学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

神奈川県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問、小問、リスニング問題、英作文の問題数など、例年通りの形式でした。1問出題される英作文と、マークシートの選択問題なので、事前にマークシートの模試を受けるなど、慣れておくと良いです。 各大問ごとの傾向は、直近3年間は、ほぼ変化がなく、大問1:リスニング、大問2~3:2英文の中の不足をしている単語を補う問題、大問4:並び替え、大問5:英作文、大問6~8:長文読解となっています。 長文問題を解ききるためには、スピードも必要になってくるため、時間を計って過去問を解くなどの練習をしておきましょう。

対策のポイント

図やグラフを含んだ長文の問題が出ているので対策しよう!

長文読解は、出る形式が例年ほぼ同じなため、その形式の解き方をおさえることが重要です。特に図やグラフを含んだ形での長文読解が3年以上連続で出題されています。苦手な人もいるかもしれませんが、類似問題や過去問を使って、対策しておきましょう。

本文の抜けている部分について書く英作文が出る!

イラストと一緒に書かれた英文を読んで、一部の欠けている英文を、条件に従って記述する問題が、3年以上連続で出題されています。本文に合わせた形で書かなければいけないので、色々な表現を覚えておく必要があります。同時に長文の読解力も求められるので対策しておきましょう!

過去4年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去4年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 8 8 8 8
小問数 27 27 27 27
リスニング 7 7 7 7
英作文 1 1 1 1

数学

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問数は6問、小問数は22問。 大問1は小問集合で主に計算結果を求める問題、大問2は因数分解、2次方程式、二次関数など単独の文字を用いた計算が多く、大問3は主に平面図形の証明問題、データの活用及び文章からの方程式を導出、大問4は複数の関数の交点を用いた関数の決定及び面積比、大問5は確率、大門6は空間図形が出ている傾向にあります。 点を取っておきたい大問2や大問の各問では、基礎的な理解を問うものを中心に幅広い知識が問われているのでまずは不得意分野をなくしていきましょう。

対策のポイント

「平面図形」のポイントを確認しておこう!

「平面図形」と言われる、図形の面積や特定の角度、比を求める問題の正答率が非常に低くなっています。与えられた条件から得られる情報を、わかりやすく図に書き込んでいくことが重要です。また類題が過去7年、毎年出題されており、いずれも正答率が非常に低いです。ライバルと差をつける重要なポイントになるでしょう。

関数の問題は、見た目の複雑さに惑わされないように注意!

関数の問題は、問題文が長く、書かれているグラフの量も多いので、一見複雑そうに見えますが、対策すれば見た目ほど難しくありません。模試や、過去問で、各小問ごとに見るべきグラフがどれなのか、整理して解く練習をしましょう。また、答えが分数になることが多いので、苦手な人は対策しておきましょう!

過去4年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去4年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 6 6 6 6
小問数 24 25 25 22
記述問題 図形の証明(説明) 1 1 1 1
その他の説明・証明など 0 0 0 0
立式・解法の過程の記述 1 1 1 1
作図(図形) 0 0 0 0
作図(グラフ) 0 0 0 0

国語

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問1は国語の知識に関する問題。主に漢字の読み書き、短歌の内容理解が出題された。大問2は小説、大問3は論説、説明文、大問4は古文の読解問題、大問5は資料の読み取りや要点把握能力を見る問題が出題される傾向です。 出題内容はここ数年大きな変化はみられず、来年度も思考力、判断力、表現力などを把握するような出題になると考えられます。 まずは基礎である漢字や文法などの知識を確認しましょう。文学的文章は登場人物の心情とらえられるようにしましょう。説明・論説文は筆者が伝えたいことをとらえることが重要です。

対策のポイント

文章の「速読」が重要!

神奈川県の高校入試は他県平均と比べ約2倍の文字数があり、全てをしっかり読むのは難しいです。特に最初から文章をじっくり読んでいると、後半で時間が足りない、見直しをする時間がないなどの事態に陥りやすいです。素早く文章を読み、要点を把握する能力が求められます。

「複数資料の読み取り問題」が出る!

近年は複数の文章や資料を組み合わせた出題が続いています。このような問題で出題されやすい、指示された条件での記述問題の正答率は例年非常に低いですが、配点も高く、また必要な情報は500字程度の文章をきちんと読めばそろえることができます。高得点を狙うならぜひ狙いたいポイントです。

過去4年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去4年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 5 5 5 5
小問数 30 30 31 30
記号解答 29 29 30 29
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 1 1 1 1

理科

2026年度/令和8年度

出題傾向

例年通り、大問8問構成になっています。物理、化学、生物、地学から各2問出題されています。図や表を選ぶ問題も多く、図や表から情報を得る力も必要となります。 選択問題であっても思考力を問われる問題があり、解くにはある程度の時間がかかります。さらに、正答率は大問内でばらつきがあるため、自分が解ける問題を取捨選択し、解ける問題から解くことが必要になります。自分で戦略を立てて、どの大問から解いていくのかを考えることはとても有効でしょう。

対策のポイント

問題文が長いので慣れておこう!

全体として、とにかく問題文が長い傾向にあります。実験の流れを説明して文章を読んでそれについて解いていく問題が多いので、学習した実験についてはしっかり復習しておきましょう。また、単純に問題文が長いので、国語力や、読解スピードも必要になってきます。

グラフを読み取る問題に注意!

今年も実験の結果が表されたグラフを読み取る問題が出題されました。この問題はグラフをもとに化学反応において「何が」「どれだけ」必要かを意識すると良いでしょう。このような問題は類題がここ7年で4回出題されており、うち3回で非常に低い正答率となっています。高得点を狙うならぜひ押さえておきたいポイントです。

過去4年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去4年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 8 8 8 8
小問数 28 28 34 29
記号解答 28 28 28 29
短文記述 0 0 0 0
計算問題 5 9 9 6
図・グラフ、モデル 10 13 11 12
語句記述

社会

2026年度/令和8年度

出題傾向

例年通り、地理2問、歴史2問、公民2問、三分野総合1問の計7問で出題されていました。また、多くの問題が、資料と組み合わせた形式で出題されていて、思考力・読解力を試す問題が多い傾向です。社会は暗記科目だと思われがちですが、暗記だけでは取り切れない問題も増えてきています。他の教科と比べると、暗記が必要な知識は多いですが、覚えた知識を活用する練習も必要になってきます。過去問や問題集を解いていく中で、間違えたものは、解き方まで確認する癖をつけるようにしましょう。

対策のポイント

多くの問題が資料と絡めて出題されている!

例年、半数以上の問題が、資料と絡めて出題されています。資料に書かれている事の正誤を判別する問題、資料内の語句の説明を選択する問題などです。また資料から読み取れること、読み取れないことを判別する問題なども出題されており、合わせるとかなりの数が出題されているので、対策が必要です。

三分野総合問題は、落ち着いて小問ごとに見てみよう!

例年、大問7では、三分野総合問題の総合問題が出題されています。大問全体でみると地理、歴史、公民が融合しているように思えますが、小問ごとにみると地理、歴史、公民それぞれで分離しています。そのため、難しく考えずに小問ごとに分けて考えることが重要です。

過去4年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去4年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 7 7 7 7
小問数 32 34 34 34
記号解答 32 34 34 34
用語記述 0 0 0 0
文章記述 0 0 0 0
作業・作図 0 0 0 0