学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。
英語
出題傾向
熊本県の英語の問題形式は、ある程度決まっていますので、対策すれば点数が上がりやすくなります。今年も大問数は例年通り5問。小問数、リスニング問題数、英作文の問題数もほぼ例年通りでした。リスニング問題は1回しか放送されませんので、しっかりとメモをとる練習をしましょう。また例年、300語前後の長文が出題されます。内容が合っているものを選ぶ問題や、並び替え、空欄補充の問題の対策が必要です。英作文では、25字以上の指定がありますので、日頃から自分の考えを書く練習をしておきましょう。
対策のポイント
リスニング対策は必須!
熊本県のリスニングの配点は12点です。その内10点分は聞き取る問題で、しっかりと練習しておけば、高得点が望めます。ただ最後の問題は、放送でのhelpfulを原型不定詞の用法でhelpに変換する必要があり、難易度は高めでした。
25語以上の英作文が出る!
熊本県の英作文は、25語以上35語以内の指定があります。今年は本は買うのか、借りるのかを、相手の発言に対して、自分の意見を述べる問題が出題されました。自分の立場を明確にし、語彙をもとに、しっかりと自分の意見を書く練習が必要です。
過去3年間の出題実績
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分野 | 出題内容 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
---|---|---|---|---|
リスニング | 正しい答えを選ぶ | ◯ | ◯ | ◯ |
絵や地図を使う | ◯ | ◯ | ◯ | |
メモ・グラフ・表を完成する | − | − | − | |
日本語[英語]で答える | − | − | − | |
自分の考えを英語で書く | − | − | − | |
発音・アクセント | 発音・アクセント | − | − | − |
くぎり・強勢・抑揚 | − | − | − | |
読解 | 英文和訳(記述) | − | − | − |
脱文挿入 | − | − | − | |
内容吟味 | ◯ | ◯ | ◯ | |
要旨把握 | ◯ | ◯ | ◯ | |
語句解釈 | ◯ | ◯ | ◯ | |
語句補充・選択 | ◯ | ◯ | ◯ | |
段落・文整序 | ◯ | ◯ | ◯ | |
指示語 | − | − | − | |
会話文 | ◯ | ◯ | ◯ | |
文法・英作文 | 和文英訳 | − | − | − |
単語の穴埋め | − | − | − | |
語句補充・選択 | ◯ | ◯ | ◯ | |
語句整序 | − | − | − | |
正誤問題 | − | − | − | |
言い換え・書き換え | − | − | − | |
英問英答 | − | − | − | |
条件英作文 | ◯ | ◯ | ◯ | |
自由英作文 | ◯ | ◯ | ◯ |
過去3年間の出題数
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出題形式 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
---|---|---|---|
大問数 | 5 | 5 | 5 |
小問数 | 31 | 30 | 32 |
リスニング | 11 | 11 | 11 |
英作文 | 1 | 1 | 1 |
数学
出題傾向
大問数は6問、小問数32問で例年どおりでした。 大問1は計算問題。配点は10点で、ここは確実に正解しておきたいです。大問2は各テーマからの問題。確率や作図も毎年出題されます。大問3はデータの活用と箱ひげ図の問題で、正確な分析力が必要となります。大問4は空間図形、大問5は関数の問題で、後半に行くほど難易度が上がります。大問6は平面図形の問題で、最後の問題は答えにいたるまでに20行以上かかるものの、配点はわずか2点ですので、捨てるべき問題と言えます。
対策のポイント
「作図」 は必ず出る!
熊本県は必ず作図の問題が出ます。しかも難易度は高く、今年の120度を作図する問題では、直接120度を作図することは出来ず、先に正三角形を作成しておく必要があり、「読解力」「表現力」をみる問題がよく出題されています。落ち着いて取り組めるよう、作図の問題にも慣れておくようにしましょう。
証明問題の対策は必須!
証明問題は対策が必要です。特に熊本県では、相似の問題がよく出題されますので、必ず対策しておきましょう。どの三角形とどの三角形が相似なのかを見抜くには、練習が必要です。多くの問題を解き、自分のものになるまで演習しておきましょう。
過去3年間の出題実績
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分野 | 出題内容 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
---|---|---|---|---|
数と式 | 正負の数 | ◯ | ◯ | ◯ |
文字式 | ◯ | ◯ | ◯ | |
方程式・不等式 | ◯ | ◯ | ◯ | |
式の計算 | ◯ | ◯ | ◯ | |
連立方程式 | − | − | − | |
平方根 | ◯ | ◯ | ◯ | |
多項式 | − | − | − | |
2次方程式 | ◯ | ◯ | ◯ | |
関数 | 比例と反比例 | − | ◯ | − |
1次関数 | ◯ | ◯ | ◯ | |
関数 y = ax2 | ◯ | ◯ | ◯ | |
図形 | 平面図形 | ◯ | ◯ | − |
空間図形 | ◯ | ◯ | ◯ | |
平面図形と平行線の性質 | − | − | − | |
図形の合同 | − | − | − | |
図形の相似 | ◯ | ◯ | ◯ | |
円周角と中心角 | ◯ | ◯ | ◯ | |
三平方の定理 | ◯ | ◯ | ◯ | |
データの活用 | データの分布・比較 | ◯ | ◯ | ◯ |
確率 | ◯ | ◯ | ◯ | |
標本調査 | ◯ | − | − |
過去3年間の出題数
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出題形式 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
---|---|---|---|---|
大問数 | 6 | 6 | 6 | |
小問数 | 30 | 33 | 32 | |
記述問題 | 図形の証明(説明) | 1 | 1 | 1 |
その他の説明・証明など | 1 | − | 1 | |
立式・解法の過程の記述 | − | − | − | |
作図(図形) | 1 | 1 | 1 | |
作図(グラフ) | − | − | − |
国語
出題傾向
大問1は熊本県出身の北里柴三郎についての資料が、大問2はグラフが出題されました。大問3は知覚や情動に関する説明文、大問4は文学的文章でした。また、大問5では古文が出題され、例年通り歴史的仮名遣いや、主題の把握が出題されました。作文は大問2の中で出題され、インターネットの活用に関し、自分の体験を書くものでした。入試では、自分の言葉で書く問題が出題されることが最近の傾向です、日頃から自分の意見や考えを書く練習をしておく必要があります。
対策のポイント
作文対策は必ずしておこう!
熊本県の入試問題では、作文が必ず出題されます。今年は、インターネットを使うことで、学びが広がった自分の体験を書くものでした。漢字や句読点の使い方、原稿用紙の使い方など、正しく書くことだけでなく、相手に伝わりやすい言葉で書く練習も必要です。
古文は対策しやすい!
熊本県の古文の問題は、比較的取り組みやすい問題になっています。歴史的仮名づかいは、毎年出題されていますので習得しておきましょう。内容読解は、主語を押さえると格段に分かりやすくなります。注釈を先に読んでおくことも必要です。
過去3年間の出題実績
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分野 | 出題内容 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
---|---|---|---|---|
漢字・語句 | 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首) | ◯ | ◯ | ◯ |
熟語(三字熟語・四字熟語) | − | ◯ | − | |
語句(ことわざ・慣用句) | − | − | ◯ | |
文法 | 文と文節 | − | ◯ | ◯ |
品詞・用法 | ◯ | ◯ | ◯ | |
敬語、その他 | − | ◯ | − | |
表現・情報 | グラフ・図表の読み取り | − | ◯ | ◯ |
話し合い | ◯ | − | ◯ | |
伝え方の工夫 | − | − | − | |
課題作文 | ◯ | ◯ | ◯ | |
聞き取り問題 | − | − | − | |
文学史 | 文学史 | ◯ | ◯ | ◯ |
現代文(読解) | 主題・表題 | ◯ | ◯ | ◯ |
大意・要旨 | ◯ | ◯ | ◯ | |
情景・心情 | ◯ | ◯ | ◯ | |
内容吟味 | ◯ | ◯ | ◯ | |
文脈把握 | ◯ | ◯ | ◯ | |
段落・文章構成 | ◯ | − | ◯ | |
指示語 | − | ◯ | − | |
接続語 | − | ◯ | − | |
脱文・脱語補充 | − | − | − | |
古典 | 古文のかなづかい・古語 | ◯ | ◯ | ◯ |
古文の会話・主語 | − | ◯ | − | |
古文の展開 | ◯ | ◯ | ◯ | |
漢文・漢詩 | − | − | − | |
文章のジャンル | 論説文・説明文 | ◯ | ◯ | ◯ |
記録文・報告文 | − | − | − | |
小説・伝記 | ◯ | ◯ | ◯ | |
随筆・紀行・日記 | ◯ | ◯ | ◯ | |
詩 | − | − | − | |
和歌(短歌) | − | − | − | |
俳句・川柳 | − | − | − | |
古文 | ◯ | ◯ | ◯ | |
漢文・漢詩 | − | − | − |
過去3年間の出題数
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出題形式 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
---|---|---|---|
大問数 | 5 | 5 | 5 |
小問数 | 35 | 33 | 31 |
記号解答 | 11 | 9 | 13 |
記述式解答(漢字の読み書きも含む) | 24 | 24 | 18 |
理科
出題傾向
今年の熊本県の入試問題の中で、一番平均点が低かったのが理科です。暗記だけでは解けない問題が多く出題されます。 問題形式は例年通り、大問4問構成になっています。物理、化学、生物、地学から各1問が出題されています。小問数は57問と多く、選択問題であっても思考力を問われる問題が多くあり、解くにはある程度の時間がかかります。また、実験結果から考察する問題も多く出題され、実験の条件や結果などを、正確に読み取る学習も必要です。
対策のポイント
記述問題は対策が必要!
熊本県は文章で説明する問題が出題されます。今年も5問出題されました。ただし、知識としては基本事項が中心となります。基本事項を覚える際、日頃から自分の言葉でも説明する練習をしておき、記述することに慣れておきましょう。
計算問題を得意分野に!
計算問題は必ず出題され、今年は7問出題されました。計算問題は、「どのような条件で」「どのような数値だったのか」を正確につかむ必要があります。問題文や表を丁寧に読み、正確に情報を把握していきましょう。また計算間違いがないよう、丁寧に解答していくことも必要です。
過去3年間の出題実績
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分野 | 出題内容 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
---|---|---|---|---|
物理 | 力のはたらき | − | − | ◯ |
光と音 | − | − | − | |
電流 | − | − | ◯ | |
電流と磁界 | ◯ | − | ◯ | |
力のつり合いと合成、分解 | ◯ | ◯ | − | |
運動の規則性 | ◯ | − | − | |
仕事とエネルギー | ◯ | ◯ | ◯ | |
化学 | 物質のすがた | − | − | − |
水溶液 | ◯ | − | ◯ | |
状態変化 | − | − | − | |
物質の成り立ち、原子・分子 | ◯ | ◯ | − | |
物質の化学変化 | − | − | − | |
化学変化と物質の質量 | − | ◯ | − | |
水溶液とイオン、電池とイオン | − | ◯ | ◯ | |
化学変化と電池 | ◯ | − | ◯ | |
生物 | 生物の観察と分類の仕方 | − | ◯ | − |
生物の体の共通点と相違点 | − | ◯ | − | |
生物と細胞 | − | ◯ | − | |
植物の体のつくりと働き | ◯ | ◯ | − | |
動物の体のつくりと働き | − | ◯ | ◯ | |
生物の成長とふえ方 | − | − | ◯ | |
遺伝の規則性と遺伝子 | − | − | ◯ | |
生物の種類の多様性と進化 | − | − | − | |
地学 | 身近な地形や地層、岩石の観察 | − | ◯ | − |
地層の重なりと過去の様子 | − | ◯ | − | |
火山と地震 | ◯ | ◯ | − | |
自然の恵みと火山災害・地震災害 | ◯ | ◯ | − | |
気象観測 | − | − | ◯ | |
天気の変化 | − | − | ◯ | |
日本の気象 | − | − | ◯ | |
自然の恵みと気象災害 | − | − | − | |
天体の動きと地球の自転・公転 | − | ◯ | − | |
太陽系と恒星 | ◯ | ◯ | ◯ | |
分野融合 | エネルギーと物質(物理・化学) | ◯ | ◯ | ◯ |
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物) | − | − | − | |
生物と環境(生物・地学) | − | − | − |
過去3年間の出題数
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出題形式 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
---|---|---|---|
大問数 | 4 | 4 | 4 |
小問数 | 53 | 55 | 57 |
記号解答 | 32 | 38 | 21 |
短文記述 | 5 | 3 | 5 |
計算問題 | 7 | 4 | 7 |
図・グラフ、モデル | 1 | 2 | 1 |
語句記述 | − | − | − |
社会
出題傾向
5科目中、一番平均点が高かったのが社会でした。今年は入試でよく見かける基本問題も多く、対策をしっかりと行った受験生は、取り組みやすかったようです。大問は地理2問、歴史2問、公民2問の計6問で、バランスよく出題されます。また資料を読み取る問題も多く、何がどう変化しているのかという、分析力も身につける必要があります。農地改革を記述で説明させる問題など、基本事項と一緒に、時代背景も覚えるようにしましょう。
対策のポイント
データや図を読み取る問題の対策は簡単!
熊本県では、データや図を読み取る問題が必ず出題されます。データの分析では、「何がどう増えたのか、減ったのか、変わらないのか」に注目すれば、入試本番までに必ず解けるようになります。図を読み取る問題の代表格である、地形図の問題では、地図記号や距離の求め方をマスターしておきましょう。
「歴史の並びかえの問題」は必須!
熊本県では、歴史の主な出来事の並べかえ問題は必ずが出題されています。1つの時代区切りだけではなく、全体的な流れをつかむようにしましょう。政治、経済、文化を軸に、各時代の特色を把握し、自分なりにまとめておくことも必要です。
過去3年間の出題実績
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分野 | 出題内容 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
---|---|---|---|---|---|
地理的分野 | 日本の姿 世界の姿 |
地形 | ◯ | ◯ | ◯ |
気候 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
人口 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
産業・貿易 | 第一次産業(農林水産業) | ◯ | ◯ | ◯ | |
第二次産業(工業) | ◯ | ◯ | ◯ | ||
第三次産業(商業・サービス業) | ◯ | ◯ | ◯ | ||
貿易 | ◯ | − | ◯ | ||
地域 | アジア州 | ◯ | ◯ | ◯ | |
ヨーロッパ州 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
アフリカ州 | ◯ | − | ◯ | ||
南北アメリカ州 | ◯ | ◯ | − | ||
オセアニア州 | ◯ | − | − | ||
九州地方、中国・四国地方 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
近畿地方、中部地方 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
関東地方、東北地方、北海道地方 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
歴史的分野 | 日本史 | 平安時代まで | ◯ | ◯ | ◯ |
鎌倉・室町時代 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
戦国・江戸時代 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
明治時代以降 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
世界史 | 古代 | ◯ | ◯ | ◯ | |
中世 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
近世 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
近・現代 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
テーマ史 | 政治・外交史 | ◯ | ◯ | ◯ | |
社会・経済史 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
文化史 | − | ◯ | − | ||
公民的分野 | 政治 | 現代社会と私たちの生活 | − | − | − |
個人の尊重と日本国憲法 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
現代の民主政治、三権分立 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
地方自治 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
経済 | 消費生活と流通 | ◯ | ◯ | ◯ | |
企業と生産活動 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
財政、国民生活と福祉 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
国際 | 地球社会と私たち | − | − | ◯ | |
経済と貿易 | − | − | − | ||
環境問題 | − | ◯ | − | ||
時事問題 | − | − | − |
過去3年間の出題数
左右にスワイプすると
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出題形式 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
---|---|---|---|
大問数 | 6 | 6 | 6 |
小問数 | 73 | 60 | 60 |
記号解答 | 44 | 28 | 33 |
用語記述 | 20 | 21 | 18 |
文章記述 | 8 | 10 | 9 |
作業・作図 | 1 | 1 | 0 |