学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

北海道

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数は例年通り4問。リスニング・小問集合・英文読解・英作文で構成され小問数は35題でした。リスニング問題の比重が全体の35%と高く、新たに記述問題が取り入れられ難度も上昇しています。内容把握に関する出題を中心に図表やイラストを使った思考力を問う問題や、対話文重視の傾向が強く、毎年1題は対話文の出題が見られます。図や表を用いた問題も全国的に出題される傾向となっているため今後も出題される可能性が高いです。また近年は自由英作文や和文英訳など、表現力を問う問題が全体の3分の1近くを占めています。

対策のポイント

リスニング対策を万全に!

リスニングは100点満点中の35点と高配点です。リスニング力は実際の英語を聞き取る練習をして初めて身につくものですから、日頃からリスニング教材での練習を習慣にしておきましょう。またイラストや選択肢から問いの内容を推測し、ポイントを絞って聞き取れるようにしましょう。

英作文問題の練習を増やそう!

短文でよいので、基本表現を正確に書けるようにしておきましょう。できるだけシンプルな表現を用いることが大切です。特に最後の英作文は配点が高く加点方式なため、あきらめずに一文だけでも書けるようにしましょう。制限時間内で書けるよう、目標時間を決めて「早く正確に」書く練習を心掛けましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 34 34 35
リスニング 12 13 13
英作文 6 7 7

数学

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問数は5問、小問数22問でほぼ例年どおりでした。 大問1は計算・小問集合、大問2は規則性、大問3は関数、大問4は証明を含む平面図形、大問5は応用問題でした。 中学1~3年の分野が漏れなく出題されており、途中の計算を書かせる問題や証明問題などには中間点が設定されており、過程や考え方を重視した出題です。また読解や記述の分量も年々増加傾向にあり、資料や文章を読み解く力や、自分の考えを数学の言葉で説明する力も求められています。

対策のポイント

基本問題を確実に得点する!

「出来る問題を確実に得点する」ことが重要です。中1~2の内容で取りこぼさぬよう、数と式、一次関数、作図、図形、データの活用など過去の学習内容を定期的に振り返り弱点を無くしておきましょう。大問1の小問集合は確実に得点できるようにし、その後は分野ごとの大問の出題パターンに慣れていきましょう。

分野ごとの出題パターンに慣れよう!

入試問題は基本的な要素の組み合わせですが、問題の読み方や解き方に慣れが必要です。バランスよく復習して出題パターンに慣れておきましょう。各大問の最終問と最後の応用問題は難問となる場合が多いので、つまずいたらいったんその問いは飛ばして後回しににするなど、時間配分にも気を付けましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 21 22 22
記述問題 図形の証明(説明) 3 1 2
その他の説明・証明など 0 1 1
立式・解法の過程の記述 1 2 1
作図(図形) 1 1 1
作図(グラフ) 0 1 0

国語

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問1:漢字の読み書き、小問集合、対話文   大問2:小説 青山文平「本売る日々」 大問3:古文・解説文 「蒙求」 大問4:資料の読み取り・表現 例年同様の4大問構成でしたが、2024年度は論説・説明文の出題が無く、資料からの読み取りに関する出題がありました。ここ3年は与えられたテーマに対する生徒の発表や話し合いに関する出題があり、また記述式問題も6題(41点)と配点割合が高くなっています。内容を読み取るだけでなく、記述する力が入試では必要となります。

対策のポイント

記述力を身につける!

後回しにして時間切れになってしまうのが記述問題。しかし本文中の表現を使ってまとめれば得点できるものがほとんどです。悩んだら設問に戻り「何を聞かれているか」「何を答えればよいか」を明らかにして書く練習を繰り返しましょう。解答に使える表現を本文中から見つけ、読んで意味が分かるようにまとめてみましょう。

長文は先に設問を読んでおく!

時間配分が重要なのが長文問題の特徴です。先に設問を読んでおくことで、何を聞かれているか、どのような観点で本文を読めばよいかが分かり、主題を把握しやすくなります。また読む時も登場人物や言い換えやキーワードに( )や〇をつけるなど、本文中に書き込みながら読むようにしましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 27 30 26
記号解答 7 8 10
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 20 22 16

理科

2024年度/令和6年度

出題傾向

例年通り大問5問構成になっています。大問1は各分野の小問集合として出題され、大問2~5で生物、化学、地学、物理の各分野から1題ずつ出題されました。配点も各分野18点で均等になっています。設問内容は、実験や観察に関する記述問題が9題出題され、作図問題は昨年の3問から5問に増えています。配点も記述と作図で45点分と大変大きな割合を占めています。近年は科学的な思考力や表現力を問う問題が増え、以前と比べて高得点を取ることが難しくなってきています。

対策のポイント

実験や観察の基本事項を理解しよう!

小問集合以外の大問は実験や観察からの出題で、図や表の読み取りが重視される内容です。実験・観察の文や問題文には、答えを導くのに必要な情報が必ず書かれています。再度教科書を使ってノートに整理し直してみましょう。その際には教科書に出てくる図やグラフを改めて書き、作図やグラフを書く練習もしておきましょう。

答えとなる「キーワード」を探そう!

文章記述は10問程度出題されます。「説明しなさい」「理由を書きなさい」という出題が中心で、答えとなるキーワードがきちんと書いてあれば得点できます。実験・観察内容の理解とともに、問いに対して適切な解答を書く表現力が必要です。普段から教科書や問題集の解答のまねをして、的確な表現を心がけるようにしましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 32 32 32
記号解答 5 4 1
短文記述 6 10 8
計算問題 4 6 4
図・グラフ、モデル 3 3 5
語句記述

社会

2024年度/令和6年度

出題傾向

昨年度同様に大問4問で、1問は3分野の小問集合、残りは地理1問、歴史1問、公民1問でした。特徴的なのは文章記述の問題が9問と昨年より1問増え、配点も28点→35点と増え、大きな割合を占めていることです。地図・統計・グラフ・写真などの資料に基づく問題や、分野を問わず時事的な問題の出題がよく見られます。また近年は完全解答の比重が高くなってきており、歴史に関係の深い場所とその位置を地図中から選ばせる問題など「基本事項と資料を結びつけた学習」が必要になってきています。

対策のポイント

時事問題が増加傾向、北方領土問題は必須!

日頃からニュースに注意し、今年起きた出来事などを整理しておきましょう。特に北海道・北方領土に関することは毎年出題されています。島々の名称や位置は確実に押さえましょう。また今年は新紙幣に関する問題が公民と歴史の融合問題で予想されます。それぞれの人物に関して基本事項を確認しておきましょう。

記述問題は過去問・模試の復習で対策を!

指定された語句を使って事項を説明する問題や、与えられた資料からわかることを考えさせて記述させる問題が増えてきています。過去問などを利用して資料を利用した問題に慣れ、「与えられた条件」に沿った解答を作成する練習を重ねましょう。解答例を書き出して覚えてしまうのも一つの方法です。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 33 33 33
記号解答 14 10 10
用語記述 12 16 13
文章記述 5 8 9
作業・作図 0 0 0