学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

東京都

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数は例年通り4問。問1は英文解答含むリスニング問題、問2は英作文を含む長文読解、問3は対話文の長文読解、問4は物語文の長文読解が出題されています。大問2に関しては3文で記述する英作文も出題されています。また、単語・熟語・文法の問題は出題されていませんが、長文読解する上で重要であるので日頃の授業など地道に取り組むようにしていきましょう。また、長文を読む際に、まとまりのある文章の要点を理解する力を身につけていきましょう。

対策のポイント

英作文が出題される!

Eメールの返信文を3文で解答する問題が出題されています。総合的な英語力が試されるため中学校までで習う単語・熟語・文法をまずはしっかり覚え、日頃から自分の考えを記述する練習すると点数につながっていきます。

英語の長文問題が大問4問中3問出題される!

長文問題が3問と多く出題されています。語彙数や設問数も多く、リスニングも含め時間が50分のため速読力が必要となります。速読力を養うため中学校の教科書を何度も音読し、基本的な英文になれる必要があります。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 23 23 23
リスニング 5 5 5
英作文 2 2 2

数学

2024年度/令和6年度

出題傾向

全体的な出題形式は例年と変わっていません。全体の出題の難易度は例年よりは簡単だったと思われます。しかし、大問3の問3及び、大問4の問2②が難しかったため時間を使ってしまうと後半に響いたかもしれません。大問4の証明は証明慣れしていたら簡単でした。特に大問5は例年よりは容易に解けたと思われます。時間配分を行い、全体に目を通すことができたかが勝負の分かれ道だったと思われます。

対策のポイント

大問1は必ず得点すべし!

大問1のみで46点配点になっています。大問1は計算問題と基本的な小問題から構成されています。日頃から計算練習や基本的な問題のトレーニングを重ね、確実に得点できるようにしましょう。また、早く・正確に解けるようにすることで、後半の問題に時間を残せるようにしておきましょう。

各大問の1問目は確実に得点を

各大問の1問目は確実に得点できるようにトレーニングを重ねましょう。ここを落としてしまうと、他者との差が広がってしまいます。過去問はもちろんのこと、問題集の標準問題レベルの問題を何度も繰り返し練習することで、確実に得点できます。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 18 18 18
記述問題 図形の証明(説明) 1 1 1
その他の説明・証明など
立式・解法の過程の記述 1 1 1
作図(図形) 1 1 1
作図(グラフ)

国語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問1:漢字の読み  大問2:漢字の書き  大問3:小説文 辻村深月「この夏の星を見る」 大問4:説明文 長谷川眞理子「進化的人間考」 大問5:和歌と古典の融合問題 鴨 長明「無名抄」      大問5つで時間は50分の問題構成となっています。また問4の説明文の最後に200字以内で自分の意見を記述する作文の問題が出題されています。大問1・2の漢字の読み書きに関しては正答率も高いので日頃から漢字の読み書きはしっかり行い、確実に得点できるようにしましょう。

対策のポイント

約3800字の説明的文章が出題される!

説明的文章の読解問題は、語彙数も多いため速読力が求められるためいろいろな文章に触れながら文章を読むことに慣れていくと良いでしょう。また、文章の要旨や論理展開を正しく理解する練習をすることも対策になります。

「作文問題」が出る!

大問4の説明文の最後に自分の考えを記述する作文問題が出題されます。作文に関しては一朝一夕では身につくものではありませんので、日頃より本や新聞の社説などを読み、自分の思っていることや考えを表現する習慣をつけることが大切になります。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 25 25 25
記号解答 14 14 14
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 11 11 11

理科

2024年度/令和6年度

出題傾向

昨年度に引き続き、大きな出題傾向の変化はありません。 例年通り一問一答は24点分出題されており、この部分は確実に得点することが重要です。コロナ渦以降、グラフ作成などの作図問題は減り、ほとんどが記号選択の問題となっています。また、記述問題に関しては平成30年度以降1題しか出題されていなかったが、今年度は久しぶりに2題出題されました。どちらも実験に関する問いであり、実験を考察する力が求められています。

対策のポイント

一問一答問題は必ず得点すべし!

24点分の一問一答問題が出題されます。問題集などで、夏休みまでに物理・化学・生物・地学の基礎知識を身につけておくことが大切です。日々小テスト形式で、重要語句が覚えられているか確認しておくと尚良いでしょう。一問一答問題で確実に得点をしないと差が開きます!

計算問題は難問。。

計算問題は難問が出題される傾向にあります。時間配分に注意し、進める必要があります。そのため、他の問題は素早く解く練習も重ねておきましょう。また、日頃から学校で行う実験等は必ず参加し、実験過程(器具の使い方や反応の変化)もよく観察し、考察等もしっかり行っておきましょう。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 6 6 6
小問数 26 26 26
記号解答 26 26 26
短文記述 2 2 2
計算問題
図・グラフ、モデル
語句記述

社会

2024年度/令和6年度

出題傾向

昨年同様大問は小問集合問題が1題、地理2題、歴史1題、公民1題、三分野総合問題が1題の計6題となっています。全体的に地理・歴史・公民がバランスよく出題されている。また、地形図の問題では地図記号などをしっかり暗記していきましょう。また、歴史の問題では旧石器時代から第二次世界大戦後まで広範囲に出題されているので、時代ごとの内容を整理することが大切になります。また、記述の問題では社会的事象から問題を見つけ、自分で考えたことを適切に表現することが大切です。

対策のポイント

「資料や図から読みとる問題」が出題される!

全体的に、統計資料や図など複数組み合わせて解答する問題の比重が大きいのが特徴です。そのため、地形図の地図記号や雨温図の理解など地図帳や教科書などを使用し、基本的なことをしっかり復習し身につけることが大切です。

「歴史は時代の並べかえ問題」が出題される!

歴史では並べかえの問題が出題されていますので、年号と出来事や事件を丸暗記することよりも歴史上の流れを理解して覚えていくほうが問題に対応しやすいです。また、出来事などで地名がある場合、地図で場所を確認しておくことも大切です。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 6 6 6
小問数 20 20 20
記号解答 18 18 17
用語記述 0 0 0
文章記述 2 2 3
作業・作図 0 0 0