学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

沖縄県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2024年度/令和6年度

出題傾向

「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」の4領域から出題され、4技能の力を総合的に検査する問題です。大問数は例年通り11問。大問1・2・3は「聞くこと」、大問7・8は「話すこと」、大問9は「読むこと」、大問4・5・6・11は「書くこと」、大問10は「読むこと、書くこと」で構成。問題数については、昨年度から2問減り、37問となりました。これは「読むこと」の領域から2問少なくなっています。また、大問10問6の英作文が1問でしたが、今年度は2問出題されました。全体的な割合については昨年度と変わりません。

対策のポイント

いろんな種類の長文読解が出る!

長文読解は、町のイベントのパンフレットと対話文から必要な情報を読み取ったり、会話文から内容を把握して設問に答えたりと、多種多様です。いろんな形式の解き方に慣れておくことが重要です。どんなパターンの問題が出題されても良いように、普段からいろんな問題を解いていきましょう。

リスニングの音声は1度のみ放送!

昨年度からリスニングの音声は1度のみ放送されています。特に大問3は聞き取る情報が多く、1度のみですべて正しい内容を捉えたり整理したりするのは難しいです。普段の学習から比較的に長い英文を1度だけで聞いて、解答することができるように練習が必要です。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 11 11 11
小問数 41 39 37
リスニング 9 9 9
英作文 2 2 3

数学

2024年度/令和6年度

出題傾向

出題内容は「数と式」、「図形」、「関数」、「データの活用」の4領域から出題されています。大問数は11問、小問数は昨年度より1問減った40問で構成。 内容は、基礎的・基本的な問題から応用問題、各領域の融合問題、課題学習的な問題、定規やコンパスを使った作図の問題や具体的な事例を扱って数学的思考力、数学的に処理する能力を問うなど、熟考された出題となっています。完全正答率が昨年度の51.4%に対し、今年度は49.9%となり難度が上がりました。

対策のポイント

基礎的・基本的な「計算問題」 が出る!

例年大問1・2は、基礎的・基本的な計算問題(「数と式」の領域)が出題されます。配点も30%以上を占めるため、数学が苦手な人はまずはこの領域からの対策から始めましょう。数学が得意な人は間違えないことが求められますので、しっかり見直しをしていきましょう。

記述式の 「図形の証明問題」 が出る!

例年出ている重要問題です。全文記述式、もしくは空欄補充の出題なので、記述式の証明問題への対策が必要です。分からなかったら一度答えを見て、流れをつかんでから、もう一度自力で証明を書いてみましょう。何度も解くとパターンが身につきますので、しっかり対策をしていきましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 10 11 11
小問数 43 41 40
記述問題 図形の証明(説明) 1 1 1
その他の説明・証明など
立式・解法の過程の記述 1 1
作図(図形) 1 1 1
作図(グラフ)

国語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問1:文学的な文章 西加奈子「孫係」 大問2:説明的な文章 瀧本哲治「ミライの授業」 大問3:古文「新編日本古典文学全集52沙石集」及び「新編日本古典文学全集1古事記」 大問4:会話文と資料から読み取る 中学校3年間の学習内容に則り、学習指導要領の「知識及び技能」並びに「思考力、判断力、表現力等」の内容を踏まえた33問が出題されています。昨年度に比べると完全正答率が7.2ポイント下回り、難化しました(今年度:51.4%、昨年度:58.6%)。

対策のポイント

問題の文字数が多い!

国語の特徴は、問題の文字数が多いため、時間配分に気をつける必要があります。読みにくい文章問題だと、普段より時間がかかってしまい、全部解けないということもありえます。そのため、大問1・2は文章題(説明文や小説など)となりますので、先に大問3以降の古文・漢文や作文から解き始めるのがポイントとなります。

「文章と資料を組み合わせた問題」が出る傾向にある!

近年は文章と資料を組み合わせた出題が続いています。今年度は先生と2人の生徒と留学生の4人の会話の文章と資料を通して、場の状況や相手に応じて表現を工夫する力、比較や関連付けなどの情報の整理の仕方を理解する力が必要になります。各資料を関連付けて読み取り、自分の考えをまとめる練習を積んでおきましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 5 5
小問数 37 35 33
記号解答 20 17 16
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 17 18 17

理科

2024年度/令和6年度

出題傾向

問題数は41問で過去の平均45問に比べて減少しました。領域別の正答率は、物理41.9%(昨年度より-11.1ポイント)、化学40.9%(昨年度より-10.8ポイント)、生物50.4%(昨年度より-8.6ポイント)、地学51.7%(昨年度より+8.7ポイント)です。領域間において最大10.8ポイント(昨年度は16.0ポイント、一昨年度は19.9ポイント)の差があり、過年度に比較して減少はしたものの、すべての領域で予想正答率から下回った結果となりました。

対策のポイント

「植物・動物」と「電気」の分野は出題率が高い!

理科はどの分野からも出題されますが、特に出題率が高いのが「植物・動物」と「電気」の分野です。「植物・動物」は暗記、「電気」は計算を中心に出題傾向が高いです。どこから手をつけたらいいか迷っている場合は、まずこの2分野から取り組むのがポイントです。

理科の知識だけでなく、読解力も重要!

理科の傾向としては、一問一答形式は少なく、読解力が問われるような問題が多くちりばめられてます。問題数や問題文の量が多く、時間配分を失敗すると、最後まで解けないということもあります。そのため、普段から過去問を解く際には、時間を意識して取り組むことが失敗をしないポイントです。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 8 8 8
小問数 46 45 41
記号解答 34 21 27
短文記述 0 2 2
計算問題 3 2 4
図・グラフ、モデル 1 2 1
語句記述

社会

2024年度/令和6年度

出題傾向

過去3年間と同様、地理的分野・歴史的分野・公民的分野の3分野からの出題でした。配点は3分野それぞれ20点に統一されています。小問総数は44問で昨年度より1問増えています。小問の内訳は地理的分野16問(昨年度±0)、歴史的分野15問(同+3)、公民的分野13問(同-2)でそのうち沖縄県に関する問題は地理的分野0問(同-1)、歴史的分野2問(同-1)、公民的分野0問(同±0)の計2問(同-2)でした。

対策のポイント

苦手分野を作らない!

社会は「地理・歴史・公民」の3分野から出題され、ともに配点はすべて20点満点となります(計60点満点)。また、沖縄県に特化した内容の問題も毎年出題されるため、どれだけ関心を持てるかが高得点のポイントとなります。

「歴史」が特に重要!

例年、「地理・公民」分野は平均正答率が高く、「歴史」は低い傾向にあります。問題のレベルは統一されているため、「歴史」でどれだけ点数が取れるかで他の受験生と差が生まれます。普段から用語をインプットし、時代の流れをつかみながら学習していきましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 6 6 6
小問数 44 43 44
記号解答 32 32 30
用語記述 8 6 10
文章記述 4 5 4
作業・作図