学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

埼玉県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数、小問数、リスニングの問題数が3年間で変更が無く、今後もこの形式を保ったまま出題される可能性が高いです。全体的に条件英作文も含め、受験者自身の言葉で答えさせる問題が年々増えている印象。資料や図表と本文内容を照らし合わせて内容を理解する必要のある問題があるのも特徴的です。 リスニング問題はこの3年間変化がありません。普段からリスニング対策を日常的におこない、英語を聞くことに慣れておきましょう。また、英単語を正しい発音で学んでおくことも重要です。

対策のポイント

会話表現を頭に入れておく

直近3年の問題形式で見られるように、会話文で「自然な会話になるように」という問題が多く出題されています。括弧内に適語を補充する問題も、1語から数語、1文に及ぶものもあり、バリエーションが多いです。そのため、前後の文脈から基本表現や流れを把握する練習が必要です。

条件英作文で減点されない

大問に少しずつ条件英作文が出題される傾向が高まっています。他の問題に比べ、2~3点高い配点となっているので、減点されなければ大きな強みとなります。基本文法や単語力という基礎学力をしっかり固めておく必要があります。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 31 31 31
リスニング 11 11 11
英作文 1 2 2

数学

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数、小問数ともに3年間で変化がありません。今後もこの出題形式が継続される可能性が高いです。1つの問題であっても複数の数学的知識を活用して解く必要があるため、どの単元も重要となります。1つ1つの単元学習を基礎からしっかりと理解しておきましょう。作図や図形の証明問題が高頻出であり、1問あたりの配点も高いため、解ける問題を確実に解いていけるように対策をしておきましょう。 特に大問1に関しては、配点が65点と高く、基礎~応用の知識をきちんと習得しておけば得点源とできるので、単元別の基本的な知識を確実に抑えておきましょう。

対策のポイント

記述力を求められる問題が多く出題される

問題文をしっかり読み取って、理由や考え方を説明する必要のある「読解力」「表現力」をみる問題がよく出題されます。順序だてて論理的に説明できるよう、対策をしておきましょう。後述の図形の合同証明だけでなく、文字式や関数、面積などの記述問題も多く見受けられるので、様々な問題への対応力も身につけておきましょう。

図形は合同・相似の問題が多い

合同の証明問題は高頻出です。合同の考え方を使って、図形どうしの関係を説明する問題が多いです。比較して、相似の知識は解く過程において重要な役割を担う場合が多く、合同の知識と合わせて活用できるようにしておきましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 23 23 23
記述問題 図形の証明(説明)
その他の説明・証明など
立式・解法の過程の記述
作図(図形)
作図(グラフ)

国語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問1:文学的文章 大問2:漢字・文法 大問3:説明的文章 大問4:古文・漢文 大問5:作文 例年、この問題構成で出題されています。大問4では、ここ数年漢文の出題は無く、古文がメイン。内容は基礎的なものから多少難解なものが出題されていますが、きちんと対策をしていれば対応可能なものが多いです。大問1、3の文章題とそれ以外の問題でおよそ半々の配点となっており、大問2や大問4はきちんと知識を蓄えておけば解けるものも多いです。大問5作文とともに、確実に得点源としたいところです。

対策のポイント

文章問題の出題特色

前述のとおり、大問1で文学的文章、大問3で説明的文章となっています。どちらも文章全体の内容把握が重要ですが、文学的文章では登場人物の心情や情景の把握、説明的文章では筆者の意見や考えを要約するような問題が多いです。ほとんどが本文の内容を踏まえて解ける問題となっているので、素早く読みつつきちんと内容を把握するトレーニングを積んでおきましょう。

大問2「漢字・文法」問題を確実に解く

大問2の出題傾向として、漢字や文法事項が主流でしたが、会議・討論会の中で話し方や言葉遣い、文脈を掴んでの空欄補充などの問題が近年は多いです。日常的に使用している言葉を、場面に応じて適切に使用できるかを求められる問題となっているので、普段から正しい言葉遣いを意識しておけると対応可能です。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 26 26 25
記号解答 11 9 12
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 15 17 13

理科

2024年度/令和6年度

出題傾向

ここ数年の大問数・小問数ともに変化はあまりなく、大問1は小問集合で地学、生物、化学、物理それぞれの分野から出題されます。大問2~5に関しても、大問1同様、それぞれの分野に関連した問題が出題されていて、実験やレポートを題材にしたものが多く、知識だけでなく読解力や考察する力も求められます。各単元の基本的な用語を抑えておかないと苦労するような問題もあるので、分野別、単元別のトレーニングを積み、きちんと問題に向き合えるだけの下地を作っておきましょう。

対策のポイント

まずは広く浅く、各単元の基本用語を学ぶ

大問1の小問集合以外の問題は、理科の各分野における実験やレポート問題となるので、それぞれの単元別に基本的な用語を1問1答などでしっかりとおさえておきましょう。直接点数に繋がる問題は多くありませんが、非常に重要です。

実験やレポートの問題に慣れておく

実験やレポートに基づいた問題が多く、必然、問題文も長くなります。読解力や集中力、考える力は一朝一夕で養えるものではないので、事前に公立入試や北辰テストの過去問を用いて慣れておくと良いでしょう。いろいろな出題パターンに対応できるようになります。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 29 28 28
記号解答 15 24 14
短文記述 5 5 6
計算問題 2 2 2
図・グラフ、モデル 3 2 2
語句記述

社会

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問、小問数にあまり変化はないが、記号や用語問題、記述問題の数には多少のバラつきがあるので、どんな問題にも柔軟に対応できる力が求められます。地理分野で出題させる地域や特色、歴史分野で出題される事柄などは毎年変化がみられるため、それぞれの結びつきを意識しながら満遍なく知識を蓄えていくことが何よりも重要です。時事問題の出題傾向も高まっているので、最近の話題やニュースで取り上げられている内容にも注目しておきましょう。

対策のポイント

資料を読みとる問題への対応

例年、資料から読み取れること・考えられることを記述させる問題が出題されているため、資料の読み取り対策と記述対策の両方が必要です。資料を読みとる問題をたくさん解いて慣れることが重要であるとともに、資料が表している内容を把握する力、把握した内容をもとに適切な解答をする記述力を合わせて強化していきましょう。

歴史の時代関係の流れを掴む

例年,歴史で主な出来事の並べかえ問題が出題されています。重要な出来事はもちろん、よく耳にする出来事を年表などを用いて流れを掴んでおきましょう。1つの時代区切りだけではなく政治制度や、文化、経済などをその時代背景とともに掴んでおくと覚えやすいです。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 6 6 6
小問数 31 30 30
記号解答 19 18 21
用語記述 14 9 5
文章記述 5 6 7
作業・作図 0 0 0