学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

群馬県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問数は7問、小問数は29問。問題数および内容におおむね変化はありません。大問1・2の『放送を聞いて答える問題』は、選択問題が8問・空欄補充問題が1問で、こちらも例年通りでした。そのほか『対話文の記述問題・空欄補充問題・対話文の読解問題・長文問題・前提を与えられた条件英作文の問題』と出題されました。昨年度入試と比べて、平均点は10点ほど上がりました。全体的に難易度が下がったためと思われます。出題の意図は『実際のコミュニケーションの場面や状況に近い設定』とされているため、万全の対策をしましょう。

対策のポイント

『大問1・2・5』の得点の取りこぼしに注意

大問1・2は『放送を聞いて答える問題』で、大問1の解答形式はすべて選択式です。大問2は6問中5問が選択問題、1問が記述問題です。大問5の対話文問題は、記号で解答する問題が5問です。この大問3問で全体の約5割を得点する受験生が多く、失点は大きな痛手となります。演習を重ねて基礎的な得点源にしましょう。

『条件英作文』の対策をしっかりと行うこと

2025年の英作文問題は、イラストを読み取り『5~15語・20~30語』で答える問題が出題されました。英作文の得点の差が総合点の差になります。対策としては、教科書レベルの単語を早い時期に完成させる。次に基本例文を定着させること。そのうえで『文法用法を正しく使い、文を完成する力を身につける』ことです。

過去4年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去4年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 7 8 8 7
小問数 29 32 30 29
リスニング 9 9 9 9
英作文 1 1 2 2

数学

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問数は昨年同様の5問、小問数は29問でした。学年別出題割合は『1・2年内容は少なく、3年内容が中心』しました。分野別出題割合は『図形問題が約半分』を占めています。とはいえ『各分野をバランスよく定着』させておくことは必要です。全体平均点は『昨年比で2.8点上昇』しました。要因としては『大問1の易化と大問3と4が比較的取りやすかった』と考えられます。図形問題は最後の1題が超難問でした。まずは『小問集合問題・基本問題の失点がないよう』日頃からの演習が欠かせません。

対策のポイント

『計算技能のアップ』と『時間配分』

例年、大問1の計算問題は『10問程度』出題されます。得点を上げるには『計算問題で失点しないこと』が大切です。そのためには『反復演習』と『時間を計って解く習慣』が欠かせません。入試は『時間との戦い』でもあります。どの問題にどれだけ時間をかけるかの『時間配分』も確実に点を取るための重要な点です。

『対話文・説明文形式からの問題』に慣れておくこと

問題文を読み取り、理由や考え方を説明する『読解力・表現力』をみる問題が出題されます。大問3は昨年同様『大学入試共通テスト』に似た問題形式でした。図形の証明以外でも『理由の説明等が問われる』『異なる方針を選び、途中過程を記述する』問題も出題されました。問題の本質を理解して表現する力も身に着けましょう。

過去4年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去4年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 6 6 5 5
小問数 26 29 23 29
記述問題 図形の証明(説明) 1 1 1 1
その他の説明・証明など 1 0 1 1
立式・解法の過程の記述 0 0 1 1
作図(図形) 1 1 1 1
作図(グラフ) 0 0 0 0

国語

2026年度/令和8年度

出題傾向

2025年度の平均点は前年度とほぼ変わらず。特異な問題の類も見られず、『きちんと問題を読めた人が得点できる』問題でした。大問1の作文問題は、『文章内容をふまえて書く形式』で、『確実な読解が必要』な問題でした。大問3は『古文+会話文』で、例年同様の形式で、大問4は『資料+スピーチ読み取り』の問題でした。これらの形式に慣れておく必要があります。

対策のポイント

『文章比較型』の出題形式に慣れること

大問1は昨年と同様『文章比較型』の形式での出題でした。最初の大問ながら『配点・分量比重』が大きく『(四)では【すべて】選ぶ問題』があり『(五)では両方の文章内容を踏まえた上での【150字から180字の作文】』で、受験生にとって負担の大きい形式でした。この形式は続くと思われます。演習を重ねましょう。

『対話文・資料・スピーチ』の読み取りを正確に

近年は『対話文・資料・スピーチ』の読み取りから『古文・作文・記述問題』へとつながる問題が出題されています。内容を理解し、的確に解答できるように問題演習で慣れておきましょう。また作文問題は『限られた時間(10分程度)で内容や構成のしっかりしたもの』を書き上げられるような演習も必要です。

過去4年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去4年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 6 6 5 5
小問数 31 30 28 30
記号解答 11 13 13 14
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 20 17 15 16

理科

2026年度/令和8年度

出題傾向

例年通り大問は5問構成でしたが、小問はやや減少しています。『基本的な内容および身近な題材をもとにした観察や実験を重視する』とともに『データや図表を読み取る力や、観察や実験などから得られた結果を分析し、表現する力』が問われました。また『得られた結果を比較したり、関連づけたりするなどして、科学的に探究する力を問うことができる』ような出題でした。大問1で4分野(物理・化学・生物・地学)の小問、大問2~5に4分野からそれぞれ出題されています。それぞれの分野のポイントをバランスよく押さえておきましょう。

対策のポイント

『論述問題・会話文からの問題』の対策と克服

50題弱の問題出題の中に今年度は『論述問題は4題程度』出題されています。配点比率は全体の1割以上を占めていると思われます。日頃から『簡単にまとめて説明できる力』をつけておきましょう。また『会話文からの問題も6問』出題されました。それぞれの単元で『現象を観察し、考える』習慣をつけておきましょう。

『計算・データ分析・作図』の対策と克服

『計算や数値を求める』問題数は7問でした。作図問題は『分子モデル』『力の向きと大きさ』でした。大問3には『乾湿計の値を読み取り、湿度を求める』問題、大問5には『記録テープを読み取り、平均の速さを求める』『速さと時間のグラフの適切なものを選ぶ』問題が出されています。問題演習を重ねておく必要があります。

過去4年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去4年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 5 5 5 5
小問数 47 45 43 41
記号解答 24 23 17 16
短文記述 19 17 22 16
計算問題 4 4 3 7
図・グラフ、モデル 0 1 1 2
語句記述

社会

2026年度/令和8年度

出題傾向

出題数は例年通り、大問数は7で『融合問題が1題、各分野からそれぞれ2題ずつ』出題され、設問数は36問で『地理・歴史・公民から12問ずつ』の出題でした。解答形式はおおむね『記号選択式・記述式・論述式の3形式構成』で、ほぼ変化はありません。今年度は応用問題が少なく、標準問題が多かったため、平均点は6点ほど上昇しました。公民は『学校での授業時間数は地理・歴史に比べて授業時間が少ないわりに、配点はほぼ同等』であるため『公民を早めに仕上げておくこと』が、社会で高得点を取るためのひとつのポイントといえます。

対策のポイント

レポート文からの『融合問題』に慣れておこう

例年、レポート文からの『地理・歴史・公民の融合問題』が出題されています。今年度は『北海道・ヨーロッパ州・文化財からわかる人々の暮らし・近代以降の歴史・私が働く上で大切にしたいこと・司法と立法』からの出題でした。『世界遺産・歴史・観光・農業・災害・持続可能な社会』などの幅広い知識を身につけましょう。

『地図・写真・イラスト・データ・図表』からの問題攻略

地理・歴史・公民の各分野で『地図・写真・イラスト・グラフ・データ・図表』を活用した問題が出題されます。『記述式・論述式の問題』もおおむね大問ごとに出題され、得点に差がつきます。『教科書や地図帳、資料集をフル活用』してください。理解を深め、解答力を高める学習を心がけてください。

過去4年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去4年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 7 7 7 7
小問数 37 35 35 36
記号解答 24 21 20 26
用語記述 2 5 5 3
文章記述 11 9 10 7
作業・作図 0 0 0 0