学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

群馬県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数は8問から7問へなりましたが、内容的にはあまり変化はありません。大問1・2のリスニング問題は、選択問題が8問・空欄補充問題が1問でした。そのほか『対話文の自由記述問題・中文の空欄補充問題・対話文の読解問題・長文問題・前提を与えられた条件英作文の問題』と出題されました。昨年度入試と比べて、平均点は13点ほど下がりました。長文問題ではまとめの問題が記述となり、英作文が2問出題されたのも原因と考えられます。

対策のポイント

『対話文と長文』を読み取れる力をつけること

大問5の対話文問題は、記号で解答する問題が5問でした。文章全体の8割が中2までの文法単元であるため、基本が身についている人にとっては把握しやすいものでした。大問6の長文問題は約500語で、例年並みの語数でした。全体を把握し『主人公が何をして・何を知り・何に気づいたのか』を読みこなせることが必要です。

『条件英作文』の対策をしっかりと行うこと

2024年の英作文問題は、グラフを読み取って『10~15語・20~30語』で答える問題が出題されました。データを説明するために『比較の表現』を使いこなす力も必要でした。語彙力を高めることは何より大切ですが、その上で文法を正しく身につけておくことも、解答力を上げるには必要です。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 7 8 8
小問数 29 32 30
リスニング 9 9 9
英作文 1 1 2

数学

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数は5問・小問数23問で、昨年比で『大問数は1つ減り、小問数も減少』しました。学年別出題割合は『1・2年内容が減少し、3年内容が増加』しました。分野別出題割合は、昨年比で『関数が大幅に減少し、図形分野が増加』しました。とはいえ『各分野をバランスよく定着』させておくことは必要です。全体平均点は昨年比で6点ほど減少しました。要因としては大問3と5の『図形問題が例年になく難易度が高かった』ことの影響と考えられます。まずは『小問集合問題・基本問題の失点がないよう』日頃からの演習が欠かせません。

対策のポイント

『計算技能のアップ』と『時間配分』

例年、大問1の計算問題は『11問から12問』出題されます。得点を上げるには『計算問題で失点しないこと』が大切です。そのためには『反復演習』と『時間を計って解く習慣』が欠かせません。入試では『時間との戦い』でもあります。どの問題にどれだけ時間をかけるかの『時間配分』も確実に点を取るための重要な点です。

『対話文・説明文形式からの問題』に慣れておくこと

問題文をよく読み取って、理由や考え方を説明する『読解力・表現力』をみる問題が出題されます。特に大問3は『大学入試共通テスト』をまねた問題形式で、全体正答率は35%と、低いものでした。図形の証明以外でも『理由の説明等を問われる』ため、本質的なことを理解し、それを表現する力も身に着けておきましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 6 6 5
小問数 26 29 23
記述問題 図形の証明(説明) 1 1 1
その他の説明・証明など 1 0 1
立式・解法の過程の記述 0 0 1
作図(図形) 1 1 1
作図(グラフ) 0 0 0

国語

2024年度/令和6年度

出題傾向

例年度に比べて『大問数・小問数ともに減少』しています。大問1は論理的文章で、市橋伯一『増える者たちの進化生物学』と更科功『若い読者に贈る生物学講義』から出題。大問2は文学的文章で、辻村深月『この夏の星を見る』大問3は対話文+古文で『大和物語』大問4は『対話文+資料読み取り+作文』大問5は『漢字の読み書き+返り点』の出題でした。

対策のポイント

『論理的文章・文学的文章』ともに記述問題が出題される

大問1では群馬県で初めて『文章比較型』の形式で出題されました。そして配点・分量比重が大きく、時間配分も均等とはいかないため、受験生には戸惑いもあったと思います。問2の(三)では『すべて』選ぶ問題があり、丁寧な読みをできているかが問われました。いろいろなタイプの問題の演習で得点を上げていきましょう。

『対話文や資料読み取り』から設問へつながる問題に注意

近年は『対話文や資料読み取り』から『古文・作文・記述問題』へとつながる問題が出題されています。内容を理解し、的確に解答できるように過去問演習で慣れておきましょう。また作文問題は『限られた時間(10分程度)で内容や構成のしっかりしたもの』を書き上げられるよう、こちらも演習が必要です。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 6 6 5
小問数 31 30 28
記号解答 11 13 13
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 20 17 15

理科

2024年度/令和6年度

出題傾向

例年通り大問は5問構成でしたが、小問はやや減少しています。『基本的な内容および身近な題材をもとにした観察や実験を重視する』とともに、『データや図表を読み取る力や、観察や実験などから得られた結果を分析し、表現する力』を問われました。また『得られた結果を比較したり、関連づけたりするなどして、科学的に探究する力』を問うことができるような出題でした。大問1で4分野(物理・化学・生物・地学)の小問、大問2~5に4分野からそれぞれ1つずつ振り分けられています。全体平均点は昨年度より2点ほど高かったです。

対策のポイント

『論述問題』の対策と克服

50題弱の問題出題の中に今年度は『論述問題は6題程度』と出題されています。配点比率を推測すると全体の2割程度を占めていると思われます。日頃から『簡単にまとめて説明できる力』をつけておき、それを実践する演習を繰り返しておくことを心がけましょう。

『計算・データ分析・作図』の対策と克服

大問3では図や表から考えて『地層のでき方・地面の沈降』を算出し、今後を予想させる問題がありました。大問5では凸レンズからの出題で、作図する力が問われました。さらに『会話文から考察する』形式の問題も出題されています。こちらも演習を繰り返し行い、克服しましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 47 45 43
記号解答 24 23 17
短文記述 19 17 22
計算問題 4 4 3
図・グラフ、モデル 0 1 1
語句記述

社会

2024年度/令和6年度

出題傾向

出題数は例年通り、大問数は7で『融合問題が1題、各分野からそれぞれ2題ずつ』出題され、設問数は35問で『地理13問、歴史と公民が11問ずつ』の出題でした。解答形式は『記号選択式・記述式・論述式の3形式構成』で大きな変化はなく、また全体平均点も、ほぼ例年通りでした。学校での授業時間数は地理・歴史に比べて『公民の時間が少ないわりに、配点は同等』であるため『公民の自主学習時間をいかに確保して決着しておくか』が、社会で高得点を取るためのひとつのポイントといえます。

対策のポイント

レポート文からの『融合問題』に慣れておこう

例年、レポート文からの『地理・歴史・公民の融合問題』が出題されています。2024年は『沖縄県』2023年は『滋賀県』2022年は『長崎県』からの出題でした。『世界遺産・歴史・観光・農業・災害・持続可能な社会』などの幅広い知識が必要です。日頃から新聞・ニュース等の社会情勢に関心を持っていてください。

『地図・写真・イラスト・データ・図表』からの問題攻略

地理・歴史・公民の各分野で『地図・写真・イラスト・グラフ・・データ・図表』を活用した問題が出題されます。『記述式・論述式の問題』も大問ごとに出題され、得点に差がつきます。『教科書や地図帳、資料集をフル活用』してください。理解を深め、解答力を高める学習を心がけてください。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 7 7 7
小問数 37 35 35
記号解答 24 21 20
用語記述 2 5 5
文章記述 11 9 10
作業・作図 0 0 0