学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

佐賀県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問数は例年通り5問。リスニング(大問1)、英作文(大問2)、資料の読解(大問3)、長文読解(大問4・5)で構成。 大問1はリスニングで、全て記号選択です。大問2は、例年通り下線部が1文となるように空欄に英語を書かせる形式です。大問3では、「事実」か「考え」かを区別する問いやメッセージのやりとりとウェブサイトに書かれている情報といった、複数の情報を処理しながら読解する問題が出題されました。大問4では、対話文、大問5では、高校生が作成したプレゼンテーションの原稿を読んで、概要を把握する問題が出題されました。

対策のポイント

大学入試を意識した資料読解が出る!

大学入試を意識して思考力を問う「事実」と「考え」を区別する問題が出題されました。英文の内容を「普遍的なもの(事実)」か「人によって変わるもの(考え)」かを意識しながら読むと解きやすくなります。また、複数の情報を処理しながら読解する問題も出題されました。資料等がある場合、すみずみまで見て、正解の条件にあてはまる部分を〇で囲むなど可視化して読み進めていきましょう。

掲示板やメモに合わせた内容を書く英作文が出る!

英作文は、( )を含む下線部が1文となるように、( )内に英語を書かせる形式です。下線部前後を日本語に訳し、ポスターやメモなどの資料の内容に合うように、日本語にまとめてからそれを英語に直していきましょう。教科書巻末にある英語の基本表現を覚えたり、習った文法・表現を使って適切な英文を書く練習をしておくことが大切です。

過去4年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去4年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 5 5 5 5
小問数 27 27 30 28
リスニング 7 7 7 7
英作文 5 5 4 5

数学

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問は5問、小問は32問で3学年からバランスよく出題され、ほぼ例年通り。大問1は小問集合、大問2は連立方程式や二次方程式の利用、大問3は関数、大問4は合同の証明を含む平面図形、大問5は確率及び動点の問題でした。 大問1の小問集合では、計算や二次方程式、三角錐の体積や垂直二等分線の作図、平行線と円周角、データの読み取りが出ました。大問2からは、基本から応用へ段階を踏んで出題されました。大問ごとに問題を把握し、基本問題を解き、解き進むには式などの共通項目も図や座標に書き込む必要があります。

対策のポイント

関数で座標を使った面積が出る!

一次関数と二次関数の融合問題で、今回は二次関数の式が与えられ、座標、2点の傾き、直線の式、2つの直線の交点を求める典型問題が出ました。そして、それらを座標に書き込んでおくからこそ解ける面積問題です。基本問題も大問に書かれている情報を座標に書き込むだけで、可視化され、解きやすくなります。

合同の証明も相似に活かそう!

求めた長さと、三角形の合同や相似の証明が相似比や面積比のヒントになります。視野を広げ、図形の性質を使い、平行な線や等しい角から、他の相似な三角形の組み合わせを見つける手がかりになり、答えを導き出すことができます。今回は直角三角形の合同だったので、三平方の定理を利用し長さを求めることも可能でした。

過去4年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去4年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 5 5 5 5
小問数 37 35 37 32
記述問題 図形の証明(説明) 1 1 1 1
その他の説明・証明など
立式・解法の過程の記述 1 1 1 1
作図(図形) 1 1 1 1
作図(グラフ)

国語

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問1:会議記録と案:漢字の読み書き・不適説明の吟味・課題作文 大問2:論説文:内容吟味・抜き出しや空所補充・四字熟語  山﨑武也『気くばりがうまい人のものの言い方』 大問3:小説:文法・心情や状況の把握・理由や表現と説明の吟味、空所補充(50字)青山美智子『お探し物は図書室まで』 大問4:古文:現代仮名遣い・内容把握・理由や説明の吟味『宇治拾遺物語』 例年通り、大問数は4問。大問2から大問4で、それぞれを総括する対話があり、本文と照らし合わせて解く問題が出ました。

対策のポイント

自分の考えや理由を書き出し、要約する力をつけよう!

毎年出題される課題作文や記述問題は、書き始める前に条件やキーワード、文末の表現に注意し、字数を意識して理由や意見などを箇条書きしたり、該当する部分に線を引いたりしましょう。書く内容が決まれば、まとめやすくなります。理由や意見を述べる練習を重ねておきましょう。

文章全体をまず読もう!

筆者の考えや登場人物の心情、古文の内容の正確な理解のため、前書きや古文の現代語訳や注釈も含め、まずは一読することが大切です。また、読む際には、接続詞や指示語に着目し、同義や対義、登場人物に関する事柄や場面・話題の転換などに印を付けておきましょう。選択問題から記述まで幅広く対応しやすくなります。

過去4年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去4年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 4 4 4 4
小問数 22 23 26 23
記号解答 12 13 14 12
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 10 10 12 11

理科

2026年度/令和8年度

出題傾向

例年通りの大問5問構成です。 大問1:物理から物体の運動、化学から原子構造とイオン、生物から細胞の観察、地学から太陽系の天体の小問集合。 (大問2)化学分野:酸化と還元など化学変化に関する問題。 (大問3)生物分野:刺激と反応に関する問題。 (大問4)地学分野:火山。マグマ・岩石の種類や特徴と活用。 (大問5)物理分野:浮力に関する問題。 様々な領域から問題数も多いです。また、データを読んで考察する力、実験結果により別の実験の結果を推測する力が必要です。

対策のポイント

語句単独ではなく、区別して覚えよう!

各分野の頻出語句は同系統をまとめて覚えましょう。選択問題でも語句の記述でも違いを見分ける必要があります。テキスト類を見ても、ポイントは分析し、まとめられています。具体的に何の実験や観察でどんな結果が出て、どう分析ができたかを理解し、安全に正しい結果を導くための手順も含めて整理しておきましょう。

「実験」「観察」の結果から考察できるようになろう!

教科書に載っている代表的な実験の方法や注意点、結果を流れでおさえ、さらにそこから考察する力を身につけておきましょう。化学の分野では文章と実験のデータを照合する際に、化学式も書き加えておくと便利です。物理の分野ではグラフをかいたり、複数の実験結果から考察したりする際にも法則の知識が役に立ちます。

過去4年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去4年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 5 5 5 5
小問数 45 41 40 42
記号解答 27 20 23 27
短文記述 1 3 1 1
計算問題 5 5 4 3
図・グラフ、モデル 1 2 3 3
語句記述

社会

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問は地理2問、歴史2問、公民2問の計6問で例年通りの構成でした。小問は40問、文章記述問題は6問でした。 例年通り全体的に基本的な知識を問う問題が多かったです。文章記述問題では、前後の文に合わせて答える穴埋め問題だけでなく、資料から設問の特徴や理由、具体例を簡潔な文で書かせる問題も出題されています。 ここ数年、環境や貧困問題など、SDGs(持続可能な開発目標)の17項目に関する問題も散見されます。この傾向は今後も続いていくと考えられます。

対策のポイント

複数の資料や地図の内容を用いて記述する!

与えられた資料や地図から読み取れること・考えられることを記述させる問題が出題されています。まず、教科書に出てくる写真や図表などの資料と関連付けて重要用語を学習するようにしましょう。その上で、資料を読みとる問題をたくさん解いて慣れていきましょう。いろいろな資料に繰り返し接していけば、入試本番までに必ず解けるようになります。

歴史は、事実だけでなく、原因をさかのぼる!

例えば「○○年に××戦争が起こった」「その理由は△△である」…と声に出して覚え、ノートに書くようにしましよう。そうすることで、出来事の因果関係がつかみやすくなります。さらに、一問一答問題集を使って「用語」から内容を類推する練習をしてみましょう。記述問題で問われやすいポイントを確認しまとめる力の定着につながります。

過去4年間の出題実績

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去4年間の出題数

左右にスワイプすると
表の続きが見れます

出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 6 6 6 6
小問数 41 39 40 40
記号解答 19 22 22 24
用語記述 13 10 11 13
文章記述 5 3 6 6
作業・作図 3 3 0 0