学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

福岡県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2024年度/令和6年度

出題傾向

例年通り大問数は5となりました。リスニングテストが1問分、筆記テストが4問分となります。リスニングは20点分の出題となります。筆記テスト大問1と大問2は会話文、大問3は長文問題、大問4は英作文となります。リスニング問題は図や表を元に答える問題です。英語の質問に対し,英作文で答える問題が出題されるのも特徴です。会話文では内容一致問題、並べ替え問題が出題されています。長文問題では、英語での質問の答えを英作文で答える問題が出題されます。英作文は提示された条件を元に30語以上の英語で書く情景英作文が出題されます。

対策のポイント

長文読解が大問5問中3問出る!

筆記テストでは、会話文が2題、長文読解が1題出題されます。内容一致問題が多いですが、並べかえ問題のような文法問題から、英作文、下線部の内容を英文中から探し日本語で書く問題など対応力が必要になります。また、大問3つで問題の選択肢の文章などを含めると英単語量は1200語程度となります。スピードを意識して解く練習をしていきましょう。

英作文を書けるようにしよう!

筆記テスト大問4の条件英作文は、30語以上の英語で自分の考えを書く問題になります。また、筆記テスト大問3の中でも英語で問われた質問に「〇語以上の英語で書きなさい」という問題があります。英作文を、自分の知っている文法や表現の中で正しく簡潔に書く練習が必要になります。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 28 28 28
リスニング 12 12 12
英作文 16 16 16

数学

2024年度/令和6年度

出題傾向

例年通り大問は6題となりました。小問数は25題でした。大問構成は、大問1小問集合、大問2確率、大問3文字式の利用、大問4一次関数、大問5平面図形、大問6空間図形となりました。 大問1の小問集合は計算・図形・グラフなどの基本問題が全範囲から出題されます。大問3は会話文があり整数の性質に関して問に答える問題でした。例年通り、大問5は平面図形、大問6は空間図形が出題されました。円の性質や、三平方の定理、合同、相似など広範囲から出題され証明問題も出題されます。

対策のポイント

大問1を確実に得点出来るようにしよう!

大問1の小問集合は計算・図形・グラフなどの基本問題が全範囲から出題されます。配点が18点と3割あるので確実に全問正解できるよう練習しておきましょう。見直しの時間をきちんと取り、計算ミスなどしていないか確認しましょう。

平面図形・空間図形に問題に慣れておこう!

大問5は平面図形、大問6は空間図形が出題されます。円の性質や、三平方の定理、合同、相似など広範囲に出題され証明問題も出題されます。図形の各性質を複合的に考える必要があるために多くの問題に慣れましょう。また、大問5(4)、大問6(3)は受験者の正答率が10%を切る問題です。この問題にあまり時間を使わずに見直しに時間を使うのか、チャレンジをするのか志望校によって見定めることが重要になります。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 6 6 6
小問数 26 29 25
記述問題 図形の証明(説明) 1 1 1
その他の説明・証明など 1 1 2
立式・解法の過程の記述 0 0 0
作図(図形) 0 0 0
作図(グラフ) 1 1 1

国語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問1:論理的文章 小林康夫「学ぶことの根拠」 大問2:文学的文章 天沢夏月「ヨンケイ!!」 大問3:漢文(書き下し文)「新釈漢文大系 第95巻 貞観政要(上)」 大問4:条件作文 読書量を増やす取り組みについて  直近の4年間は大問4問で構成されています。大問構成は論理的文章・文学的文章・古文、漢文・条件作文となります。基本的な問題は多いですが範囲が広く、漢字・文法・読解・古文の基礎知識をしっかり理解しておく必要があります。作文が15点と配点が大きく、減点にならないよう対策しましょう。

対策のポイント

基礎的な知識をおさえておこう!

2024年度の問題では、基本的な漢字・文法・書写・現代仮名遣い、漢文の返り点の問題で合計10点(16.7%)出ています。例年同程度の割合で基本問題が出題されています。現代文や古文漢文の読解ももちろん大切ですが、上記の基本的な問題で差がつかないように基本的な知識を身につけましょう。

条件作文で満点を目指そう!

文字やイラスト、グラフなどの資料を元に自分の考えを書く条件作文が出題されます。条件作文の点数は15点(25%)と大きくしっかりと得点するということが重要になります。内容はもちろんですが、原稿用紙の使い方や、誤字脱字、出題条件に沿った回答が出来ているかにも注意して減点の内容に書きましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 27 25 28
記号解答 10 8 10
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 17 17 18

理科

2024年度/令和6年度

出題傾向

例年通り大問が8題出題されています。物理・化学・生物・地学から各2問づつの構成となります。基本的な内容が多く、難問は少ない傾向にあります。物理範囲では計算問題や作図・グラフ作成などの問題が出題されます。化学は、酸化・還元、イオンなどの化学反応が多く出題されます。生物は広く様々な単元から出題され、地学も単元は広く計算問題の出題もあります。また、短文や記述で解答が必要な問題も多く出題されます。

対策のポイント

短文・記述問題に慣れておこう!

2024年度は19点と約3割が短文・記述問題として出題されました。語句や公式を暗記するだけではなく、内容をしっかり理解しておきましょう。特に実験問題に関しては、観察の目的や操作、結果について説明・考察できるようにしておきましょう。

計算問題を解けるようにしよう!

計算問題は10点程度で多くはないですが、基本的な問題が中心のため解けるか解けないかで差が生まれる問題となります。電流や濃度、密度、圧力、地震、仕事率、運動とエネルギーなどの基本的な計算は解けるように練習しておきましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 8 8 8
小問数 33 32 33
記号解答 10 7 4
短文記述 8 10 10
計算問題 3 1 4
図・グラフ、モデル 3 3 3
語句記述

社会

2024年度/令和6年度

出題傾向

例年通り大問数は6題となりました。小問数は33で試験時間に対して標準的な問題量です。大問構成では、例年、地理・歴史・公民が各2題20点づつとなります。地理では世界の地理1題、日本の地理1題、歴史では日本史を中心に出題され古代から近代まで1題、近現代から1題となっています。公民は憲法・政治・経済・環境問題など幅広く出題されています。近年では、記述問題の割合が増え2024年度は23点分(38.3%)出題されました。

対策のポイント

資料を読みとる問題に慣れておこう!

記述・選択問題共に資料を用いた問題が非常に多いです。地理では各地域の地図、雨温図、産業・人口に関するデータなどをしっかり覚えておく必要があります。歴史では各時代の写真やグラフ・史料を確認しておきましょう。

記述問題に慣れておこう!

約3割が記述問題として出題されます。資料を読み取り記述する問題のため、各単元を理解した上で資料の内容を読み取る問題を多く解いて慣れておきましょう。特に公民分野は20点中11点が記述問題のため、より多くの記述問題に取り組みましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 6 6 6
小問数 35 36 33
記号解答 17 18 16
用語記述 7 6 6
文章記述 11 12 11
作業・作図 0 0 0