学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

富山県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数は例年通り4問。小問数、リスニング問題数、英作文の問題数ともにほぼ例年通りでした。 リスニング問題は、2023年度までは正誤のどちらかに丸を付ける形式でしたが、2024年度入試は正しいものを1つ選択する形式に変更されました。大問1には、2023年度からチラシやウェブサイトなどの資料から情報を読み取る問題が出題されるようになっています。大問2は例年通り長文が2題、大問3は語句整序と4コママンガ式の条件英作文、自由英作文の3題が出題されています。

対策のポイント

長文問題は量が多く、いかに時間内に解ききれるかが勝負!

試験時間はリスニングと筆記合わせて50分です。筆記問題にかけられる時間は40分程度になる一方で、長文問題が合計5題出題されます。時間内に全ての問題を解ききるためには、キーワードやキーセンテンスを読み取りながら、テキパキと読み進める力をつけておく必要があります。単語や文法基礎のマスターも重要です。

25語以上で自分の意見を述べる英作文が出る!

2024年度のテーマは「富山に来る外国人観光客に対して、富山がすべきこと」、2023年度は「世界中で学校に通えない子どもたちが沢山いる問題についてどう考えるか」でした。富山県に関連したテーマだけでなく、幅広いテーマで出題されますので、どのテーマが出題されても英作文が書けるように練習しておきましょう。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 25 29 26
リスニング 10 10 10
英作文 4 4 4

数学

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数は7問、小問数30問でほぼ例年どおり。 大問1は作図を含む小問集合、大問2は方程式の文章題、大問3は箱ひげ図、大問4は関数と規則性の混合問題、大問5は空間図形大問6は関数の文章題、大問7は証明問題を含む平面図形の問題でした。 2023年度までは2次関数と1次関数の混合問題が出題されていましたが、2024年度は出題されず。代わりに大学入学共通テストを意識したような、2名の生徒の考えた方程式を使って方程式の文章題を解く問題が出題されました。

対策のポイント

「規則性の問題」が出る!

規則性の問題には、規則に従って「タイルを増やす」、「図形を並べる」、「碁石を並べる」など様々な問題があります。柔軟な思考で、隠された規則性を見つけ出し、それを使った式に表すことができるかが重要になります。規則性の問題はパターン分けして問題演習を繰り返し、問題の傾向に慣れるようにしておきましょう。

記述式の 「図形の証明問題」 が出る!

図形の証明問題は、平成26年度入試までさかのぼっても、毎年必ず出題されていますので、必ず書けるようにしておきましょう。 なお「合同・相似の証明」の他にも「平行四辺形の証明」など、少し特殊な証明が出題された年もあります。どんな形式の証明問題が出題されても困らないように対策しましょう。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 7 7 7
小問数 29 29 30
記述問題 図形の証明(説明) 1 1 1
その他の説明・証明など
立式・解法の過程の記述
作図(図形) 1 1 1
作図(グラフ) 1 1 1

国語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問1:漢字 大問2:論説文 池内了『江戸の好奇心 花ひらく「科学」』 大問3:物語文 上野歩「お菓子の船」 大問4:古文 新編日本古典文学全集 「俊頼髄脳」 大問5:課題作文 「好きなものの魅力を効果的に伝える」 昨年同様の大問5問構成。例年大問1は漢字の問題です。読みが3問、書き取りが3問の計6問が出題されます。大問2、3は近代以降の文章が出題され、小問は各8問ほどで構成されています。大問4は古典の問題で、2023年度は7年ぶりに漢文が出題されましたが、2024年度は古文の出題に戻りました。

対策のポイント

読解問題の中には「語彙力問題」も必出!

読解問題の対策といえば記述問題対策ですが、2024年度は読解問題16題のうち「語彙力や文法知識を試す問題」が5題出題されました。知識問題は確実に得点したい問題ですので、記述問題だけでなく、知識を増やすような勉強も取り入れていきましょう。

課題作文の配点は7点!対策は必須!

例年、課題作文は必出です。「2段落構成で180字以上220字以内で書く」という条件も固定化されてきていますので、200字ほどで2段落構成の作文を書けるように練習しましょう。なお、作文の記述力向上には添削が不可欠です。学校の先生などに添削してもらい、満点が取れる作文を書けるようにしましょう。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 30 30 31
記号解答 10 7 7
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 20 23 24

理科

2024年度/令和6年度

出題傾向

例年通り大問8問構成になっています。物理、化学、生物、地学から各2問ずつ出題されています。 1つの大問は小問5問で固定されており、小問数は多くありませんが、2023年度に比べて2024年度は計算問題が大幅に増えました。今後も計算問題が10問以上出題される可能性があります。また、記述問題も2022年度は2問程度でしたが、2023年度以降4問に増えていることから、今後も実験の注意点や仕組みについてなど、自身の言葉で説明させる問題が増える可能性もあります。

対策のポイント

「電気分野」と「天気分野」が出やすい!

例年、電気分野と天気分野はどちらかは必ず出題されています。特に、2023年度はどちらの分野からも出題されました。電気分野は右ねじの法則などを使う磁界の問題か、オームの法則を使う回路の問題で、天気分野は飽和水蒸気量などの計算問題か、気団や前線など天気の仕組みを聞く知識問題が出題されます。

「生物分野」は得点源になりやすい!

傾向分析で前述した通り、生物分野からも必ず大問2つ分は出題されます。特に中1単元の「植物」や中2単元の「人体」は頻出単元になりますが、他の分野と違い、生物分野は知識問題が多く、しっかり暗記できていれば、得点源にできる分野です。何度も問題演習を行い、知識を定着させましょう。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 8 8 8
小問数 40 40 40
記号解答 17 16 15
短文記述 2 4 4
計算問題 7 6 12
図・グラフ、モデル 3 2 2
語句記述

社会

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問は地理3問、歴史2問、公民2問の計7問で2023年度より大問が1つ増え、2022年度と同じ大問数に戻りました。小問は41問、文章記述問題は7問でした。 例年通り全体的に基本的な知識を問う問題が多く、文章記述問題では用語の説明や理由を問う問題が出題され、歴史では並べかえ問題が1問出題され、問題全体で並べ替え問題が必ず2問は出題されています。また、地理の問題は資料から読み取ったり、資料から推測して国や都道府県を当てはめる問題も出題されました。

対策のポイント

苦手な人が多い「資料の穴埋め問題」が出る!

例年、資料の穴埋め問題が2問ほど出題されています。資料の数値からどの国や都道府県が当てはまるのか推測する問題ですので、深い知識が必要となります。ただし、その分野に特化した国や都道府県を穴埋めさせることが多いため、問題集で頻出の国や都道府県から暗記すれば、解けるようになります。

「歴史の時代関係の問題」が出る!

例年、歴史で主な出来事の並べかえ問題が出題されています。1つの時代区切りだけではなく政治制度や、文化などほかの時代との比較も出題されています。並べかえ問題の対策としては、事件が起きた経緯と事件後の社会への影響の2点も合わせて暗記しましょう。

過去3年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去3年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 7 6 7
小問数 41 40 41
記号解答 22 29 30
用語記述 11 10 7
文章記述 5 4 4
作業・作図 0 0 0