学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

富山県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問数は例年通り4問。小問数、リスニング問題数、英作文の問題数ともにほぼ例年通りでした。 リスニング問題は、2023年度までは正誤のどちらかに丸を付ける形式でしたが、2024年度同様、2025年度入試も正しいものを1つ選択する形式で出題されました。大問1はグラフやチラシなどの資料から情報を読み取る問題が3題出題され、大問2は例年通り長文が2題、大問3は語句整序と4コママンガ式の条件英作文、自由英作文の3題が出題されています。

対策のポイント

長文問題は量が多く、いかに時間内に解ききれるかが勝負!

英語はリスニングが約10分と筆記問題40分の計50分です。長文は分量が多いため、いかに速く正確に読んでいけるかがカギになります。また、単純な文章読解だけでなく、表やグラフの読み取りも必ず設問に盛り込まれているため、文章以外のデータを素早く読み取り、正確に参照しながら解答できる力も必須です。

25語以上で自分の意見を述べる英作文が出る!

2025年度のテーマは「日本とアメリカの時間割の違いについて、どちらか良いと考えるか」、2024年度のテーマは「富山に来る外国人観光客に対して、富山がすべきこと」でした。富山に関連したテーマだけでなく、幅広いテーマで出題されますので、どのテーマが出題されても英作文が書けるように練習しておきましょう。

過去4年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去4年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 4 4 4 4
小問数 25 29 26 25
リスニング 10 10 10 10
英作文 4 4 4 4

数学

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問数は7問、小問数30問でほぼ例年どおり。 大問1は作図を含む小問集合、大問2は関数と図形の混合問題、大問3は箱ひげ図、大問4は整数の性質、大問5は空間図形、大問6は関数の文章題、大問7は証明問題を含む平面図形の問題でした。 2024年度までは第3問~第5問の間に必ず「規則性の問題」が出題されていましたが、2025年度は出題なし。その代わりに「整数の性質の問題」が新たに出題されました。短時間で条件に合う値を見つける方法を考えさせる問題でした。

対策のポイント

「大問1の小問集合」は満点取れるようにしよう!

関数と図形の混合問題や規則性など、従来は例年必ず出題されていた問題が出題されないことも増えていますが、大問1の小問集合は、変わらず毎年必ず出題されています。全10問で各単元の基礎的な問題を中心に出題されます。大問1は満点を取ることができる大問ですので、徹底的に対策しましょう。

記述式の 「図形の証明問題」 が出る!

図形の証明問題は、平成26年度入試までさかのぼっても、毎年必ず出題されていますので、必ず書けるようにしておきましょう。 なお「合同・相似の証明」の他にも「平行四辺形の証明」など、少し特殊な証明が出題された年もあります。どんな形式の証明問題が出題されても困らないように対策しましょう。

過去4年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去4年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 7 7 7 7
小問数 29 29 30 29
記述問題 図形の証明(説明) 1 1 1 1
その他の説明・証明など
立式・解法の過程の記述
作図(図形) 1 1 1 1
作図(グラフ) 1 1 1 1

国語

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問1:漢字 大問2:論説文 岩立康夫『直感脳 脳科学がつきとめた「ひらめき」「判断力」の強化法』 大問3:物語文 青谷真未「ステイ!ぼくとシェパードの5カ月の戦い」 大問4:古文 益軒全集「養生訓」 大問5:課題作文「詩歌の情景と疑似体験について」 昨年同様の大問5問構成。例年大問1は漢字の問題で、読みと書き取りが各3問の計6問が出題されます。大問2、3は近代以降の文章が出題され、小問は各8問ほどで構成されています。大問4は古典の問題、大問5が作文の問題です。

対策のポイント

読解問題の中には「語彙力問題」も必出!

読解問題の対策といえば記述問題対策ですが、2024年度、2025年度ともに、読解問題17問~18題のうち「語彙力や文法知識を試す問題」が4題出題されています。知識問題は確実に得点したい問題ですので、記述問題だけでなく、知識を増やすような勉強も取り入れていきましょう。

課題作文の配点は7点!対策は必須!

例年、課題作文は必出です。「2段落構成で180字以上220字以内で書く」という条件も固定化されています。ただ、2025年度の作文は詩歌の知識も必要な問題でした。日頃から自身の書いた文章を添削してもらうなどして、作文を書く力自体を磨きつつ、和歌や俳句などの知識も日頃から身に着けておきたいところです。

過去4年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去4年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 5 5 5 5
小問数 30 30 31 31
記号解答 10 7 7 9
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 20 23 24 22

理科

2026年度/令和8年度

出題傾向

例年通りの大問8問構成で、物理、化学、生物、地学の4分野から各2問ずつ出題されています。 1つの大問は小問5問で構成、小問数自体は多くないものの、2023年度に比べて2024年度は計算問題が大幅に増えました。2025年度も計算問題が10問出題されており、計算を絡めた設問傾向が強まっているため、今後も対策は必須でしょう。また、記号で解答する問題が、2024年度までは15問程度だったのが、2025年度は20問に大幅増、解答を複数選択する問題や完答問題も多いため、各単元の確かな理解が求められます。

対策のポイント

「電気分野」と「天気分野」が出やすい!

例年、電気分野と天気分野はどちらかは必ず出題されています。特に、2023年度はどちらの分野からも出題されました。電気分野は右ねじの法則などを使う磁界の問題か、オームの法則を使う回路の問題で、天気分野は飽和水蒸気量などの計算問題か、気団や前線など天気の仕組みを聞く知識問題が出題されます。

「生物分野」は得点源になりやすい!

傾向分析で前述した通り、生物分野からも必ず大問2つ分は出題されます。特に中1単元の「植物」や中2単元の「人体」は頻出単元になりますが、他の分野と違い、生物分野は知識問題が多く、しっかり暗記できていれば、得点源にできる分野です。何度も問題演習を行い、知識を定着させましょう。

過去4年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去4年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 8 8 8 8
小問数 40 40 40 40
記号解答 17 16 15 20
短文記述 2 4 4 3
計算問題 7 6 12 10
図・グラフ、モデル 3 2 2 2
語句記述

社会

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問は地理2問、歴史2問、公民2問の計6問。2024年度より大問が1つ減り、2023年度と同じ大問数となりました。小問は40問、文章記述問題は4問でした。 基本的な知識を問う問題が例年よりも多く出題され、文章記述問題では用語の説明や理由を問う問題が出題されました。分野別に見ると、歴史では並べかえ問題が1問出題され、問題全体の並べかえ問題の数は減少しています。また、地理の問題は資料から読み取ったり、資料から推測して国や都道府県を当てはめる問題も出題されました。

対策のポイント

苦手な人が多い「資料の穴埋め問題」が出る!

例年、資料の穴埋め問題が2問ほど出題されています。資料の数値からどの国や都道府県が当てはまるのか推測する問題ですので、深い知識が必要となります。ただし、その分野に特化した国や都道府県を穴埋めさせることが多いため、問題集で頻出の国や都道府県から暗記すれば、解けるようになります。

「歴史の時代関係の問題」が出る!

例年、歴史で主な出来事の並べかえ問題が出題されています。1つの時代区切りだけではなく、政治制度や文化などほかの時代との比較も出題されています。並べかえ問題の対策としては、事件が起きた経緯と事件後の社会への影響の2点も合わせておさえておきましょう。

過去4年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去4年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 7 6 7 6
小問数 41 40 41 40
記号解答 22 29 30 24
用語記述 11 10 7 14
文章記述 5 4 4 4
作業・作図 0 0 0 0