「ドパガキ」という言葉から考えること
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最近、「ドパガキ」という言葉を見かけることが増えてきました。
「ドーパミン中毒のガキ」を略した言葉で、ショート動画やSNS、ゲームなど、次々と強い刺激を与えてくれるコンテンツから離れられない状態を、少し皮肉を込めて表したネットスラングです。
2026年夏には、現役女子高校生を対象にした調査でも「最近よく使う言葉」の一つとして紹介されました。9月に入ってからも、「ドパガキ」を取り上げた記事が相次いでいます。
この勢いを見ると、
「今年の流行語大賞の候補に入っても、まったくおかしくないのでは?」
と思ってしまいます。
ただ、私がこの言葉を見て気になったのは、流行語になるかどうかではありません。
「ドパガキ」という言葉が表しているものの中に、今の子どもたちの学習にも関係する部分があるように感じたからです。
「すぐに答えが出ない」に耐えられるか
スマートフォンを少し触れば、分からないことはすぐに検索できます。
動画を見れば、難しいことでも分かりやすく説明してくれます。
ショート動画なら、数十秒ごとに新しい刺激がやってきます。
これは、とても便利なことです。
一方で、勉強はそう簡単にはいきません。
数学の問題を考えていても、すぐには答えが出ない。
国語の文章を読んでも、意味がよく分からない。
英単語を覚えても、次の日には忘れている。
だからもう一度考える。
調べる。
間違える。
また考える。
この「すぐに答えが出ない時間」をどれだけ過ごせるかは、学習においてとても大切なことです。
「分からない時間」は無駄ではない
勉強をしていると、
「分からないから答えを見る」
ということがあります。
もちろん、どうしても分からない問題は答えや解説を確認する必要があります。
しかし、その前に少しだけ立ち止まってみる。
「何が分からないんだろう?」
「どこまでは分かっているんだろう?」
「もう一度問題を読んでみよう」
と考えてみる。
この時間は、一見すると何も進んでいないように見えます。
でも、実はこの「考えている時間」こそが、勉強なのかもしれません。
子どもたちに必要なのは「刺激」だけではない
今の子どもたちは、私たちが子どもの頃とは比べものにならないほど、たくさんの情報や刺激の中で生活しています。
だからこそ、何も起こらない時間を過ごすことや、一つのことにじっくり向き合うことが、以前より難しくなっているのかもしれません。
「ドパガキ」という言葉は、少し強く、そして乱暴な言葉です。
けれど、その言葉がこれだけ広がっているということは、今の時代ならではの感覚を、多くの人が感じているということなのではないでしょうか。
スマホをやめさせればすべて解決する、という話でもありません。
大切なのは、
「すぐに答えが出なくても、もう少し考えてみる」
という経験を、日々の中で少しずつ増やしていくこと。
勉強は、答えを早く見つける競争ではありません。
分からないことと向き合い、考え、試して、また考える。
そんな時間の積み重ねが、少しずつ「自分で考える力」になっていくのだと思います。
そして来年になったとき、
「そういえば去年、『ドパガキ』って言葉が流行ったよね」
と笑って話せるくらいになっていたら、それもまたいいのかもしれません。
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