と何が違う?聞き慣れてはいるけれど、その実体はよくわからない…。そんな人も多いかもしれません。
受験生の点数の分布が、富士山のシルエットのようにキレイな左右対称の山型になっていると想像してみてください。このとき、山のちょうど頂上にあたる「平均点」をとった人が「偏差値50」になります。この場合、平均点から点数が高くなる(または低くなる)につれて、人数はなだらかに減っていきます。
ここで、一つ注意が必要です。偏差値はあくまで「そのテストを受けた集団(母集団)の中での自分の位置」を示すものです。そのため、受ける模試の種類が変わると、「前の模試では偏差値60だったのに、今回は50に下がってしまった…」ということが起こり得ます。しかし、これは決してあなたの学力が下がったわけではありません。模試によって、「受験している層(集団の顔ぶれ)」が全く異なるからです。例えば、難関大学を志望する受験生が多く集まるハイレベルな模試では、集団全体の平均レベルがぐっと上がります。
このように周囲の平均レベルが高い集団の中では、相対的な位置が変動するため、偏差値は低めに出やすくなるのです。偏差値は「どんな集団(物差し)で測ったか」によって変わる数字であることを忘れないでください。
順位 : 受験者の中での順位
偏差値とセットで見ると、いまの自分の学力レベルがどれぐらいの位置にいるのかを、具体的に知ることができます。
科目別得点率/科目別偏差値 : その科目の満点に対してどれくらい取れたか(%)/どれぐらいの位置にいるか?
科目ごとの得意・苦手分析に重要な数字です。例えば、受験科目に数学、英語、化学があるとします。模試の結果は、数学100点満点中85点/偏差値63、英語100点満点中80点/偏差値60、化学100点満点中62点/偏差値51だとしたら…。一番先に強化すべき科目は一目瞭然です。
領域別成績(分野別成績) : 科目の分野・単元ごとの成績
科目の弱点克服に直結する重要データです。数学なら「関数」「図形」など、どこで得点できてどこで失点したかがわかれば、苦手な単元=強化すべき単元がわかります。
正答率 : 各問題をどれくらいの人が正解したか
基礎学力不足の発見やケアレスミスを防ぐ指標となると同時に、自分の強みがどこなのかもわかります。
正答率の高い問題を間違えた → 基礎的なミス
正答率は低くても自分は正解した → 強み
志望校判定(A~E) : 合格可能性の目安
A : 合格可能性が高い
C : ボーダー
E : かなり厳しい
模試を受けた人は、どこよりもこの判定を注目して見ていると思います。もちろんいい判定の方が嬉しいのですが、あくまで「目安」です。最後の最後まで「模試は模試で本番ではない」のですから、模試のたびに一喜一憂しないことが大切です。詳しくは、次以降の章でお話します。
判定より重要!成績アップにつながる「6つのチェックポイント」
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模試は「苦手発見機」判定だけ見ても意味がない理由
模試の判定(A~Eなど)は、あくまで「その時点の学力と志望校との距離」を示す目安であり、合否を断定するものではありません。大切なのは、判定そのものよりも「なぜその判定になったのか」を分析することです。
模試は、苦手発見機であり、もっとも実戦的な改善ツールです。偏差値や得点の内訳や科目ごとのバランスを見ることで、自分の強み・弱みが明確になります。また、志望校との距離を冷静に把握し、学習計画に反映させることが本来の使い方です。「次に何をすべきか」を考える材料として活用するようにしてください。そのチェックポイントを解説します。
CHECK POINT(1) 志望校合格まで「あと何点必要か」を確認する
いまの自分は、合格ラインまで何点足りていないのか?そのギャップを数字にして「見える化」しましょう。判定の「C」と「D」の違いは感覚的で曖昧ですが、具体的な点数なら「課題発見のヒントと作戦づくりの材料」になります。
その際の見るべきポイントは「志望校の合格者平均と自分の点数との差」や「ボーダーラインと自分の点数との差」です。あと「〇点」必要、ということが分かれば、どの科目のどこで稼げたか?どこで稼がなければならなかったのか?など、科目別・単元別に対策していけばよいのです。
CHECK POINT(2) 正答率とのズレを分析
まずは正答率とのズレをチェックしましょう。つまり、どこで失点したのか?本来、落としてはいけない問題で失点しているのではないか?をチェックするのです。
- 正答率70%以上で間違えた
→多くの人が正解しているのに自分は間違えた。
絶対に潰すべきミス - 正答率30%以下で正解
→多くの人が間違えたのに自分は正解した。
差をつけられる強み
どちらの優先順位が高いのかは明らかです。「取れる点は落とさない」ことが鉄則ですから、正答率が高いのに間違えたところは、何よりも先に補強策を講じましょう。これは、伸びる人が必ずやっている分析と学習です。
CHECK POINT(3) 間違えた原因を分析する|知識不足・ミス・理解不足
まず注目すべきは、「間違えた問題」です。そこでしてほしいのが「なぜ落としたか?の原因を探る」ことです。間違えた原因を3つに分類してください。
- 知識不足(知らない・覚えてない・忘れた)
正答率が高いのに間違えたのなら、真っ先に強化すべき - ケアレスミス(計算ミス、勘違い)
もっとも「ムダな失点」。
なくす意識をしていなければ、受験本番でも一定の出現率で発生してしまう - 理解不足(英語が聞き取れない・聞けたが解けない、解説文を見ても解けない)
理解して得点できるようになるには、一定以上の学習時間が必要。
特に1)~2)が少なく3)ばかりの場合には、相応の決意と覚悟も必要
こうした原因分析と対策を講じなければ、得点は簡単には伸びないのです。
CHECK POINT(4) 弱点補強の優先的順位を決める
例えば、英語の領域別得点を見て、「文法正答率:50%、長文正答率:50%」だったらどちらから先に補強すべきでしょうか?このような場合には「伸びしろが大きく、得点化しやすいところから補強する」「土台となる分野、知識から補強する」のが鉄則です。つまり、文法を強化したほうが効率よく得点を挙げることができる可能性が高いと思われます。
CHECK POINT(5) 時間配分・解く順番を改善して得点力を上げる
本質的な学力向上とはいえないかもしれませんが、得点力を高めるには必要かつ見落とされがちなポイントです。本来なら得点できたはずなのに、タイムアップで解答できなかったのですから「実にもったいない失点」で、時間配分を改善しただけで得点が伸びる生徒も少なくありません。
- 単純に時間が足りなかった
解く順番は適切だったのか?
問題を見た瞬間に解答する順番と時間配分のイメージを作ることが大切。
ただし、それにはある程度の演習慣れも必要 - 途中で詰まってしまった
詰まってしまった個所に「原因」がある可能性が高い
CHECK POINT(6) マークミス・自己採点ミスのチェック
これも本質的ではありませんが、とても重要な分析です。なぜなら、本来なら「正しく解けている問題も0点にしてしまう、まったくムダなミス」なのですから。マークシートを塗る順番がズレてしまうのはありがちです。気がつけばまだましですが、気づかなければそれでおしまい。気づいたとしても焦りまくって時間配分は狂います。また塗る場所のズレはなくとも、マークが薄ければ無回答扱いになってしまうこともあります。
その他でよく起こるのは、共通テスト模試の控え用の自己採点のマークミスです。もしも本番で自己採点が正しくできていなければ、正しい二次対策は打てません。
これらのミスは、模試の段階から意識して練習しておかないと、本番でも一定の頻度で発生してしまいます。模試終了後には、こうしたことも点検してください。
【学年別】模試判定をどう活かす?高校1~3年生の受験対策
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高校3年間の模試スケジュール 受験回数と実施時期の目安
一部の私立高校を除いて、一般的な公立高校や私立高校の場合、模擬試験の実施状況は概ね下記のようになっています。
【高校3年間の模試スケジュール】
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高1では約3カ月間隔で年3回程度。高2もほぼ同じですが、本格的な受験対策がはじまる3学期(高3ゼロ学期)からは、共通テストを意識して「マーク式模試+記述解答式模試がセットになった模試」を実施するケースが多いです。高3は模試回数が増えると感じてしまうのは、このセット模試が増えるため。「1つの模試で2回受験する」ことになるためです。そこにプラスして、東大や京大、難関私立大学を意識した「特定大対象模試」を行う学校もあります。
模試は受けるよりも受けたあとの振り返りが大切ですから、模試を受ける回数は多くなくても構いません。ただし、「特定の大学を意識しているが学校ではその模試を実施していない」場合などは、塾を通じた模試の参加を検討してみるとよいでしょう。
<高校1年生> 模試判定は気にしない、「基礎学力の定着」を行う
高1では、模試に出る問題が未習範囲のものも多いため、志望校判定は気にしなくて構いません。それよりもこの時期は基礎学力の定着や学習習慣の確立が重要ですから、結果よりも復習に重点を置くべきです。
☞ 模試結果のここをチェック
正答率70%以上の問題を落としてないか?
基礎(英単語や構文などの文法的な知識、計算力)で失点してないか?
ケアレスミスを起こしていないか? など
☞ 模試結果分析後の学習テーマ
英語:単語・文法などの基礎固め
数学:教科書レベルを完璧に
ミスを減らす学習習慣づくり
この時期は「できない問題」より「できるはずの問題を完璧に得点できるようになる」ことに集中 など
<高校2年生> 模試結果を「得点力アップ」に活かす
高2も高1の考え方と同じです。学力の個人差はつき始めますが、受験まではまだ時間もあり、十分に逆転できる余地も残っています。この時点でも判定は気にせずとも構いません。
高2・3学期には、共通テストを意識したマーク式模試が始まります。近年の共通テストは大量の問題を短時間でこなさなければならないため、実戦的な解答演習が必要です。高2のうちに一度受験しておく方がよいでしょう。
☞ 模試結果のここをチェック
「戦略を考える材料」として使う
合格ラインとの差
分野ごとの弱点
得点源科目と足を引っ張る科目の対策 など
☞ 模試結果分析後の学習テーマ
弱点の可視化と修正
苦手分野を放置しない
得意科目を伸ばし始める
共通テストレベルを意識する
特に「高3・0学期」の努力量が高3の伸びを決める など
<高校3年生> 受験に向けた戦略づくりの基礎資料として使う
高3になると、模試の判定が示す意味も現実的になります。ただしここでも、判定に振り回されたり妄信したりするのは危険です。特に高3になってからの模試には「浪人生」が受験してくるため、いったんは偏差値も順位も下がる傾向にあります。しかし、しだいに既習範囲のハンデもなくなりますから、心配し過ぎないでください。
それよりも、志望校とのギャップを測って、出願校・併願校の検討をする、優先的に伸ばす科目やその学習時間の配分を決めるなど、受験に向けた戦略づくりの基礎資料として使うことを重視しましょう。また、受験する可能性がある大学の得点分布が分かるように、必ずすべての志望校登録をしておくことをおすすめします。
「この科目をあと何点伸ばせば合格ラインに届くのか」という具体的な視点で分析することが重要です。
☞ 模試結果のここをチェック
合格ラインとの差を知る(最優先)
あと何点で逆転できるかを測る
どの問題を取れば合格ラインに届くか? など
☞ 模試結果分析後の学習テーマ
志望大学・学部ごとの頻出分野を重点的に
得点できる問題を確実に得点する練習
時間配分・解く順番などの戦術を練る
「全部解ける」ようにはならない。「合格に必要な点」を取りに行く など
なぜ逆転合格は起こる?「D判定でも合格」「A判定でも不合格」
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判定でも落ちる? 模試判定を過信してはいけない理由
もっともよく起きる逆転は、「高3の夏ごろまでずっとA判定だったのに結果は不合格」という「残念な逆転」です。実は私は、経験上そうした生徒ほど「次回はA判定が出ないで欲しい」と思っていました。なぜならその原因の多くは油断だからです。
特に大切になるのが、「高3・0学期の過ごし方」です。高3になる前に、高2までの振り返りをきちんとした生徒は、高3になってグングンと伸びてきます。実際にそういう生徒をたくさん見てきました。
国公立大学で逆転合格が起こる理由 : 共通テストと二次試験の配点差
国公立大学は、共通テストの後には2次試験が待ち受けます。共通テストと2次試験の配点比率設定をはじめ、マークシート試験と記述型試験への適性、2次試験の受験科目の得意・不得意などから、「共通テストではリードしていたのに、2次試験で逆転された」というボーダーラインを挟んだ逆転劇は一定比率で必ず出現します。
セット型の模試を受ける際には、そうした配点比率や試験の違いに対する適性、2次試験の受験科目の得意・不得意などもきちんと読み込んでおかなければなりません。当然、高3の秋ごろからは、それぞれの志望大学・学部を意識した実戦演習も必要になります。
[関連ページ]【分析結果】2026年度共通テストの振り返りと来年度に向けた対策を解説!
難関私立大学で逆転合格する人の特徴 : 過去問分析と対策が鍵
難関私立大学は、国公立大学以上に逆転が起き得ます。こちらは、「高3の夏ごろまではずっとC~D判定だったのに、結果は合格」という「嬉しい逆転」です。
その逆転が起きる理由は「大学特有の出題傾向への対応」です。
特定大対象模試はさておき、一般的な模試では「大学特有の出題傾向」までは考慮していません。しかし、偏差値60以上の上位の私立大学には、そうした「クセのある問題」が出ることが多いのです。
秋以降、志望する大学の過去問10年分ぐらいを覚えるまでに解きまくった生徒が逆転合格することは、決して珍しいことではありません。
逆にいえば、そうした対策を講じないままに、受験すると「模試ではずっとA判定だったのに結果は不合格」という「残念な逆転」も起こり得ます。
模試結果を最大限活かすための、塾・学習相談の活用法
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模試結果を持って個別相談へ 受験戦略づくりの第一歩
ここまで、模試の活用法についてお伝えしてきました。
模試は「受けっぱなし」にせず、結果を分析し、次の学習につなげることが大切です。ただ実際には、弱点発見のための分析、それに基づいた補強策や学習習慣づくり、さらには各学年で必要な学習方法と受験戦略づくりなどを、一人で客観的に判断し続けるのは簡単ではありません。だからこそ、模試の結果をもとに、早めに学習の方向性を整理することが大切です。
[関連ページ]塾の選び方のポイントを解説。失敗しないために事前にやっておくべきこととは?
個別指導Axisでは、模試結果をもとに現在の課題を分析し、 学習方法や受験戦略について一人ひとりに合わせてアドバイスしています。「次に何をすればいいかわからない」 「今の勉強法で合っているか不安」そんな人は、ぜひ一度、直近の模試結果を持って学習相談にお越しください。
この記事を書いた人

(株)ワオ・コーポレーション
教育本部
鈴木 華奈子(すずき かなこ)
進学校が集まるエリアの個別指導Axis校責任者として、10年以上大学受験を指導。モットーは「ひとつ上をめざしなさい」。現在は大学受験に関する情報収集・分析を担う。