学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

秋田県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数は5問。リスニング問題(大問1)、文法問題(大問2)、適語補充・英作問題(大問3)、対話文(英作文)(大問4)、長文問題(大問5)で構成されています。入試傾向が大幅に変わっており、文法問題にも仮定法が用いれられたり、長文に使用されている表現の中にも be satisfied with やremind A of Bといったものが使われていたりと、過去の入試問題では見られないような文法・語彙が出てきています。また、今年度入試では【注】による語彙の補足説明がなくなりました。

対策のポイント

長文問題の語数が増加!

対話文や長文問題の出題傾向が大きく変更されています。対話文読んで英作文を作る問題では、例年は語数指定が15~25語に対し、本年度は25語以上となっています。長文問題は本文の語数が昨年度よりも92語も増加しました。これまでの過去問の形式にとらわれることなく、様々な形式の問題に取り組んで対応していきましょう。

新指導要領に新たに加わった文法が出やすい!

上記の傾向でも述べたように、長文問題では【注】による語彙の補足説明がなくなっていることや、文法問題に関しては初の仮定法を用いた問題となっていました。教科書に出てくる単語、熟語は徹底的に覚えおいた方が良いでしょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 37 37 36
リスニング 10 10 10
英作文 1 1 1

数学

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数は5問。 1.小問集合、2,方程式・2乗に比例する関数・データの活用・作図、3.1次関数の文章題、4.規則性・確率、5.相似(2題中1題選択)。図形の証明は毎年同じように出題されていますが、近年は資料やグラフから読み取れることを考え説明させる問題が増えてきており、計算して解答を導くだけでなく解答までの過程を記述する力が必要となってきています。昨年度に続き、データの活用分野でも記述問題が出題されました。

対策のポイント

説明させる問題が増加!

教科書内容を理解し、その内容を踏まえてたくさんの演習を積み重ねること。教科書に載っている用語をしっかり覚え、その用語を使って図形やグラフの性質・資料が表す意味を自分の言葉を入れて記述する力を付けることが大切です。

最新の入試問題を利用する!

まずは、各問題のポイント、仮定、結論を見通してから演習を行うようにすること。全国的な流れとして問題文が長文化・複雑化する傾向があり、秋田県の入試も例外ではありません。その為、最新の入試問題を利用した演習も行いましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 24 23 29
記述問題 図形の証明(説明) 1 1 1
その他の説明・証明など 1 2
立式・解法の過程の記述 2 2
作図(図形) 1 1 1
作図(グラフ) 1 1

国語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問1:聞くことに関する検査 大問2:漢字・語句・文法 大問3:説明的文章 大問4:文学的文章 大問5:古典 大問6:課題作文 傾向としては、説明的文章など、選択肢の問題は少なく、本文からの抜き出しも含むものの大部分が記述問題です。記述で答える問題につき、必要な文字数が多くなっています。できれば指定字数の9割、最低でも8割は埋めることが必須。また長い論述問題は、第三者に添削をしてもらうことで答案の精度を上げていこう。

対策のポイント

漢字・語句・文法は得点源!

今回はことわざの問題も出題されています。平素から文章を読む都度「知らないことば」や「読めない漢字」を、漢和辞典や国語辞典を使って自分で調べ、ノートにまとめるとういう学習方法も有効です。やれば点数に繋がる分野なので、ここで点数は取っておきたいところです。

課題作文が出る!

指定の条件にのっとり「200字~250字」で書くもの。字数指定は厳守しよう。条件を把握してそれにかなうように自分の意見をまとめ、表現する力が問われるので、日頃から自分の考えを文章でまとめる練習が必要です。答案の是非は自身の判断で終わらせず、他の人に添削してもらうことが有用です。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 6 6 6
小問数 34 33 35
記号解答 7 7 9
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 27 26 26

理科

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数は去年と変わらず6題。出題傾向については分野別にみてみると物理・化学・生物・地学の出題割合はほとんど差がありませんでした。中1内容が37点、中2内容が36点中3内容が27点と分野別と同じようにすべての学年の内容がほぼ均等に出題されています。しかし去年に比べて難易度が上がり平均点が7.4点下がりました。計算/作図や記述/応用問題の割合は過去3年間変わっていませんが、比較的答えにくい問題が多かったといえます。

対策のポイント

知識を問われる問題

基礎/基本の問題が2024年度は45点出題されています。知識を整理する学習として教科書で用語とその説明文を熟読し、理解する→テキストの一問一答問題の習熟は不可欠です。その他記述問題や考察を含む問題に対応できるよう、用語をみて説明文が書けるようにする練習もしてみよう。

実験・観察問題

まずは、実験・観察目的を確認しよう。典型例については、ある程度暗記してしまっても良いです。実験方法を確認することも大事。実験手順や実験器具の使い方、実験上の注意点などをノートにまとめるなどして頭にいれよう。最後、実験結果を正確に把握し、その結果から考えられることをまとめてみよう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 6 6 6
小問数 34 34 33
記号解答 12 12 8
短文記述 17 19 17
計算問題 5 4 5
図・グラフ、モデル 1 2 3
語句記述

社会

2024年度/令和6年度

出題傾向

説明が求められる記述式の問題、二つ以上の資料から読み取って解答を考える問題、指定語句を使用して記述する問題、空欄に適する内容を答える問題など、思考力を試される問題が随所に盛り込まれています。逆に、自身の社会の知識があやふあな設問に遭遇しても冷静に、出題の意図と指示資料を読み取る力を発揮すれば、正解できる余地のある問題も多々見られました。公民分野では、将来の社会生活に直結することや近年話題になっていることに関しての出題が多いです。普段からニュースに気を配り、時事問題の知識を積み重ねて入試に挑むのが有利です。

対策のポイント

苦手な人が多い「資料を読みとる問題」が出る!

例年、資料から読み取れること・考えられることを記述させる問題が出題されているため、資料の読み取り対策と記述対策の両方が必要です。資料を読みとる問題はたくさん解いて慣れることがいちばんの近道です。いろいろな資料に繰り返し接していけば、入試本番までに必ず解けるようになります。

「歴史の時代関係の問題」が出る!

歴史の流れを確認しながら、年代別に重要な人物や出来事について整理しておこう。出来事が起こった時代背景や要因、後の影響など全体像をつかむこと。個々の歴史的事象につき、時代の動きや世界の歴史と関連させながら理解することも大事です。頻出かつ内容も深く問われる日本史の中世~現代は特に意識して世界との関わりを確認しておこう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 37 39 38
記号解答 20 20 18
用語記述 7 12 10
文章記述 10 7 10
作業・作図 0 0 0