学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

静岡県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2024年度/令和6年度

出題傾向

問題構成は4つと昨年から変更はありませんでした。大問2の英作文では、問題数が昨年よりも少なくなりましたが12語以上で答える必要がありました。大問4の長文読解では、例年同様に日本語記述問題が2問出題されており、段落ごとの理解を深めることがポイントとなっていました。会話表現も含め、語彙力や文法力を問うような英語の基礎力“+α”の力が求められます。「英作文」や「日本語記述」が得点のカギを握るため、過去問を用いて出題形式に慣れることと、長文の内容把握に重点を置いた学習をすることが必要不可欠です。

対策のポイント

対話文・長文読解は傾向対策で得点力アップ

対話文・長文は例年出題傾向が変わらないため、問題傾向を理解し、確実に得点することが大切です。特に、文脈から読み取れる問題や、語形変化問題は、英語に自信がない生徒も得点源にしたいところです。過去問で形式に慣れて答えやすい問題を把握することが重要です。

「書く力」の養成が最重要!

英作文の問題は、年々難易度が上がっています。条件英作文では、「環境保護について」考えて書く問題でした。細かい条件設定がなく、自由英作文が2題出題された形となりました。得点するためには、単語や文法の定着が欠かせなく、トレーニングの中で、簡単な英語を用いて表現する柔軟な発想を身に付けることが大切です。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 4 4
小問数 28 28 28
リスニング 7 7 7
英作文 3 3 2

数学

2024年度/令和6年度

出題傾向

出題傾向は例年同様で大きな変化はありませんでした。大問6の「関数」では、昨年同様タブレットを用いた形式の問題ありました。空間図形・円の証明は、例年通り難易度が高く、時間をかけないと解けないような問題が何題か出題されましたが、極端に難度の高い問題は出題されませんでした。基礎・標準レベルの問題も配点が少なくなっていませんので、解ける問題で失点しないことが大切な問題構成といえます。箱ひげ図の問題は2年連続で出題されました。

対策のポイント

どの大問にも取りやすい問題はある

数学は、解ける問題から確実に解答し、時間配分をしっかりと意識して問題を解くことが重要です。特に計算や一行問題は、時間をかけず確実に得点することが求められます。また、確率や2次関数、空間図形の(3)以外の問題は典型問題なので、類題演習により得点できるよう練習することが大切です。

記述式の 「図形の証明問題」 が出る!

全文記述式の出題なので、記述式の証明問題への対策が必要です。配点も9点と高いため、上位高校を目指す場合は得点したいところです。証明問題にたどり着くまでに時間をどれだけ残しているかが重要ですので、どこかの問題に引っかかって時間が無くならないように全体を意識して取り組むようにしましょう。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 7 7 7
小問数 20 20 20
記述問題 図形の証明(説明) 1 1 1
その他の説明・証明など
立式・解法の過程の記述 2 2 2
作図(図形) 1 1 1
作図(グラフ)

国語

2024年度/令和6年度

出題傾向

出題傾向に大きな変化はありませんでした。漢字・文法・熟語の問題も出題され、基本的な知識が必要でした。 暗記はもちろんのこと、限られた時間の中で、いかに問われている内容を理解し、文意の通る文章を記述できるかがカギになります。記述問題では細かい条件が与えられるため、設問の内容を理解し解答することが求められます。全体的に難易度はそこまで高くないため、得点差は生じにくいです。記号問題や言語事項で失点をしないことが大切です。

対策のポイント

「説明文」・「物語文」のポイント

毎年記述問題は2~3題出題されます。50字前後の記述となるので、普段の練習から取り組むことが大切です。物語文では、心情の変化の読み取り、説明文では段落ごとの内容理解や対比されている重要文を見つけ出すというトレーニングを行い、感覚で解くのではなく、文章中から探して答える力を身に付ける必要があります。

「古文」・「作文」では失点を最小限に

古文では現代かなづかいは必出です。中学の授業だけでは経験が少ないので問題数をこなすことが大切になります。作文は減点方式になりますので、ルールに則って書ければ得点となります。近年は複数の資料読み取りや、標語のみといった情報が少ない作文も出てくるので、様々な問題を解いて作文に慣れることが何より重要です。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 26 26 26
記号解答 7 7 9
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 19 19 17

理科

2024年度/令和6年度

出題傾向

問題構成は例年通りでした。各分野から、ほぼ万遍なく出題され、知識を問うだけの設問は少なく、各単元で根本的な理解を問う良問が多く出題されました。難易度や出題傾向は昨年と大きく差はありませんが、問題文が長く、条件設定が複雑な出題がみられたため、読み解く力も求められました。 問題を解く上では、情報を選びだす必要があり、応用レベルの出題や、よく見かける実験から掘り下げた問題が見受けられます。計算問題は確実に出題されますので、実験内容の理解、的確な数値を使う力必要となります。

対策のポイント

物理・化学分野のポイント!

頻出単元の「水溶液とイオン」はもちろん、実験観察問題には多く振れるようにしましょう。計算を必要とする問題も多いため、計算ミスをしないことが高得点のカギになります。また、知識を問う記述、思考力を問う記述がバランスよく出題されるため、普段から実験結果や考察を問う問題に取り組むようにしましょう。

生物・地学分野のポイント!

植物名のように知らないと解けない問題も出題されますが、用語を使って説明を求める問題もあるので、一問一答だけで学習を終わらせないようにしましょう。 生物・地学分野は丸暗記と決めつけて、意味も分からず暗記せず、関連事象や系統立てて覚え、知識の定着を図ることが肝要です。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 6 6 6
小問数 34 32 31
記号解答 11 11 11
短文記述 10 7 7
計算問題 5 5 8
図・グラフ、モデル 2 2 2
語句記述

社会

2024年度/令和6年度

出題傾向

出題形式は特に大きな変化はなく、「記号選択」・「語句」・「記述、論述」がバランスよく出題されていました。昨年と比べて難易度に大きな変化はありませんでしたが、資料やグラフが多く扱われたため、基礎的な知識に加えて、資料を読み取る力や、問題に関する理解も必要でした。地理・歴史・公民の3分野に偏りない知識の定着は必要になります。各事象の背景や原因など深い理解によって、記述問題への対応力をつけていく必要があります。

対策のポイント

地理・歴史分野のポイント!

例年、資料から読み取れること・考えられることを記述させる問題が多く出題されているため、資料の読み取り対策と記述対策の両方が必要です。記述が苦手だからと避けていると得点に結びつきませんので、記述問題を解く練習は必ず行いましょう。

公民分野のポイント!

公民分野だけで約11点の配点があります。問題の最後には70字程度での論述問題がありますので、文章表現力も要求されます。いくつかの資料を同時に読み取り、知識と情報を整理しながら解答に取り掛かることがポイントです。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 35 35 35
記号解答 15 13 15
用語記述 12 10 11
文章記述 10 13 10
作業・作図