学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

三重県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数は4問。大問1がリスニング(18点)、大問2が対話文問題(8点)、大問3が英作文(12点)、大問4が長文読解(12点)です。小問数等、ほぼ例年通りでした。 大問1では昨年度から1回読みの問題が出題されています。大問2では空所補充と資料の読み取り問題です。大問3では文法力と書き取りの力を試す問題です。大問4では英文の量が多く、速く正確に読む力が必要です。大問1、大問2、大問4は、ほぼ全て記号で答える問題になっています。大問3は6題の英作文で構成されます。

対策のポイント

リスニング対策は必須

リスニングの配点が1/3である18点を占めており、問題形式に慣れておくことが重要です。知らない発音の問題は解けないので、多くの英文と正確な英文法の知識を音も含めて、身に付けておくことが必要となります。解答が選択式であり、一定の点数を取ることができます。上位校を目指す人は完璧を目指して日頃から学習しましょう。

対策は読む力→書く力の順番に!

長文問題については、正しい文法力に基づいて速く内容理解する必要があります。英単語を書く事が苦手であっても、読む事、聞く事が高いレベルできればリスニングを含めて約8割(38点)を得ることができます。ただし、上位校を目指すのであれば、英作文で差が出やすいので、正確な英文を書く訓練を日頃から意識して学習しましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 26 26 26
リスニング 11 11 11
英作文 6 6 6

数学

2024年度/令和6年度

出題傾向

2023年度入試から大問数が5問→7問へ、小問数(解答欄数)は30題ほどです。2024年度入試は大問1が小問集合と作図(19点)、大問2がデータの活用(4点)、大問3が確率(4点)、大問4が連立方程式の立式(4点)、大問5が関数(7点)、大問6が平面図形問題(7点)、大問7が空間図形問題(5点)です。 ある程度満遍なく、どの範囲からも出題がされています。小問数に対して、時間制限がシビアな印象です。前半の計算問題やそれぞれの大問の最初の問題は、基本的な問題が多い印象です。

対策のポイント

速く、確実に、正確に解く力を意識して計算力をつけよう

分析にもありますが、計算力が重要になってきます。毎日の学習の中で、細かい単純計算ほど、手を動かして計算しましょう。もし、自分の計算力に自信がない場合は、計算問題集などを毎日コツコツと取り組み、時間制限を設けて解き続けることを強くお勧めします。正確に解くことも強く意識しましょう。

解法を説明できるようにしよう

後半の問題については、証明や考え方を短答式で答える問題が出題されている傾向があります。対策をする際は、どの難易度の問題についても、模範解答について自らが他の人に説明できるくらいに理解していくことが重要です。本質的な理解を重ねた上で、速く解く事を意識して、問題演習をしていきましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 7 7
小問数 33 30 31
記述問題 図形の証明(説明) 1 1 1
その他の説明・証明など
立式・解法の過程の記述
作図(図形) 1 1 1
作図(グラフ) 1

国語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問5題、小問数は25題ほどです。大問1が漢字(8点)、大問2が文学的文書(12点)、大問3が論理的文書(12点)、大問4が古文・漢文(8点)、大問5が実践的文章・作文(10点)です。 記述問題については正しく読む力を問う問題です。文章中の語句を使用して書く問題が出題されます。いかに文章を正しく読めるかを問われている為、独自の書き方よりも正確に答える練習が必要です。これは古文・漢文も同様で、まずは正確に読む力をつけましょう。課題作文では、正確な文章の型を身に付けて練習しましょう。

対策のポイント

まずは正確に読む力を養おう

大前提として、基本的な語彙力は必要です。ただし、文章を正確に読む為には、物事の因果関係がわかっていないと読み間違えたりします。初見の文章についても、ただ問題を解くだけでなく、解答を作るぐらいの因果関係を把握できるように日頃の学習から意識して、問題演習をしましょう。

文章を書く型を身に付けよう

文章の型は起承転結を意識して、書けるといいですが200字以内、時間制限があり、4部構成は難しい場合があります。その際は、序論(言いたい事)→本論(言いたい事の具体例)→結論(序論の復習)という流れで作文を書くといいです。日頃からテーマを決めて、その字数にまとめられる問題演習をしましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 25 27 25
記号解答 11 13 11
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 13 13 13

理科

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問は8題の構成です。物理、化学、生物、地学からそれぞれ2題ずつが出題されます。小問は40題ほど、大問ごとはそれぞれ誘導となっている場合があり、出題意図を考えながら解くことが必要となります。計算問題は2023年度入試から増加傾向にあり、問題に対して解く時間がシビアでもある為、確実な計算力が求められます。複雑な計算は少ないですが、基本に則って、立式するスピードが求められます。また年度によっては、作図の問題も出題されています。全分野で基本的な知識や実験の問題が出題されている為、教科書レベルの知識を大切にしましょう。

対策のポイント

分野毎の勉強を意識しよう

物理・化学・生物・地学から満遍なく出題されるため、できれば学年毎の勉強よりも、分野毎の勉強に注力することを強くお勧めします。まずは自分にとって得意な2つの分野を完璧にすることから始め、最終的には4分野全ての基本的な知識、実験問題を習得していこう。

計算力と同じぐらい、立式のスピードを意識しよう

小問の数に比べて、時間制限がシビアになっています。その為、まずは各分野で使用されている公式を頭に叩き込む必要があります。計算力を高めることはもちろんですが、それ以上に聞かれていることを理解して、立式を迅速に行う練習が必要です。問題演習の中で、立式のスピードを意識して問題演習に取り組みましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 8 8 8
小問数 43 39 40
記号解答 26 17 21
短文記述 3 5 3
計算問題 1 8 7
図・グラフ、モデル 1 0 1
語句記述

社会

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問は地理2題、歴史2題、公民1台の計5題。小問は38題、文章記述問題は6~8題です。全体的に基本的な知識を問う問題もありますが、ジャンルをまたいだ複合的な問題が多い印象です。特に社会においては複数の時代をまたいだ流れを問う問題や、ある事例が生じた時の因果関係を問う問題が出題されています。地理においても、歴史においても、公民においても、幅広い知識と理解が必要な問題が多い為、日頃から『なぜ、そうなっているのか』を念頭におきながら、日々の問題演習が必要です。

対策のポイント

地理と公民はまず広く基礎を固めていこう

地理と公民は幅広く問題が出題されるとはいえ、広範囲の知識を繋げながら解く問題は、歴史よりは少ないです。地理も公民も、全体の基礎的な暗記を実施し、得意な地域や分野をつくっていくことが、まずは対策の第一歩となります。日頃から暗記する癖をつけていきましょう。

歴史は流れと年号まで細かく学習しよう

歴史においては、時代を一つだけ取り出して問題が出題されることはあまりなく、複数の時代の因果関係やそこから派生する事象の背景を問う問題が多いです。ある程度の時代の流れを把握した上で、今学習している範囲がどの時代のものかを意識しながら学習することが重要です。通史を通しながら、年表を手掛かりに学習しましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 38 37 38
記号解答 28 24 26
用語記述 2 5 4
文章記述 9 8 6
作業・作図 0 0 0