42点の答案より、忘れられない表情
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先日、ある中学生が英語の定期テストの答案を持ってきました。
「先生。」
そう言って差し出された答案には、大きく「42点」の文字。
50点満点のテストです。
実はこの生徒、少し前までは英語で10点台を取ることも珍しくありませんでした。英語に苦手意識が強く、「どうせ自分には無理」と思ってしまう場面も少なくありませんでした。
そんな生徒が42点。
もちろん、私も嬉しかったです。
でも、それ以上に印象に残ったのは、そのときの表情でした。
満面の笑みで飛び跳ねるわけでもなく、「やったー!」と喜ぶわけでもない。
どこか澄ました顔で、
「こんだけ取ったけど、何か?」
そんな雰囲気を漂わせながら答案を差し出してきたのです。
……いやいや、嬉しいんでしょ(笑)。
その「嬉しさを必死に隠している感じ」が何とも微笑ましくて、思わずこちらまで笑ってしまいました。
でも、少し考えてみると、その表情には理由があったのかもしれません。
本当はすごく嬉しい。
だけど、照れくさい。
あまり大げさに喜ぶのも恥ずかしい。
そんな中学生らしい気持ちが、その表情に全部詰まっていたように思います。
私たちはつい、「何点取れたか」に目が行きがちです。
もちろん、点数は大切です。
努力の結果が数字として表れるのですから、喜ぶべき成果です。
でも、教育の現場で本当に嬉しい瞬間は、点数だけではありません。
「自分でもできるかもしれない。」
そんな小さな自信が芽生えた瞬間こそ、次の成長につながる大切な一歩なのだと思っています。
一度成功体験を味わった子どもは、次も頑張ってみようという気持ちになります。
「勉強って、やれば少しは結果が出るんだ。」
そう思えることは、どんな参考書よりも価値のある学びなのかもしれません。
今回の42点は、ゴールではありません。
でも、この生徒にとっては、「英語が苦手な自分」を少しだけ乗り越えられた記念すべき42点でした。
そして私にとっては、その答案よりも、嬉しさを隠しきれずに澄ました顔をしていたあの表情の方が、ずっと心に残っています。
これからも子どもたち一人ひとりの「できた!」という瞬間を、一緒に喜びながら見守っていきたいと思います。
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