学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

徳島県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問数は例年通り7問。小問数、リスニング問題数、英作文の問題数ともにこの数年は変更がありません。 リスニング問題は、大問1~3の3題構成で短めの対話文を使った選択問題と80語程度の文章を使った問題、英作文などが出題されています。大問4では基本的な文法事項を問う選択問題や並べ替え問題が出題されています。大問5~7は読解問題となり、大問5で対話文問題、大問6は条件英作文を含む文章問題、大問7は約500語の長文問題が出題されています。最近は和訳などの日本語で答える問題が出題されていない特徴があります。

対策のポイント

長文読解が大問で3題も出る!

長文読解は、構成や出題形式の変更はほぼありません。そのため、過去問などを使って解き方をおさえることが重要です。問題は、単語を適した形に変化させる問題や英問英答問題、適文補充問題と様々です。全体の文章量が多く読解スピードが求められるため、時間配分を決めて設定時間の中で解き終える練習をしていきましょう。

英作文対策が必須!

例年、読解問題内で一文程度の英作文や15語以上30語以内程度の英作文が出題されています。部分点もしっかりと取れる問題のため、まずは書くことが大切です。英文を読解した上で自分の考えを書く必要があり、一見難解に感じられますが、これまでに学んできた単語と文法をしっかりと覚えておくことで十分に対応できます。

過去4年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去4年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 7 7 7 7
小問数 29 29 29 29
リスニング 7 7 7 7
英作文 3 3 3 3

数学

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問数は5問、小問数は昨年より3問減少して26問でした。大問1は小問集合、大問2は連立方程式を利用する問題、大問3は時計を題材にした問題、大問4は関数、大問5は相似の証明を含む空間図形の問題でした。 大問1は教科書の基本問題です。2025年度は10問出題され、配点はそれぞれ3~5点であり、合計で40点になります。確実に全問正解できるよう幅広く練習しておきましょう。大問2と3は、問題の文章量が多く、必要な情報を読み取り、理解し整理する力が必要です。また定規とコンパスを使う作図も出題されています。

対策のポイント

融合問題「関数と図形」 が出る!

例年出題されている重要問題です。2025年度入試では二次関数と一次関数の融合問題でした。出題傾向が豊富なため、最低限の「座標・傾き・直線の式・面積」を求める解法はマスターしておきましょう。また図形の性質を用いて解く問題も出題されることがありますので併せて確認しておきましょう。

記述式の 「図形の証明問題」 が出る!

例年出題されている重要問題です。全文記述式の出題であり、記述式の証明問題への対策が必要です。2022年度は合同、2023年度は相似、2024年度は合同・相似、2025年度は空間図形の展開図に関する相似の証明が出題されました。合同・相似条件はもちろん、証明の流れや書き方を習得しておきましょう。

過去4年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去4年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 5 5 5 5
小問数 30 26 29 26
記述問題 図形の証明(説明) 1 1 1 1
その他の説明・証明など 0 1 0 0
立式・解法の過程の記述 1 0 1 0
作図(図形) 1 0 0 1
作図(グラフ) 0 0 0 0

国語

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問1は漢字の読み書きや文法、大問2は文学的文章、大問3は論理的文章、大問4は古文「続古事談」、大問5は課題作文の構成となっています。大問2~4を通じて、字数指定の抜き出し問題が8問、文章中の言葉を用いて所定の字数内で書く問題が5問、大問4の古文では現代語で説明する問題が1問出題されています。大問5の課題作文は、携帯電話やスマートフォンの使い方についての考えを、原稿用紙の使い方に従って10~13行の範囲でまとめる問題となっています。全体を通して、読解力のみならず語彙力や表現力も求められます。

対策のポイント

読解力・語彙力・表現力が試される!

「文章中の言葉を用いて〇字以上□字以内で書きなさい」という形式の問題が増えています。文章中の言葉だけでは解答を完成させることができないため、文章や問題の内容を踏まえながら、キーワードを見つけたり言葉を補ったりする必要があります。日ごろから様々な言葉の表現に触れ、解答作成に役立てていきましょう。

複数の資料から読み取る問題が出る!

メインとなる文章に加えて、補足資料や記録資料からも情報を読み取る必要のある問題が出題されます。大事なところには線を引く、問題に関係のある言葉をメモする、資料間で関係する部分に印をつけるなど、何度も文章中から探して時間をロスしなくても良いように工夫しましょう。

過去4年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去4年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 5 5 5 5
小問数 29 27 28 29
記号解答 6 6 6 4
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 23 21 22 25

理科

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問1は物理、化学、生物、地学の各分野から2問ずつ、計8問出題されて、記号問題や語句の記述が中心の基本的な問題となっています。大問2~5は、物理、化学、生物、地学、の各分野から各1問出題されます。 大問1~4は、問題文が1ページ分の文章量ですが、大問5は2ページにわたる長い会話文形式の問題が出題されています。計算問題や図・グラフが関係する問題は、合計で5問程度しかないため、記号や基本の語句を問う問題の割合が高くなっています。第3回の基礎学力テストで範囲外の単元は出題されることが多くなっています。

対策のポイント

3年で習った単元が大問で出題されることが多い!

「化学変化とイオン」の単元、基礎学力テストの第3回で範囲外の「地球と宇宙」の中の「太陽と太陽系」以外の単元は、大問の主題になることが特に多くあります。「化学変化とイオン」では、電池と電気分解の反応について、「地球と宇宙」では、自転・公転による太陽の動き、月や金星の見え方について理解しておきましょう。

「気体の性質」「蒸留」に関する問題が出やすい!

気体の性質を問われることが多いため、それぞれの気体の性質を覚えておきましょう。アンモニアや塩化水素のようなにおいがあるものや空気より軽い・重い、水への溶けやすさなどを覚えておきましょう。また、蒸留で物質を分離できる理由について、状態変化の内容と合わせて覚えておきましょう。

過去4年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去4年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 5 5 5 5
小問数 30 29 30 29
記号解答 10 11 12 11
短文記述 16 12 13 11
計算問題 2 5 3 6
図・グラフ、モデル 2 1 2 1
語句記述

社会

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問は地理2問、歴史2問、公民1問、地歴公1問の計6問が出題され、合計の小問数は36問、文章記述問題は5問でした。 全体的に標準的なレベルの問題が多く、文章記述問題の多くはキーワードを用いて短い文章を作成する問題です。地理では日本の地理で1問、世界の地理で1問出題されています。歴史では日本と外国との関わりを問う問題が多く、外交史的な出題をされています。古代~近世で1問、近現代で1問となっています。地歴公の複合問題は、文章量も資料数も他の大問の2倍程度あり、時間配分には気を付ける必要があります。

対策のポイント

様々な単元から幅広く出題される!

地理・歴史・公民ともにテーマを絞って出題されるというより、多くの単元から基本~標準レベルの問題を幅広く出題される傾向があります。出題される単元を予想して対策を立てるようなやり方ではなく、全範囲の基本的な知識は全て押さえておくような対策が必要となります。

環境・時事問題が出題される!

近年、地理・歴史・公民の複合問題では、少子高齢化や環境問題といった現代社会が抱える課題や時事に関する問題が出題される傾向にあります。教科の学習だけではなく、環境に関する知識や国際情勢などの時事に関する情報についても、インターネットや新聞等を利用して理解を深めておきましょう。

過去4年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去4年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 6 6 6 6
小問数 35 35 35 36
記号解答 17 18 19 20
用語記述 12 10 12 11
文章記述 6 7 6 5
作業・作図 0 0 0 0