新試験になって2年目 今年はどう変化した?これからどう備える?
【分析結果】2026年度共通テストの振り返りと来年度に向けた対策を解説!

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2026年1月17日(土)~18日(日)の2日間にわたり、共通テストが実施されました。 共通テストは、2025年の試験から大幅な変更が行われました。 2年目を迎えた今年の共通テストでは、どんな変化が起こったのでしょうか? そして、来年以降に向けて、どのように備えればよいのでしょうか? 制度の変遷や出題傾向を長年にわたって注視し続けてきた「共通テストのプロ」が、傾向と対策を解説します。
この記事のポイント

2026年度共通テストの振り返り【難化の理由と平均点まとめ】
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まずは、概要をまとめておきます。
2026年度共通テストの実施概要(試験日・受験者数)
- 実施日 2026年1月17日(土)・18日(日)
- 総出願者数 49万6,237人 前年とほぼ同じ
- 総受験者数 46万4,090人 前年とほぼ同じ
- 現役志願者率 44.1% やや減少
主要科目の平均点一覧【2025年との比較】
《英語》
- 英語リーディング:62.81/57.69(+5.12)
- 英語リスニング:54.65/61.31(-6.66)
《国語》
- 全体116.37/126.67(-10.3)
《数学・理系科目》
- 数学Ⅰ:28.53/28.08(+0.45)
- 数学Ⅰ・A:47.20/53.51(-6.31)
- 数学Ⅱ・B・C:54.52/51.56(+2.96)
《理科基礎(基礎科目)》
- 物理基礎:34.68/24.78(+9.90)
- 化学基礎:28.58/27.00(+1.58)
- 生物基礎:36.46/31.39(+5.07)
- 地学基礎:28.17/34.49(-6.32)
《理科(専門科目)》
- 物理:45.55/58.96(-13.41)
- 化学:56.86/45.34(+11.52)
- 生物:55.01/52.21(+2.80)
- 地学:44.29/41.64(+2.65)
《社会系科目》
- 地歴総合、地理研究:61.87/57.48(+4.39)
- 歴史総合、日本史研究:62.29/56.99(+5.30)
- 歴史総合、世界史研究:60.88/66.12(-5.24)
- 公共、倫理:64.24/59.74(+2.50)
- 公共、政治・経済:63.59/62.66(+0.93)
《情報》
- 情報Ⅰ:56.59/69.26(-12.67)
[参考]大学入試センター:令和8年度大学入学共通テスト_実施結果の概要
なぜ難化した?「2年目のジンクス」と平均点低下の背景
共通テストは、2022年の学習指導要領改訂を受けて、昨年2025年から新科目の情報Ⅰが加わったり、国語の問題が大幅に変わったりなど、さまざまな変更が行われました。
そして2年目を迎えた今年。想像通りに「2年目のジンクス」が起きました。これは、センター試験やさらにその前の共通1次試験の時代からかよく言われてきたことですが、大幅な変更があった年の翌年の試験には、「平均点の揺り戻し」が起きるのです。
大きく平均点が下がった科目としては国語-10.3点、物理-13.41点、情報Ⅰ-12.67点などがあげられます。これらの前年の平均点をみると、概ね6割、情報Ⅰに至っては約7割と高めの平均点で、つまりは「易しすぎた」のです。
変更が行われる初年度には、比較的「易しい問題」が出される傾向があります。変更していきなり難易度が高い問題を出題すると、混乱が起きがちだからです。しかし、想定以上に平均点が高くなった科目には調整が入ることがあります。それが「2年目のジンクス」です。
思考力・読解力重視へのシフト
去年に続き、今年の出題も単なる知識の量を問う問題ではなく、思考力・判断力・読解力を問う設問が多く見られました。具体的にいえば、複数の資料を読み込んで比較しながら正解を導き出す出題や、長い問題文を読み解いて「紛らわしい選択肢」の中から的確に正解を選ぶような問題です。
これは、国語や社会の文系科目に限った話ではありません。数学、物理、化学なども理系科目でもそうした出題がいくつも見られます。
[関連ページ]共通テスト 国語、変更点と対策法
新科目「情報Ⅰ」はどう変わった?難易度と今後の位置づけ
学習指導要領の変更を受け、2025年度から導入された新科目 「情報(情報Ⅰ)」をはじめ、変更2年目を迎えて、新しい共通テストの枠組みも概ね定着してきたようです。
情報Ⅰは、今年は「情報リテラシー」を重視した出題で難化しましたが、去年が「易し過ぎた」反動です。むしろこれが標準だと考えた方がよいでしょう。
共通テストの狙いとは?【どんな力が求められる試験か】
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共通テストは何を問う?知識+思考力・判断力・読解力
「これまでの基礎知識にプラスして、思考力・判断力・読解力も問うテストにする」。これが、変更の最大のポイントでした。その背景には、日本人の「コミュニケーション能力を向上させる」というねらいがあります。
グローバル化が進み、諸外国とのビジネスや交流が活性化するなか、世界的にも「日本人はコミュニケーション下手」という「よくない評価」が定着しています。的確な分析や判断に基づいて論理的に話す。その力の育成に向けて、共通テストの出題内容に変更し、高校の学習の中にも、新たな学びの要素を取り入れていこうとしています。
数学も“文章読解型”へ変化した理由
その結果、ややいびつな事態も起きています。数学で基礎的な科目である数学Ⅰの問題を見てみると、やたらと長い問題文が多いのです。その文字量は1ページの約半分。これまではシンプルに「計算力」が問われていたのですが、とにかく「読まなければならない」のです。数学を指導している人からは、「これはもはや、数学的要素の入った国語」と評されてしまうほどです。
平均点50点を目指す試験設計
もう一つ、「共通テストがめざしている本来の姿」でお話しておかなければならないのは、平均点です。今年の全体の平均点は昨年同様に約60点でしたが、もともと大学入試センターは「平均50点程度が問題作成の目安」としています。今年、大きく平均点が下がった科目(国語-10.3点、物理-13.41点、情報Ⅰ-12.67点など)にしても、それでもまだ正答率は6割程度ありますから、もう1割程度は難化する可能性があります。
2027年度共通テストはどうなる?【難易度・傾向予測】
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2027年度も難化する?今後の出題傾向の予測
昨年の大幅な変更から3年目を迎える2027年度の共通テストですが、おそらく試行錯誤と調整は続けられるでしょう。
思考力・判断力・読解力を問うという試験の位置づけは、より鮮明になってくると思われます。また前述の通り、大学入試センターが「平均50点が目安」と位置付けていることからしても、2027年度も「平均点が下がることへの抵抗はない」と考えておいた方がよいでしょう。その際に考えられる出題傾向としては、やはり「思考力・判断力・読解力を問う問題=読ませる問題」が中心で、文章量が増化する可能性が高いと思われます。
ただし、この難化傾向はあまり気にし過ぎなくてもよいでしょう。大きな視点から見れば、「平均点が下がる=合格基準も下がる」だけです。下がった基準の中で定員通りの合格者が出るので、平均点の上下は合否にさほど関係ありません。むしろ、正確な結果分析に基づく、出願戦略が重要になるので、冷静な判断が合否を分けると言えます。
平均点が下がると不利?合格ラインへの影響
そうした「調整局面」においては、受験する科目によっては、少なからずの得点差(不公平)が起きてしまいます。
たとえば理科なら、一般的には「物理・化学受験組」よりも「化学・生物受験組」の方が得点は上がりやすい傾向にあります。それなら化学・生物で受けたほうが得するのでは?思うかもしれませんが、それは本末転倒です。
ゴールは試験を突破することではなく、大学入学後に何を勉強するか?です。 そのためには、その学びを探求するための最低限の知識が必要です。国公立大学の場合は、共通テストに次いで個別試験がありますが、その受験科目は学部で学ぶために必要な科目が課せられます。個別試験に物理や化学が必要なら、共通テストもその科目で受験すればよい、ただそれだけです。同じ大学・学部をめざすライバルも、多くは同じ科目で受験しているはずですから、ここでも戦う条件に違いはありません。
受験科目による有利・不利はある?
もう一つ、調整局面で起きる興味深い特徴を付け加えておきます。
今年は物理が難しく、平均点も去年に比べて-13.41点と大きく下がりました。では、今年「物理・化学受験組」で受験した人は、去年「物理・化学受験組」の受験生に比べて得点も下がったのでしょうか?
比べてみると、平均点上ではほぼ同じです。たしかに今年の物理は-13.41点ですが、一方で今年の化学は+11.52点ですから、概ね相殺されています。そこは、さすが大学入試センター。受験者数50万人規模の世界に誇れる入試システムで、実によく設計されています。そうした意味からも、「受験科目による有利・不利」は気にしない方がよいでしょう。
共通テスト対策はいつから?【高1・高2・高3の勉強法】
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「共通テストだけを意識した勉強」は難しい
よく受験生本人や保護者の方から「共通テスト対策にはどんな勉強をすればいいですか?」という質問を受けます。しかし、誤解を恐れずに言えば「共通テスト対策」といった勉強はありません。これまで述べた共通テストの特徴を意識して勉強を進めるのは非常に難しいからです。また、早い時期から過去問に取り組むのも効果的とは言えません。
何よりも頭に入れておいてほしい前提は、「行きたい大学に求められる学力を養うこと」です。過度に「共通テスト対策」を意識することなく、「個別試験までも含め、必要な学習をきちんとやる=その延長上に共通テストがある」と考えるのがよいでしょう。
試験慣れはいつから始めるべきか
ただし、共通テストの出題形式は独特の特徴があります。とにかく読まなければならない量が半端ではありません。スピードも必要ですし、読んだ直後、選択肢から正解を見つけ出す訓練も必要です。
いま、試験問題の冊子と同じサイズの問題集が多数、販売されています。これは、実際のサイズで読む訓練をするためです。過去問は赤本でも読めるのですが、それだと本のサイズにあわせてコンパクトにレイアウトされているため、比較的一目で読めてしまいます。
一方、実際の問題冊子のサイズで読んでみると、目線の動かし方が大きくなるので、一目では読みづらくなります。特に縦書きの国語は要注意です。些細なことですが、それだけで焦ってしまうこともあるので、あらかじめ「試験慣れ」しておくことが大切です。
これはあくまで、「共通テストの形式に慣れるトレーニング」ですから、高3の夏休み以降に練習するとよいでしょう。慌てて取り組む必要はありません。
それまでに「共通テストはどんな問題が出題されるのか」ということを実際の問題を見ながら、問題数や文章量、見た目の迫力などを体感しておくとベストです。勝つための準備として早めに敵を知る…ということですね。
学年別・やるべき対策
それでは、高校の3年間で、いつどんな勉強をした方がよいのでしょうか?そのポイントあげておきます。参考にしてください。
高校1年生
- 文理選択は早めに決める
- 文理選択が早めに決まれば受験科目(強化すべき科目)が明確になり、対策を立てる時間的な余裕が生まれる
- 1年のうちは、まずは教科書レベルの基礎力を鍛える
- 教科書の内容で少しでも「?」と思う箇所を優先的に取り組み、疑問を解決しておく
- 暗記は一度にまとめてしない。スキマ時間を有効に活用する意識と練習を。
英語なら単語・熟語、古文なら単語・文法、歴史なら年号など - これらの科目は暗記=知識量が増える分、得点力も上がるので得意科目にしやすい
- 国公立大学を志望するなら、共通テストという「特殊な試験」があることを知っておくこと。早めに出題傾向などの情報にふれておく
高校2年生
- 基本的には、高1内容の上に積み上げていく学習が中心になる
- 理科、地歴など受験に直結する教科がスタート、英数でも新しい単元を学習するので、一気に学習量が増える分、学習の計画性が求められる
- 理解したつもりでもできないことは多いので、高2では特にその誤解を意識しておく
- 「できること」はより得意に「できないこと」は平均レベルまでを目標に学習しよう
- 早めに志望大学と学部くらいまで決めておくと、学習内容の優先順位をつけやすくなるので、受験対策が効効率的に進められるのでおすすめ
高校3年生(0学期~共通テスト直前期)
0学期(高2冬休み以降3学期)
- 本番まで残りあと1年、自分は受験生だという意識を強く持つこと
- 高3・0学期(高2の冬休み以降3学期)には、高2までの学習状況を振り返り、高3の1学期までに苦手分野をできるだけ克服しておくこと
1学期
- 公立高校の場合、3年生に入っても、理系大学の受験に必要になる数Ⅲなど、新しい履修内容が続くため、時間的な余裕はあまりないことを知っておく
- 引き続き、高2までの振り返り学習と、新しい単元の理解・定着のバランスをとりながら学習を進める
- 受験における必要度に応じて、学習内容の優先順位をつけることを意識する
夏休み以降(共通テスト直前期)
- 共通テスト対策のトレーニングとして、膨大な量の文章を読む訓練
- 共通テストと同じサイズの問題集などを使った実戦演習
- 個別試験対策は、過去問を中心とした適正なレベルの問題に取り組み、自分で解答がかける=解答作成能力のレベルアップを意識して取り組む
塾は必要?共通テスト対策での上手な活用法
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個別指導塾のメリットと役割
できると思うことは誰にも負けない力をつける、苦手なことは人並みにできるように着実に鍛える…それが正しい受験戦略なのですが、苦手なことに取り組むのは後回しになりがちです。誰でも、できることをしている時間は楽しく、できないことをしている時間はおもしろくありません。そのため、自分ひとりで勉強しようとすると、ついつい楽しいこと(得意な科目や単元)に時間を割いてしまいます。そうすると、必然的に苦手科目の補強がおろそかになります。苦手科目に触れる時間が少ないとどこが苦手なのかも曖昧になりがち。
そこで塾の出番!自分一人では気づけない弱点を探し出してもらい、効率よく強化できる学習方法を教えてもらい、その進捗を管理してもらう。塾はそう使ってこそ正解です。
その視点から見れば、個別指導塾は「伴走してくれるパートナー」として最適です。
個別指導Axisでは、共通テストとはどんな試験なのか?志望校はどうやって選ぶのか?といった情報の提供や、現時点の成績と目標を踏まえた学習計画の立案など、一人ひとりに合った学習サポートを行っています。まずは、お近くの校舎へお問い合わせください。
この記事を書いた人

(株)ワオ・コーポレーション
大学受験部門責任者
栗田 智文(くりた ともふみ)
進学塾での指導歴30年以上、1万人以上を導いた経験と洞察力に基づき、激動の大学入試事情を緻密に分析。的確なアドバイスで志望校合格へと導く指南役。