学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

鹿児島県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数は例年通り4問。リスニングの実施時間が約13分と2023年、2022年よりも約2分も長くなりましたが、全体的な問題数はほぼ例年通りでした。 リスニング問題は、昨年度から1~5までの問題を1回のみ放送するため、集中力と話の展開に見当をつける力が求められます。大問2で英作文が出題されます。昨年に続き4コマのイラストの一連の流れを英文で説明するもので、自分の書ける英語でいかに的確に場面の説明ができるかが問われています。

対策のポイント

英単語数が大幅アップ!

問題に出てくる英単語数が2024年が2,255語で、昨年よりも約500語増加しています。大問3と4で長文が3つ出題されるのが例年のパターン。読むだけではなく記述量も大問2の英作文など増加しています。豊富な語彙力をつけるとともに正確に速く読む練習を積んで全体の内容を捉える読解力をつけましょう。

リスニング問題への対策をしっかり!

前述の通りリスニング問題の実施時間が伸びたり、1回のみの放送に対応することが求められたりと年々リスニング問題を重視する傾向があります。聞いた英文を、問われている内容に対して適切な表現に書きかえる力や話の要点をつかむ力が必要です。英文を聞く習慣を作り、要点を書きとる練習を行いましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 32 31 31
リスニング 8 8 8
英作文 2 2 2

数学

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数は5問で例年通りでしたが、小問数36問は例年より5問ほど多いですが設問構成の変化によるもので、解くスピードとしては変化はありません。 大問5の平面図形の問題は、タブレットを使った授業の中で変化していく図形を考察していく設定で、条件を整理して正確に読み取っていく力が必要です。大問1と2の小問集合は確実に全問正解できるよう練習しておくとともに、様々なパターンの総合問題や複数の領域にわたる融合問題にもあたっておきましょう。

対策のポイント

「証明・説明・過程の記述・作図」 が5題!

鹿児島県公立入試では、大問2で作図が1題、そして証明問題、方程式や計算の求め方の過程を記述する問題が4題出題されます。確実に得点できるレベルの問題ですので、日頃から積極的により多くの類題に取り組み、得点力を養成しましょう。

「データの活用」 を要チェック!

近年注目されている「データの活用」は鹿児島県公立入試でも出題され始めています。2024年は与えられた資料を読み取り、正確に分析できるかが問われました。まだ出題されていない「累積度数」「累積相対度数」も対策しておきましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 29 30 36
記述問題 図形の証明(説明) 1 1 0
その他の説明・証明など 0 0 1
立式・解法の過程の記述 3 2 3
作図(図形) 1 1 1
作図(グラフ) 0 0 0

国語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問1:漢字、総画数 大問2:論説文 村田和代「優しいコミュニケーション 思いやりの言語学」 大問3:古文「宝物集」 大問4:小説 真紀涼介「勿忘草をさがして」 大問4:表現・課題作文 昨年同様の5大問構成。大問1の漢字の読み書き。「書き」は小学校学習漢字からしか出題されません。書写の草書体の特徴も押さえましょう。大問2の論説文とクラスでの話し合い、伝え方の工夫を融合した出題が近年目立ちます。提示された資料を手掛かりに文章の内容理解を深め、表現する練習を積み重ねましょう。

対策のポイント

文章量が多い!

以前より文章量が多かったのですが、2024年の総文章量(※)は5981字で昨年よりも約300字多くなっています。また資料の読み取りも多く出題されるため読解スピードが必要です。課題作文に充てる時間も想定して演習しましょう。 ※論説・小説・古文の本文のみの文字数

資料をもとにした「作文」 正答率53.4%!

2024年の課題作文は、複数の資料から条件を読み取り表現するタイプの出題でした。資料の中の大きな変化や際立つ数値を短時間で読み取り、与えられた条件に沿った形で自分の考えをまとめなければなりません。正答率50%台の問題は合否の分岐ゾーンであり確実に得点できるよう対策をうちましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 26 25 26
記号解答 10 8 8
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 16 17 18

理科

2024年度/令和6年度

出題傾向

例年通り大問5問構成になっています。物理、化学、生物、地学から各1問、4分野総合問題が1問出題されています。資料や問題文も多く、与えられた情報を読み取り、自分の知識を活用できているか問われていました。問題形式は作図問題や記述問題が昨年よりも少なくなっていたものの、完答問題が多く出題されていました。難易度の高い計算問題も数問題されていたことから、問題の難易度は昨年よりやや難化しています。平均点は48.8点で昨年より1.3点低くなっています。

対策のポイント

「図表の読み取り問題」に要チェック!

「図表の読み取り問題」というのは、問題文中の文章による説明が少なく、図表が示されている問題で、2024年入試では大問2と3で3問出題されています。図やグラフから短時間で情報を正確に読み取ることが求められるので過去問演習で実戦力をつけましょう。

「測定値を使ったグラフの作成」 が頻出!

測定値を使ったグラフの作成の問題は、2024年では「ばねののびと力の関係」、2023年では「電流と電圧の関係」、2022年では「地震の観測時刻と震源距離」など様々な分野で毎年1問以上出題されています。横軸と縦軸に注目することがポイントです。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 39 38
記号解答 11 17
短文記述 5 3
計算問題 9 7
図・グラフ、モデル 3 1
語句記述

社会

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問は地理1問、歴史1問、公民1問の計3問で昨年と同じでした。小問は41問でやや増加傾向にあります。ページ数は2023年に続きP10と増えており、図や資料・グラフを絡めてより複雑に問われています。 例年通り全体的に基本的な知識を問う問題が多いですが、2024年では地理・歴史・公民各分野で難易度が高い記述問題がされ、平均点も49.4点と昨年より約2点低くなっています。記述問題と完答問題への対策がポイントです。

対策のポイント

80字程度の「記述問題」が出る!

2024年では大問3の財政に関する記述問題で60字~80字で記述することが求められました。例年、資料から読み取れること・考えられることを記述させる問題が出題されているため、資料の読み取り対策と記述対策の両方が必要です。資料を読みとる問題はたくさん解いて慣れることがいちばんの近道です。いろいろな資料に繰り返し接していけば、入試本番までに必ず解けるようになります。

知識の正確さが問われる「完答問題」が出る!

ここ2年で完答問題が出題されています。2024年では二択問題を3つすべて正解しないと〇がもらえない問題が出題されており、部分的で曖昧な知識では正解にたどり着かないことが想定されます。教科書の知識を確実に定着させて総合的に活用する力を養うための対策が必要です。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 3 3 3
小問数 31 38 41
記号解答 15 13 18
用語記述 0 0 0
文章記述 8 11 12
作業・作図 0 0 0