学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

高知県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数は例年通り4問。小問数、問題構成ともにほぼ例年通りでした。リスニング問題の小問数は11問で、10問が記号問題ですが、英語での質問に対する答えとなる英文を作る英作文問題がこの3年1問出題されています。 リスニングを除けば、会話文読解と長文読解と英作文で構成されているため、断片的な文法知識や十分でない語彙力、長文読解の経験が不足している状況では得点することが難しくなっています。唯一の文法問題と言える「語句の並べ替え」が必ず出題されていますが、選択問題でなく完全解答となるので正確さが要求されます。

対策のポイント

「高知これ単」で広範囲の単語力をつけるべし

教科書で新出単語として出てきたものは「そのときに」覚えてしまうことを心がけましょう。加えて高知県内の公立中で配布されている「高知これ単」を使って、小学校で扱われた単語と中学必須の単語の両方をしっかり覚えましょう。並べかえ問題のような文法問題もありますが、会話文と長めの長文読解と英作文で配点の7割を占めます。

最後の条件英作文は「書いたもん勝ち」

大問4の12点のうち、25語以上の条件英作文の1問で8点を占めますが、原則「減点法」と捉えて書ききる練習が大切。書きたいことを書くのではなく、自分の使える易しい英語でミスを生まないよう何度も練習し、必ず採点と添削をしてもらうよう、先生にみてもらうようにしよう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 27 26 26
リスニング 11 9 9
英作文 4 4 3

数学

2024年度/令和6年度

出題傾向

問題構成は大問数が6問、小問数24問でほぼ例年どおりでした。大問1は小問集合、大問2は文字の式、大問3はデータの活用、大問4は一次関数のグラフの利用、大問5は図形と関数・グラフ、大問6では平面図形で合同の証明と面積が出題されています。 大問1、2では、基礎的な内容がバランス良く出題されており、内容の全体的理解に加えて日頃からの計算練習が鍵と言えます。大問3~6では、独立した単元ではなく単元を融合した総合問題が多いため、基礎学習を終えたら融合問題にも取り組んで慣れておきましょう。

対策のポイント

中1中2レベル"のみ"で解ける平易な問題はほとんどない!

「大問1【小問集合】でしっかり取る」が数学の基本ですが、正答率80%を上回る問題はなんと1問。中学3年までの「計算問題」を正確に解けるようにしっかりした練習をしましょう。大問2以降の(1)は定番問題が配置されるので、過去問に多く触れて「解ける感覚」を身につけましょう。

証明問題は苦手ならスルーOK。それ以外の解き直しを!

大問6の「証明問題」は例年正答率は例年1ケタ程度なので、苦手意識があるようであれば、前半の問題の解き直しで何問でも拾った方が得点になります。方程式の利用、一次関数、二次関数の基本問題に数多く当たって、自信をつけられるようにしましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 6 6 6
小問数 24 25 24
記述問題 図形の証明(説明) 1 1 1
その他の説明・証明など 1
立式・解法の過程の記述
作図(図形) 1 1 1
作図(グラフ)

国語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問1で漢字・文法・詩、大問2で論説文の読解、大問3で論説文を用いた記述と作文、大問4で古文が出題され、傾向は例年から変更はありません。 総合問題(大問1)では基礎的な漢字と文法の知識、大問3の論説文では60~80字の記述問題、自分の意見を100~120字でまとめる問題、大問4では歴史的仮名遣いから文章全体に関する問いまで、古文を正確に読み取る力が問われます。日頃から様々な文章に接し、まとめる練習、自身の意見を書く訓練をしておくことが望まれます。

対策のポイント

漢字と知識系総合問題が4割以上の得点を占める!

高知県では、作文の単独問題、小説および漢文の読解が出題されていません。一方で、50点満点のうち、読解でない大問1だけで22点を占めます。漢字や文法などの「ことばの知識」に関する問題を幅広く解いてしっかりした対策を取りましょう。

大問3の「長い記述」は「書いたもん勝ち」!

高知県は読解問題が2題とも「論説・説明文」となっており、とりわけ大問3は60字~120字程度の長めの記述問題が2つ出されます。キーワードを読み取ってまとめる問題と、筆者の考え方を読み取ったうえで自分の意見を書かせる問題ですが、各4点と持ち点が少ないため、最後まで書ききっていることが肝です。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 22 22 22
記号解答
記述式解答(漢字の読み書きも含む)

理科

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問1は小問集合、大問2は生物分野、大問3は化学分野、大問4は地学分野、大問5は物理分野と、大問5題、小問30問程度の出題になっていて、満遍なく各分野から出題されています。どの問題も基礎的で解きやすいのでケアレスミスに注意が必要です。 解答形式は記号選択、用語記入、計算問題、化学式、グラフ作成、短文記述問題とバリエーションに富みます。どの分野に関しても、実験や観察の「目的」を問う出題の頻度が高くなっています。教科書に書かれている内容や実際に行った実験での結果を覚えておきたいところです。

対策のポイント

出題単元のヤマは張らず、すべての単元を押さえるべし!

連続出題の単元は極めて少ない傾向にあるため、分野に関わらず教科書レベルの内容はしっかり理解しておく必要があります。まずは用語から押さえ、定番の記述問題の理解と記述練習、グラフの読み取りと書く練習と、事象の説明を自分の言葉でできるような練習も大切です。

計算問題から逃げない!

教科書や問題集で、計算問題を選んでできるだけ多くの問題に当たり、公式を使うものであれば「使って覚える」ようにしましょう。入試での計算問題の正答率は軒並み20%未満となっていて練習不足が目立ちます。決して難しい問題ではないので、立てた式が数学的に正しいかが判断できるように、数学の計算練習も大切です。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 30 33 35
記号解答 11 13 16
短文記述 5 5 5
計算問題 5 3 6
図・グラフ、モデル 8 7 9
語句記述

社会

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問は地理2問、歴史2問、公民2問の計6問でバランスの取れた出題となっていて、小問は31問、文章記述問題は7問でした。 特徴としては大問ごとに「短文記述問題」が1題かそれ以上配置されていることが挙げられますが、「用語記述」の問題は少なく、「記号選択」の問題が多くなっています。「短文記述問題」では、出来事や事象の理由/原因や、内容の記述で知識が問われたり、グラフの読み取りの記述で資料を読み解く力が問われています。また、地図・図表・絵・グラフなどの資料が豊富に使われていることも特徴です。

対策のポイント

大問ごとの「短文記述問題」に備えるべし!

「短文記述問題」では必須キーワードを用いて「簡潔に答えること」が求められることが多くなっているので、出題意図をつかんだら、構成を考えて、過不足なく記述できるような練習をしましょう。普段から記述問題を採点する際に「模範解答通り」に書けていることを基準にし、スラスラ書けるような練習が非常に重要です。

資料から数多くの情報が読み取れる練習をすべし!

普段の受験勉強でも、写真や資料を見かけたら「社会科資料集」で正確な確認をしておきましょう。表やグラフは、まず「書いている内容」を具体的に指摘し、それが持つ意味や影響を書けるように練習しましょう。その場の思い付きにならないよう、多くの問題に当たっておくことが重要です。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 6 6 6
小問数 29 30 30
記号解答 17 14 16
用語記述 5 10 9
文章記述 6 6 7
作業・作図 0 0 0