【中学生】理科の成績の上げ方|苦手になる原因や勉強のポイント
理科は暗記や計算、グラフの読み取りなど複合的な要素が多いことから勉強方法が分からず、苦手に感じてしまう人が多い傾向にあります。その一方で、単純な暗記やテクニックだけでなく「原理原則を理解する」「解答に根拠を持つ」といった正しい勉強法をマスターして、苦手意識を克服することができれば、理科は比較的短期間で得点源になりやすい教科であるとも言えます。
本記事では、理科に対する苦手意識や悩みを克服し、成績を上げるための具体的な方法を提供します。
この記事のポイント
理科が苦手になってしまう主な原因
理科が苦手になる主な原因について、三つの視点から詳しく説明します。
計算が難しいと感じる
主に物理や化学といった理系の科目では計算問題が出題される傾向があります。これらの計算問題には公式や理屈を理解する必要があり、それが難しく感じる理由の一つです。また、小学生の時に算数の基礎がしっかり身についていないと、この難しさがさらに増すこともあります。
こうした計算問題を克服するためには、まず基本的なルールや公式、理科の各分野における原理原則を理解することが重要です。これらの基礎知識をしっかりと身につけることで、計算問題への苦手意識を減らすことができます。計算そのものは複雑なものは出題されないので、多くの問題は理解と練習によって解決できるはずです。
暗記が難しいと感じる
中学生が理科を苦手と感じる大きな原因の一つに、「暗記の難しさ」があります。理科の科目で覚えるべき用語の中には漢字やカタカナが多く含まれており、複数の用語が複雑に関連し合っているため、どの用語がどれに対応しているのか混乱しがちです。
これらの難点を克服するためには、それぞれの用語と関係ある言葉を関連付けて一緒に覚える方法が効果的です。例えば、「消化酵素」を覚える際に、それが「食べ物を分解する役割を持つ」と関連付けて覚えることで、理解が深まりやすくなります。このように、用語を単独で覚えるのではなく、関連する言葉や概念と一緒に覚えることで、記憶の定着が助けられ、理科の成績も向上するでしょう。
現象や事象を理解することが難しいと感じる
理科の用語や法則は、多くの場合、具体的な現象や事象と密接に関わっています。そのため、単語だけを暗記しても、その意味や背景を理解していなければ問題を解くことが難しくなります。 この難しさを克服するためには、教科書や参考書に書かれているイラストや写真、YouTubeの動画などを積極的に活用することが効果的です。具体例や視覚的な情報をもとに現象や事象を観察し、それらがどのような法則で説明されるのかを理解することで、単なる暗記にとどまらず、深い理解へとつながります。
理科の勉強に関するポイント
理科の勉強に関する重要なポイントについて、基礎的な知識を身につけること、原理原則を理解すること、応用力を高めることが挙げられます。
基本的な知識を身につける
理科の成績を上げるためには、まず基本的な知識を身につけることが重要です。理科における用語や法則などの基本的な知識を覚えることで、初めて応用問題へとチャレンジする土台が築かれます。
また、理科は多くの分野を包含しており、それぞれの分野で異なる用語や法則が登場します。このため、基本的な内容を確実に覚え込むことが、その後の学習での大きな障害を取り除き、スムーズな理解と解答力の向上につながります
原理原則を理解する
法則や仕組みを単に丸暗記するのではなく、その理屈を理解することが理科の学習において非常に重要です。例えば、自然現象や化学反応の法則を暗記するだけでは、応用問題に対応する際に困難を感じるかもしれません。しかし、「なぜそうなるんだろう」と深く掘り下げて考えることによって、一つのテーマの理解が深まります。例えば、物理現象の場合、単に公式を覚えるのではなく、その公式がどのような原理に基づいて導かれたものかを理解しましょう。このようなアプローチで学習すると、単なる暗記に頼ることなく、理科全般の理解力が大いに向上します。
応用力を高める
入試で問われる応用力とは「複雑な計算」や「知らない知識」、そして「難しい」問題を解く力を指すものではありません。むしろ、複雑そうに見える問題を基本事項に立ち返って考える力が求められています。基本をしっかり理解していれば、一見難しそうな問題も基本事項の組み合わせとして解明できるようになります。そのためには、基本を組み合わせた良問を選んで、問題演習を積むことが重要です。これによって、自信を持って問題に取り組むことができるようになります。さらに、覚えた知識をどう組み合わせ、どう活用するかをイメージする力が求められます。単なる暗記ではなく、その知識を活用する方法を理解することこそが、真の学力を身につける上で重要です。
理科の成績を上げるための勉強法
理科の成績を上げるためには、具体的な勉強法を実践することが重要です。基礎的な方法から分野別のアプローチまで、以下の各項目で詳しく説明します。また、理科の勉強において重要な原理原則に基づいた考え方や覚え方の例も紹介していきます。
【基礎】理科の成績を上げる勉強法
教科書を熟読する
教科書を熟読することは、理科の成績を上げるための基本的なステップです。まずは教科書の内容をしっかりと理解し、すべての用語の意味を明確に把握することが大切です。また、教科書の内容を読み込む際には、事象の意味や内容の理解に重点を置くことも不可欠です。また、教科書には「実験」に関する記述も多く見られますので、その目的・方法・結果・考察をしっかりと押さえておくことが求められます。実験の目的を理解することで、なぜその実験が行われるのかが分かり、実際にどのような手順で進められるのかが理解できます。
結果と考察については、それが意味するところを理解することで、どのような結論が導き出されるのかが明確になります。
最近の高校入試では、この「実験」を通しての出題が非常に多く見受けられます。そのため、教科書に記載されている実験内容をしっかり把握しておくことが、実際の試験対策にも直結します。
ワークに取り組む
いろんな問題集を解くよりも、ワークを1冊しっかり仕上げることが成績アップに直結する可能性が高いです。まずは、手元にあるワークを徹底的に活用しましょう。ワークを解く中で間違いが多かった箇所や、定期テストや模試で得点が取れなかった部分を重点的に復習することが重要です。このように、ワークを1冊仕上げると、自分の弱点が明確になり、その部分を集中して改善することで点数の上り幅が大きくなる傾向があります。したがって、いろいろな問題集に手を広げる前に、まずは1冊のワークに全力を注ぐことをお勧めします。
【分野別】理科の成績を上げる勉強法
生物
生物分野は、繰り返し問題を解いてパターンを覚えることが非常に大切です。生物は植物や動物など多岐にわたる内容を扱うため、その分類について理解を深め、それぞれのつくりや働きの名前を覚える必要があります。効果的な学習方法の一つに、ノートに分類図やつくり、働きをまとめる「まとめノート」や「復習ノート」を作成することがあります。このノートを活用することにより、学習内容を視覚的に整理しやすくなり、また繰り返し見直すことで知識を定着させることができます。
生物における食物連鎖は、生物同士の「食べる・食べられる」の関係で成り立っています。これは、生態系の基礎となる重要な概念です。生態系内での数量関係は一般的にピラミッド型で表され、例えば草食動物が多く、肉食動物がその上に少数存在するという構造です。この関係についてよく理解し、「生産者=植物」「消費者=動物」と分類することができていれば、たとえ自然現象や人間活動などで一時的にバランスが崩れたとしても、最終的にはもとのピラミッド型に戻るということがイメージできるはずです。
化学
化学分野は、まず基本的な概念や原理を頭に入れ、それを基に問題を解決していけるようにすることが大切です。また、実験や観察を通して学ぶことも有効です。化学は理論だけでなく、実際の現象を体験することで理解が深まる科目です。できるだけ実際の実験に触れる機会を持つか、動画やシミュレーションを活用することで、視覚的に学習することができます。
さらに、化学の問題集を活用して、多くの問題に取り組むことも効果的です。多様な問題に触れることによって、応用力を養うことができ、試験での対応力を上げることができます。特に過去問や模擬試験を使って、時間配分も考えながら実際の試験形式で練習することをお勧めします。
化学において基本事項の暗記は必要です。ただ、酸化銅の質量比は銅:酸素=4:1、酸化鉄は鉄:酸素=7:3などと覚えていなくとも、問題によってはこの質量比をグラフから読み取ることもできます。ここで、具体的に銅を例にとって質量の比を求めてみます。
まず、銅の質量が0.8[g]のとき、加熱してできあがる化合物の質量は1.0[g]であることを読み取ることができます。次に、化合した酸素の質量を計算します。化合物の質量1.0[g]から元の銅の質量0.8[g]を引くことで、化合した酸素の質量が0.2[g]であることが分かります。最後に、銅の質量と化合した酸素の質量の比を求めます。0.8[g]の銅と0.2[g]の酸素の比率は0.8:0.2となり、これを最も簡単な整数比に直すと4:1という質量比を導き出すことができます。
このようにして、化学は数多くの問題に取り組むことで、問題を解くための知識や考え方を身につけることができるのです。
物理
物理分野は、まず物理の基本的な概念をしっかりと理解することが重要です。物理は数式や理論が多いため、基本的な知識を確実に身につけることが、応用問題を解く際にも役立ちます。次に、定義や公式を暗記するだけでなく、それがどのように導かれるのかを理解することが大切です。公式の成り立ちや意味を自分の言葉で説明できるようになると、その公式を使う問題にも対応しやすくなります。また、公式を用いた計算問題や、実験結果をもとにした考察問題など、様々な形式の問題を解くことで、物理的な思考の幅を広げることができます。さらに、物理は視覚的な理解が有効な分野です。図やグラフを用いて問題の条件を整理することで、解答へのアプローチが明確化されます。
物理の例として、ものが浮く原理について説明します。液体の中で物体が上向きに押される力のことを「浮力」と呼び、物体が液体に浮くのはこの浮力が働いているからです。浮力の大きさは、物体が液体に浸かっている部分の体積によって決まり、たとえ同じサイズの物体でも、水に浸かっている部分が大きいものほど浮力が大きくなります。さらに「アルキメデスの原理(水中にある物体にはたらく浮力の大きさはその物体が押しのけた水の重さに等しい)」を理解することで、表のA~Eに働く浮力を求めることができます。
・A、B、Cの3つの物体の浮力の大きさはA<B<Cとなる。
・C、D、Eの3つの物体に働く浮力すべて等しい。
地学
地学分野は大きなスケールで自然現象や地球の構造を理解する学問なので、学習のコツがいくつかあります。
一つ目は、地学の教科書をしっかりと読み解くことです。地学には地層、鉱物、気象など多岐にわたるテーマがあり、それぞれ基本的な用語や概念を理解し、図や写真で具体的なイメージを掴むことが重要です。
二つ目は、実際の観察や体験を通じて学ぶことです。地学にはフィールドワークが非常に効果的です。例えば、近所の地層や川を観察することで、教科書で学んだ知識が実感として理解できます。
三つ目は、地学特有の計算問題やグラフの読み解き方を練習することです。地震の規模や震源の距離を求める計算、気象データのグラフ解析などがこれに含まれます。これらは一見難しそうに思えるかもしれませんが、基本的な計算法やパターンを身に付ければ、徐々に自信がついてきます。
四つ目は、インターネットや参考書を活用することです。地学は、最新の自然現象や科学的な探査成果が学べる分野ですので、ニュースや専門サイトで情報を収集することも効果的です。
海風と陸風は、地学の基本的な現象の一つとして理解しておくべき概念です。イメージ画像をもとにその原理・原則を解説します。
例えば、夏に砂浜が歩けないほど熱くなっていても、海水がそんなに熱くなることはありせん。これは、砂浜(陸)は温まりやすく冷めやすい、水(海)は温まりにくく冷めにくい性質があるからです。この性質が風の吹き方にも関係してきます。昼間、陸で温められた空気は膨らんで密度が低くなり(=低気圧)軽くなって上昇します。海の空気は陸よりも冷たいままなので、縮んで密度が高くなり(=高気圧)重くなって下降します。このとき、気圧の差をなくそうとする力が働いて、高気圧から低気圧に向かって風が吹くのです。よって、昼間は陸から海へ、夜は海から陸へ風が吹くということが説明できます。これらの原理を理解することで、自然現象に対する理解も深まり、問題にも対応しやすくなるでしょう。
効果的な学習で理科に対する苦手意識を克服しよう
理科の成績を上げるためには効果的な学習を続けることが不可欠です。継続的に学習を進めることで、理科への苦手意識を克服し、成績アップへとつなげることができるでしょう。さらに、効果的な学習には専門的なサポートが役立ちます。個別指導Axisでは、個々のニーズに合わせた指導を提供しています。定期テスト対策や受験対策も充実した内容になっているので、興味のある方は、ぜひこちらのリンクから詳細をご覧ください
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