【公立上位高志望】 数学の応用問題を攻略するトレーニング【第4回】
前回まで、初見の応用問題でフリーズを防ぐ【STEP1】マッピングを考えてきました。
解答への全体図の考え方を掴んでくれていたら嬉しいです。
今回はその地図を元に、正しい計算手順(モデル)を完成させる【STEP2】モデリングへと進みます。
💡「3MIT」:Three Math-Improving Trainings
―― 数学力を向上させる3つのトレーニング ――
【STEP1】マッピング 「解き方のルート」を見つける
👉【STEP2】モデリング 正しい計算手順を完成させる
【STEP3】マスタリー さまざまな解法を思考する
💡前回の例題
「3直線y=x+4・・・①,y=-x+4・・・②,y=7x-44・・・③がある。①と②の交点をA、②と③の交点をB、①と③の交点をCとする△ABCにおいて、辺AC上の点P(6, 10)を通り、△ABCの面積を二等分する直線の式を求めよ。」
1️⃣ 自分の考え方は、どこまでは正解と同じだった?
まずは、自分が「どのプロセスまで正しく進められていたか」をチェックしてみましょう。
正解を出せた人も、解法に不安がある人は一緒にチェックしてみてください。
自信がある人は、【ステップ3】マスタリーの回までお待ちくださいね。
👉CHECK⓪ 3頂点の座標の算出
3つの直線式を連立させて、交点 A(0, 4)、B(6, -2)、C(8, 12) を計算できた
👉CHECK① 補助線による三角形の切り分け
頂点Bと点Pを結ぶ補助線BPを引き、△ABPと△CBPに切り分けられた
👉CHECK② 辺ACの線分比の特定と面積比の把握
3点A、P、Cの座標から AP : PC = 3 : 1 を計算でき、それを元に △ABP と △CBP の面積比を正しく出せた
👉CHECK③ 面積ノルマの把握と直線の引き先の特定
二等分ノルマ「2」から、求める直線は△CBPではなく、△ABPを切り裂く、つまり「辺AB」を通ると特定できた
👉CHECK④ 辺ABを分ける点Qの座標確定
面積ノルマを満たすため、辺ABをA側から 2 : 1 に分ける点Qの座標 (4, 0) を計算できた
👉CHECK⑤ 2点を通る直線の式の算出
2点 P(6, 10) と 点Q(4, 0) の座標から、求める直線の式である y = 5x - 20 を計算できた
💡【POINT】 どこまでできたかを正確に確認することで、自分のモデリング学習の「スタート地点」が明確になります。
2️⃣ どこで、正解とは違うルート(思い込みや見落とし)が生まれた?
ここからは、1️⃣で自分ができなかったCHECK項目をクリアするために必要な「考え方」や「実際の計算式」を具体的に学習していきます。
👉CHECK⓪ 3頂点の座標の算出
交点A:y=x+4・・・①,y=-x+4・・・②を解くと(x,y)=(0,4)
交点B:y=-x+4・・・②,y=7x-44・・・③を解くと(x,y)=(6,-2)
交点C:y=x+4・・・①,y=7x-44・・・③を解くと(x,y)=(8,12)
👉CHECK① 補助線による三角形の切り分け
まずは既知の点である「頂点B」と「点P」を直線で結び、△ABCを△ABPと△CBPの2つに要素分解して、それぞれの面積を比較できる状態を作る。
👉CHECK② △ABPと△CBP面積比の特定
点A(0,4),点P(6, 10),点C(8,12)のx座標またはy座標の差で比を出す。
AP=6-0=6,PC=8-6=2 よってAP:PC=3:1
高さが等しい三角形の定理から△ABP:△CBP=3:1を特定する。
👉CHECK③ 面積ノルマの把握と直線の引き先の特定
△ABC=△ABP+△CBP=3+1=4 とすると、二等分ノルマの値は2だから、△ABPを切り分けないと2:2にすることができない。
よって、求める直線ともう1つの辺との交点をQとすると、点Qは絶対に「辺AB上」を通る。
👉CHECK④ 辺ABを分ける点Qの座標確定
△ABPの「3」から「1」だけ切りとり△CBPにくっつけるので、点Qは辺ABを2:1に切り分ける座標となる。
したがってAQ:AB=2:3となり、点Qのx座標は0+(6-0)×2/3=4,x=4を②の式に代入するとy=-4+4=0、∴点Q(4,0)
👉CHECK⑤ 2点を通る直線の式の算出
点P(6,10)と点Q(4,0)を結ぶ直線の式は、y=5x-20
💡【POINT】 座標をただの数字として眺めるのではなく、「移動量(スライド)」や「比率」に注目して計算を最もシンプルな形に変形(モデル化)することが、本番でのフリーズや自滅を防ぐ強力な武器になります。
3️⃣ 類題で、どう解法を再現するか?(モデルの獲得)
最後に、今回の検証を通して得られた、初見の類題でいつでも活用できる「方針のルール」と「計算のルール(モデル)」を自分の頭に記憶させます。
🎯 方針のルール(マッピングの再現)
点Pのような「通る点」が辺上にある場合は、その向かい側にある「頂点(今回の頂点B)」と結んで三角形を要素分解し、底辺の比を『面積比』へと翻訳できる土台を作る。
🎯 計算のルール(モデリングの確立)
図形上の比や座標を特定する際、2点間の距離の公式や複雑な方程式に頼るのではなく、x座標・y座標の「差(移動量)」に注目し、それを比率で比例配分する(スライドさせる)手順をあらかじめ組み立てておく。
💡【POINT】 「図形をどう切り分けるか(方針)」という地図と、「座標をどうスライドさせるか(計算)」という道路。この2つのルールをセットで頭に用意しておくことが、難問を自力で解ききるための本当の設計図(モデル)となります。
◇
問題を間違えていたからといって、自分の作った解答を無視して模範解答を一から覚えるようなことはやめてください。
本編のCHECK⓪~⑤を通して、数式や論理の正しくなかった箇所をしっかり探し出し、ピンポイントで理解を深めてください。
自分の思考のズレを修正する視点が掴めると、自分に必要な「考え方(ロジック)」を自力で補強できるようになり、要点を絞り込んだ効率的な復習ができるようになります。
このモデリングの視点を完全に自分のものにできた人は、単元知識の枠を飛び越え、様々な視点から解法を考える【STEP3】マスタリーでお会いしましょう。
(第4回・完)
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