学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

滋賀県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数は4問、小問数は26問で例年通りでした。問題構成は、リスニング(33点)、対話文(27点)、説明文(30点)、英作文(10点)でこちらも例年通りでした。 文法要素は各大問に散りばめられています。長文の中には英問英答や整序などが含まれています。各大問には必ず英文で答える問題が出題されています。また、長文問題はダブルパッセージ方式がとられ、2つの素材から読み取って答える必要があるので注意が必要です。

対策のポイント

英文記述はおおよそ半分を占めている!

例年、英文記述の問題はおおよそ半分を占めており、得点にすると約45点となります。したがって、教科書掲載の語彙は「書ける」まで練習が必要です。また、文法を理解した英作ができるようにしておきましょう。重用構文の丸暗記ではなく、理解した上で自然に使えるようになるまで反復練習が大切です。

35語以内で自分の意見を答える英作文が出る!

2024年の英作文は、映画を家で観るか、映画館で観るかを考えて20語以上35語以内の英文で答える問題。まずは正しい文法で英文を展開させる力が大切です。また、自分の意見を英作文で答える問題は、どちらの意見が書きやすいかを判断して選択し、その理由を2~3述べて英文を作ることがポイントです。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 25 26 26
リスニング 9 9 9
英作文 8 9 9

数学

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数は4問、小問数19問でほぼ例年どおりでした。大問1は小問集合、大問2は図形(空間図形・確率)、大問3は一次関数、大問4は図形(円の性質・相似・三平方の定理)の問題でした。 大問1は約40点の配点があり、確実に全問正解できるようにしておきましょう。「証明・説明」「作図」「グラフの記入」も出題されますので様々な解答形式に慣れておく必要があります。また、問題の難易度の差が大きいので、自分ができる問題を見極めて解くという練習をしておきましょう。

対策のポイント

全領域の基礎を徹底する!

大問1は「正負の数」「文字式」「式の計算」「方程式」「関数」「平方根」「因数分解」「図形」「確率」「資料の活用」など多分野から基礎的な問題が出題されます。したがって、全領域の基礎をしっかり習得しておくことが重要となります。

関数、図形の問題は融合問題が多い!

大問2~4の問題は応用・発展問題が多く出題されます。テーマ的には関数・図形の問題が頻出です。1テーマだけの問題ではなく、様々なテーマの問題が横断した出題となっているので注意が必要です。中学全テーマの学習が終了したら融合問題の練習は必須です。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 20 20 19
記述問題 図形の証明(説明) 1 1 1
その他の説明・証明など 1
立式・解法の過程の記述 1 1
作図(図形) 1 1 1
作図(グラフ) 1 1

国語

2024年度/令和6年度

出題傾向

3つの大問構成。大問1は説明文と図(動物を対象とした鏡像自己認知の観察)、大問2は随筆文とその本の話し合い(俳句について)と同じ問題で複数の素材文が提示される出題となっています。例年、物語文は出題されません。大問3は漢字(書き5問、読み5問)、品詞、詩歌(万葉集・古今和歌集)の出題。漢字の書きは小学生配当漢字、読みは中学校範囲がおもに出題されており基本的な内容となっています。また年によっては古文なども出題されます。なお、現代仮名遣いに直す問題は毎年出題されます。

対策のポイント

マーキングによる読解方法をマスター!

一つの文章を読み取る問題ではなく、複数の素材文(文と文、文と図)が提示され、そこから問題が出されるので、素材文を対比しながら読む訓練が必要です。そのためにはマーキングによる読解方法をマスターすることが有効な対策となります。

文章記述・作文の書き方をマスターする!

作文は与えられた題材をもとに自分の経験や考えをまとめます。字数は百字~百四十字程度です。文章記述・作文は必ず出題されます。部分点をもらえる可能性がありますので解答用紙が空白では非常にもったいない。しっかり記述・作文の訓練をして対応しておく必要があります。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 3 3 3
小問数 23 24 25
記号解答 4 7 6
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 19 17 19

理科

2024年度/令和6年度

出題傾向

例年通り大問4問構成になっています。物理、化学、生物、地学から各1問出題されており、各25点の配点となっています。記述形式での解答が多く出題されるのが特徴で、特に今年は昨年より増え、昨年7問:34点分→今年8問:45点分と増加しました。今年は平均点が昨年度54.3点から44.6点と大きくダウンしました。基本レベルの問題であっても、実験・観察の図やグラフなどの資料を使った問題が多く出題されるので注意が必要です。

対策のポイント

一問一答形式で語句を書けるようにする!

物理、化学、生物、地学の4分野から均等に出題されるので、苦手分野・苦手テーマを作らないことが大切です。そのためには全テーマの基本的事項を一問一答形式で習得し、一通り語句を書けるようにしておきましょう。

表・グラフの読み取り+記述の練習を積む!

表やグラフを用いた問題に取り組み、記述問題にもしっかり対応できるようにしておくことが重要です。まずは教科書に目を通し、記載事項をしっかり身につけましょう。教科書は出題頻出事項の宝庫なので困ったときは教科書に戻ることです。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 23 22 21
記号解答 8 8 4
短文記述 8 7 8
計算問題
図・グラフ、モデル
語句記述

社会

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問は地理1問、歴史1問、公民1問の計3問で昨年と同じでした。得点配分は地理:31点、歴史:40点、公民:29点でした。小問は26問で用語記述は5問、文章記述問題は3問でした。例年通り基本的な知識を問う問題が2割程度出題されました。文章記述問題のほとんどは統計資料の読み取りが必須となるので、情報を抽出してまとめる力が必要となります。また、「環境問題」に関して、滋賀県の取り組みの資料を読み取らせ、その目的を記述で答えさせる問題が出されました。

対策のポイント

全分野について基礎となる知識を身につける!

地理、歴史、公民の3分野から出題されるので、苦手分野・苦手テーマを作らないことが大切です。そのためには教科書を中心に全分野、全テーマの基本的事項を一問一答形式で習得し、一通り語句を書けるようにしておきましょう。

苦手な人が多い「資料を読みとる問題」が出る!

例年、資料から読み取れること・考えられることを記述させる問題が出題されているため、資料の読み取り対策と記述対策の両方が必要です。資料を読みとる問題はたくさん解いて慣れることがいちばんの近道です。いろいろな資料に繰り返し接していけば、入試本番までに必ず解けるようになります。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 3 3 3
小問数 27 26 26
記号解答 10 13 18
用語記述 9 10 5
文章記述 6 3 3
作業・作図