学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

大分県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問5題、小問31問、長文問題がメインとなっていて例年とほぼ変わりありません。長文問題では内容理解を問うものがほとんどです。2023年度に比べると語数自体は若干増えたものの、前半・後半と分かれていて読みやすくなりましたが、一方で選択肢が増えたことや抽象的な内容・語の言い換えが多くなり難化した印象です。放送問題も毎年10点前後の配点で出題され、放送時間は約9分です。英文を聞いてイラストを選ぶ、対話を聞いて質問に答えるものになります。英作文は条件に合い、語数等を押さえていれば難しい文を作る必要はありません。

対策のポイント

読解問題が大問5問中3問も出る!

対話文を読んで答えるもの、長文を読んで答えるものがあり、どちらの場合も本文の流れ・内容を問う問題が多いです。標準レベルの出題がほとんどですが、放送問題もあり5題中3題の出題である点を考えると、速く正確に読む訓練が必要になります。日ごろから長い英文を読むことに慣れておきましょう。語彙力のアップも大切です。

英作文が出る!

英作文は助動詞を用いた表現をマスターしておきましょう。基礎例文を確実に身につけ、基礎パターンを押さえてくことも重要です。難しい文章を作る必要はないので減点されない英作文の練習をしていきましょう。また問題文の内容に合った英文を書くことになるので正確に内容を読み取る練習も大切です。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 30 31 31
リスニング 8 8 8
英作文 3 3 4

数学

2024年度/令和6年度

出題傾向

問題の出題数はここ数年では、大問が6題、小問で30問前後となっています。解答時間が50分の割には問題数が多く、時間配分が難しい問題構成と言えます。しかし、問題の難易度は標準的なレベルであり、特に大問1は計算中心の基本問題で、60点満点のうち20点が配点されています。この大問では、速く正確に解くことが求められます。大問2では関数とグラフが出題され、大問3と大問4では確率とデータ活用・方程式などが幅広く出題されています。また、大問5と大問6では証明や平面図形・空間図形などがここ数年定着しています。

対策のポイント

「方程式の文章題」 が出る!

方程式の文章題では、文章量が多く読解力が重要になります。応用的な問題も出題されるので途中式や過程をきちんと記述できるようにしておくことが重要です。文章を正確に読むことも含め、普段から自分の力で考え、計算ミスなく解く練習をする必要があります。

記述式の 「図形の証明問題」 が出る!

平面図形の問題では「合同」または「相似」の証明問題が毎年必ず出題されます。全文記述形式なので証明の書き方や流れはしっかり押さえておく必要があります。また問題文から分かることを図形にマークするなど、日ごろから癖づけておくとよいです。様々なパターンの問題を繰り返し解き、解法の過程を定着させることが重要です。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 6 6 6
小問数 29 31 28
記述問題 図形の証明(説明) 1 1 1
その他の説明・証明など 1 1
立式・解法の過程の記述
作図(図形) 1 1 1
作図(グラフ) 1

国語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数は昨年と同様に5題です。国語に関する知識の問題が1題、現代文が2題、古文・漢文が1題、表現が1題という構成です。漢字の読みと書き取りは毎年必ず出題され、文法問題も幅広く出題されています。現代文では読解した内容に基づいて記述させる問いもあり、読解力と記述力が求められます。説明的文章では、資料問題を読み取って記述する形式や、資料や文章を読み取り自分の意見をまとめる条件作文など、示された条件に沿って内容をまとめる問題が出題されています。

対策のポイント

文学的文章・説明的文章は配点が高い!

文学的文章・説明的文章は1問が2~4点と配点が高めです。文学的文章は登場人物の心情把握を中心に、説明的文章は筆者の主張を把握することを中心に出題されていて、速く正確に読み取ることが求められます。そのため、様々な形式の読解問題に取り組むことが重要です。また重要な個所には線を引きながら読むなどの習慣も必要となります。

条件作文が出る!

80字~120字で解答する条件記述が毎年出題されます。まずは、条件と題意をもとに常に書く練習をすることが大切です。条件を正しく把握し、それに沿った作文にすることを意識しましょう。もちろん、誤字脱字にも気をつける必要があります。テーマを決めて条件に基づいた作文を書く練習を繰り返ししていきましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 28 30 29
記号解答 12 14 13
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 14 16 16

理科

2024年度/令和6年度

出題傾向

例年通り、大問は5題、小問数は40問の出題となっています。大問は物理、化学、生物、地学からそれぞれ1題ずつ、小問集合が1題の構成です。例年、各分野の配点は15点ずつ、学年ごとの配点も20点ずつと均等になっていましたが、一昨年から学年をまたいだ出題が増え、中2・3内容が多く出題される傾向になりました。基礎的な内容が多く、教科書を理解していれば解ける問題が多いです。2024年度は計算問題が減少し、代わりに用語・作図、知識を問う問題が増加しました。計算問題の減少により、全体の難易度は下がったと考えられます。

対策のポイント

読み取り問題や計算、作図が必ず出る!

グラフ・表・図などの資料を用いた問題が多いため、新研究やその他の問題集で、資料の読み取り、作図を中心に問題に慣れておきましょう。計算問題も多く出題されますが、問題文や図表にはヒントが入っているので正答にたどり着くにはどの資料のどの数字を使うのかなどしっかりと見極めることが必要です。

実験・観察をもとした問題が必ず出る!

実験や観察をもとにした設問ではデータ分析にも慣れておく必要があります。実験器具の使い方や指示薬などの性質もおさえておきましょう。思考力・表現力を見る問題も多く出題されているので、教科書の実験や基礎事項、トピックなどは必ず説明できるようにあらゆるパターンの問題演習を繰り返し練習しておくとよいでしょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 42 41 40
記号解答 20 20 19
短文記述 3 2 4
計算問題 4 13 6
図・グラフ、モデル 1 2 3
語句記述

社会

2024年度/令和6年度

出題傾向

問題構成は大問が5題、小問が40問と例年通りの構成です。そのうち、短文記述が6問、基礎的な用語の確認が8問出題されています。地理・歴史・公民の各分野から学年の偏りなく出題され、各分野が混ざった出題も含まれているため、受験生は戸惑うことが予想されます。出題内容は各分野とも基礎的知識を広く問う問題が大部分を占めています。資料やリード文に基づく問題も出題されており、地理では地図・グラフ・表の読み取りは必須となっています。歴史では時代の流れや因果関係が問われることが多いです。

対策のポイント

短文記述が毎年出る!

年によって出題数は異なりますが、60点満点のうち15点前後の配点で短文記述が出題されます。各分野で出題され、資料を読み取り背景や目的などを説明させたり、事柄のしくみを説明するもの、理由・目的などの関連性を問うものが多いです。資料集や地図帳を活用した学習、歴史の流れをしっかりつかむなどの対策が必要です。

地歴公の各分野を満遍なく学習しよう!

地歴公の各分野が満遍なく出題され、各学年ごとのバランスがとれています。基本的内容が中心の出題なので、教科書の内容を確実に把握しておくことが大切です。地理では地図や資料の読み取り力、分析力を深める、歴史は各時代の特色をつかむ、公民は時事問題に関心を持ち、地方自治・国際社会にも目を向けるとよいでしょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 39 39 40
記号解答 23 23 26
用語記述 9 7 8
文章記述 7 9 6
作業・作図