学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

京都府

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数は例年通り5問。小問数、リスニング問題数ともにほぼ例年通りでした。大問1・2が長文、会話文読解問題。大問3~5がリスニング問題という問題構成です。 長文問題が中心で、設問は内容の理解を問うものが多いですが、語形変化、並べかえも出題されています。大問2に、資料を使用した問題が出題されるのが特徴です。リスニング問題は、会話と質問を聞いて適する答えを選ぶ問題や、会話の流れにあうように応答を選ぶ問題が出題されています。

対策のポイント

長文読解の配点が全体の半分以上!

長文読解は、標準よりやや長い文章が出題されていますので、大意をつかみながら速く読む練習が必要です。出題形式が例年ほぼ同じですので、単語を適する形に変える問題や並べかえ問題のような文法問題も、その形式の解き方をおさえることが重要です。スピードを意識して解く練習を行いましょう!

リスニング問題が大問5問中3問!

2024年は例年と同じく、会話と質問を聞いて解答する問題が出題されました。解答は全て選択形式でした。日頃からネイティブスピーカーの話す英語に慣れるとともに、確実に得点できるよう、過去問を用いて演習を重ねましょう。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 21 21 21
リスニング 6 6 6
英作文 0 0 0

数学

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数は6問、小問数20問でほぼ例年どおり。大問1は小問集合、大問2は箱ひげ図、大問3は連立方程式の利用、大問4は空間図形、大問5は平面図形、大問6は規則性の問題でした。 大問2~5は「空間図形」「関数y=ax²」「図形と相似」「三平方の定理」「データの活用」からの出題頻度が高いです。証明問題など記述式の問題は出題されていません。問題構成に例年大きな変化はないので、過去問に取り組み、慣れておきましょう。時間配分に気をつけ、確実に得点できる問題から手をつけていく意識が重要です。

対策のポイント

大問1を得点源に!

大問1では計算問題を中心に小問が8問出題されています。基本的な計算問題から平方根の計算、因数分解、確率など幅広く出題されています。この大問1だけで全体の半分弱ほどの配点となっているため、速く、正確に解けるように演習し、確実に得点できるようにしましょう。

「規則性に関する問題」が出る!

規則性を求める問題が毎年出題されています。数や図形の規則性に関する規則性を見抜き、その規則性を文字式として表すことができるかがポイントとなりますので、過去問を含め演習問題にチャレンジして、数の変わり方の特徴を式に表す練習をしっかり行い、慣れておく必要があります。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 6 6 6
小問数 20 20 20
記述問題 図形の証明(説明)
その他の説明・証明など
立式・解法の過程の記述
作図(図形) 1
作図(グラフ) 1 1

国語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問1:古文「古今著聞集」 大問2:論理的文章 宮内勝「音楽の美の戦いと音楽世界」 例年同様の2大問構成。古文と論理的文章の大問1題ずつの構成での出題が続いています。記号選択問題の割合が高いのも例年通りの傾向です。 古文・現代文ともに、要旨の読み取りの設問では、選択肢が紛らわしい内容のものもあり、本文の正確な読み取りと選択肢の正誤判断の力が要求されます。漢字は読み・書き以外に書体や漢字の成立ちについて、口語文法では、品詞の識別や用法・単語の分け方・自立語と付属語などが出題されています。

対策のポイント

古文の対策が必須!

例年、古文は独立した大問として出題されています。主語把握、現代かなづかい、内容把握などの典型的な出題内容です。基礎知識を確実におさえて正解にたどりつけるようにしておきましょう!また、会話文を用いて文章の内容を問う問題が出題されています。過去問演習で問題の傾向に慣れておきましょう。

「会話や発表に関する問題」が出る!

発言の効果・意図などが問われる「会話・発表の問題」が毎年出題されています。教科書でしっかりと復習しておきましょう!普段あまり取り組んだことのない問題はコツをおさえていないと間違えやすいものです。過去問を必ず解いておきましょう。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 2 2 2
小問数 23 22 23
記号解答 17 16 17
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 6 6 6

理科

2024年度/令和6年度

出題傾向

例年大問8問構成となっていましたが、2024年度は地学が大問1問にまとめられ、大問数は7問でした。 物理、化学、生物、地学から均等に出題されていますが、いずれも基本的な内容が中心です。記号選択式の問題が多いですが、語句を答える問題が毎年出題されていますので、重要語句はもれの無いようにおさえておく必要があります。漢字での解答が必要な場合に備えて、漢字で答える練習を日頃から行っておきましょう。分野間での配点に偏りはほぼ無いため、苦手分野を残さないように対策をしましょう。

対策のポイント

基本をしっかり固めておく!

例年、基本的な内容からの出題がメインとなっています。各分野ともに、教科書の語句、法則や、実験の操作法・結果、図や表をしっかり理解しておきましょう。生物では、動植物の分類・つくりと働き、呼吸と光合成、食物連鎖については必ず整理しておさえておきましょう。教科書の太字の語句は必須です!

計算問題の練習が必須!

例年、計算問題が比較的多く出題されています。物理(力・電流・運動)、化学(水溶液や状態変化・化学変化)、地学(南中高度・湿度・地震の波の速さ)の計算問題に慣れておくことが重要です。速く・正確に計算を行う計算力も必要となります。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 8 8 7
小問数 27 26 26
記号解答 17 16 15
短文記述 1 1 1
計算問題 7 6 6
図・グラフ、モデル 1 1 1
語句記述 1 2 3

社会

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問は4問。例年通り大問1~4すべて、分野をまたいだ融合問題の形式で出題されました。 例年、融合問題形式で出題されていますので、まずこの出題形式に慣れておくことが重要です。ひとつのテーマから地理、歴史、公民の問題が組み立てられているので、総合的に考え、判断できる力が必要となります。また、地理・歴史・公民すべてで資料やグラフを用いた問題がでるため、素早く正確に読み解ける力が求められます。作図・作業問題も毎年出題されていますので、いろいろなパターンにふれておきましょう。

対策のポイント

公民は基本的な事項を完璧に!

公民的分野は、政治・経済・国際社会のすべての分野からの出題がありますが、いずれも基本的な事項が問われています。基本的な事項を重点的にしっかりと理解しておきましょう。現在の日本の経済状況や、国際政治・国際経済・地球環境問題の状況をおさえておくことも必要です。

「歴史の時代関係の問題」が出る!

主な出来事の並べかえ問題が歴史では頻繁に出題されています。ひとつの時代区切りだけではなく、政治制度や文化など、ほかの時代とも比較して理解しておきましょう。日本の出来事と同じ時代の世界の様子もまとめておさえておきましょう。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 32 30 31
記号解答 24 21 25
用語記述 6 8 5
文章記述 1 0 0
作業・作図 1 1 1