学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

岩手県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2024年度/令和6年度

出題傾向

例年通り大問数は10問で、小問数も例年通りでした。大問1~4のリスニング問題は、すべて記号で答えさせる問題で、対話や説明を聴いて答える問題がメインです。 大問3に、説明を聞いてメモを完成させる問題が出題されるのが特徴です。大問9で出題された並べ替え問題は、英文の構造や動詞の語法をしっかり理解できているかどうかで得点に大きく差が出る問題でした。それ以外は適語補充、会話文読解、長文読解、条件英作文が出題されますが、基本的な文法内容が理解できていれば得点できる問題です。

対策のポイント

大問10題中3題が、会話文または長文読解の問題!

長文読解は、文中の空所に単語や文を補充する問題や、内容に合う選択肢を選ぶ問題、複数の文を適する順番に並び替える問題など、様々な形式の問題が出題されます。長さは400語程度で公立高校入試においては平均的な分量ですが、制限時間を考えるとある程度の速読力が求められます。

日本文の内容を20語以上で書く英作文が出る!

2024年はもらったメールに対する返信を完成させる問題が出題されました。例年「場面」と「状況」が与えられて、2つの選択肢から自分の考えに合う方を選びそれについて英語で作文をするという問題が出るので、難解な表現は不要で、教科書で学習するフレーズをしっかり練習することが必要です。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 10 10 10
小問数 29 30 29
リスニング 10 10 10
英作文 2 2 2

数学

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数は12問、小問数25問でほぼ例年どおり。 大問1の小問集合、大問2~6の方程式や図形、箱ひげ図の問題は典型的な出題でした。大問7以降は例年配点が高く、特に関数分野は十分に準備しておくことが重要です。ただし関数や図形の最後の小問は難易度が高いことも多いので、そこに時間をかけすぎず、前半の問題を取りきることが高得点獲得へのカギとなります。 大問1の小問集合は確実に全問正解できるよう、典型問題の一つ一つの解法を理解・納得したうえで、手を動かして演習することが必要です。

対策のポイント

「連立方程式の文章題」 が出る!

今回までで4年連続で連立方程式の文章題が出題されています。近年の傾向として、日常の現象と絡めた出題が増えてきており、しっかり準備しておく必要があります。教科書の「深い学び」や各章末の問題Bの「活用の問題」には過去問と似た題材が紹介されていますので、きちんと取り組んでおきましょう。

記述式の 「図形の証明問題」と「三平方の定理」 が出る!

図形の証明は毎年必ず出題されます。今回は相似の証明の問題でした。相似条件はすぐに見つかりますが、証明の言い回しが少し難しい問題でした。色々なタイプの証明問題を練習しておく必要があります。三平方の定理は空間図形の高さなどを出す問題として扱われます。平面図形としてだけでなく、融合問題などを練習しておきましょう。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 12 12 12
小問数 16 15 20
記述問題 図形の証明(説明) 1 1 1
その他の説明・証明など 0 1 0
立式・解法の過程の記述 1 1 1
作図(図形) 1 1 1
作図(グラフ) 1 0 0

国語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問1:小説 上野歩「お菓子の船」 大問2:論説文 戸谷洋志「SNSの哲学」 大問3:短歌 千葉聡「はじめて出会う短歌100」 大問4:古文 「十訓抄」「呻吟語」 大問5:資料読解・作文 大問6:漢字 例年5大問構成でしたが、今年は6大問構成。また例年続いた「小説+古文」「説明文+漢文」などの種類の異なる文章の融合問題は出題されず、「古文+漢文」という古典の文章が2つ出題されました。また、昨年度は20字以内を条件とする短記述が出題されませんでしたが、今年は1題出題されました。

対策のポイント

複数の文章の融合問題が出る!

今年は「古文+漢文」という組み合わせでしたが、今後も「小説+古文」「説明文+漢文」などの種類の異なる文章の融合問題が出題される可能性があります。いろいろな文章を読み、考える習慣をつけておくことが大切です。

「複数資料の読み取り問題」が出る!

近年は複数の資料やグラフを組み合わせた出題が続いています。今回は「職業を選びで重視したいこと」というテーマで作文をするにあたり、2つのグラフの資料をもとに意見をまとめるという内容でした。段落構成の条件もを守りつつ、スピーディーに意見をまとめて書く練習が必要です。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 5 6
小問数 19 23 25
記号解答 9 10 11
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 10 13 14

理科

2024年度/令和6年度

出題傾向

例年通り大問6問構成になっています。小問集合が8問、物理、化学、生物、地学から各1問、融合問題が1問出題されています。 大問1は小問集合で、複数単元からの出題があります。大問2以降の各大問では、「得られたデータから何がいえるか」を問う問題や、「必要な情報を得るために比較するデータを選んで考える」といった問題が増えていますので、情報の読み取りの練習も必要です。計算問題は単位変換も大切です。公式を理解し使いこなせるまで練習しましょう。

対策のポイント

「化学反応式」が出やすい!

ここ数年、化学反応式が必ず出題されています。イオンも含めて、化学反応式を正確に書けるように練習しておきましょう。特に電池に関連した実験と化学反応に関連して出際されることが多いので、電池についてはしっかりと復習しておきましょう。

計算問題は要練習!

物体の運動速度、電流、化学反応、飽和水蒸気量、飽和水溶液、エネルギーの変換効率、仕事率、初期微動継続時間などの計算問題が毎年3~4題は出題されます。各公式を理解し、使いこなせるようになるまで何度も練習しましょう。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 6 6 6
小問数 32 32 32
記号解答 23 22 21
短文記述 4 5 4
計算問題 3 3 4
図・グラフ、モデル 1 1 1
語句記述

社会

2024年度/令和6年度

出題傾向

例年通り、大門が8つで構成されています。小問は29問、文章記述問題は7問でした。 例年通り全体的に基本的な知識を問う問題が多い一方、文章記述問題のほとんどは、用意された資料を読み解き答える問題が多いため、資料読解力が重要です。特に最後の大門は近年恒例となっている「ディベート型記述問題」(あるテーマに基づいた課題と利点、長所と短所等の2つの立場から答える問題)が出ることが多く、資料の読み解きと様々な視点からの多角的な答えを求められることが増えています。

対策のポイント

「資料の読み取り」は事実と想像を分ける!

資料の読み取り問題は問題文が長く、条件を整理しながら解答する必要があります。何に答えるのかを明確にして、必要事項を盛り込んで記述する練習を積みましょう。特に「資料に書かれていない」ことを勝手に追加したり想像して書いたりしないように「事実」と「自分の考え」を分けて考えるようにしましょう。

「略地図の問題」が出る!

例年、大門1では略地図を用いた世界の地理や距離・時差の問題が出題されています。どんな地図にどんな特徴があったか、どういうメリットとデメリットがあったかをしっかり復習しましょう。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 8 8 8
小問数 28 28 28
記号解答 15 18 19
用語記述 7 4 3
文章記述 6 6 6
作業・作図 0 0 0