学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

和歌山県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2024年度/令和6年度

出題傾向

「読む・書く・聞く」の3分野において、基礎知識の運用力が試されています。難問は出題されませんが、英文を「正確に読み・正確に書く」ことが要求されています。 大問構成は定着しており、第1問がリスニング、第2問が長文総合、第3問が対話形式による長文総合、第4問が条件英作文、第5問が長文総合です。 ※2024年度配点 形式別 ⇒ 記号65点 英文記述27点 和文記述8点 内容別 ⇒ 長文総合65点 リスニング25点 条件英作文10点

対策のポイント

長文読解が大問5問中3問も出る!

文中の空欄にふさわしい英語を書く問題、指示語の内容を日本語で書く問題が例年出題されています。指示語の内容を日本語で書く問題は、対話文から必要な情報を探し出すだけでなく、文の要素を把握する力が不可欠です。また、英問英答も例年出題されています。様々なパターンの英問に慣れておくとよいでしょう。

条件英作文は必ず出題される!

条件英作文(配点10点)は必ず出題されるとみて問題ないでしょう。長文読解で時間がとられる分、問題を把握してから書き終えるまで5分から10分で仕上げられるよう、日ごろの鍛錬が必要です。重要例文の暗記・対策問題演習・添削指導等を通じ、簡潔でミスのない正確な英文が書けるように練習しましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 30 31 31
リスニング 1 1 1
英作文 1 1 1

数学

2024年度/令和6年度

出題傾向

2024年度の数学は、標準的で着手しやすい問題が増えました。しかし、計算力や問題を正確に読み取る力、多様な出題パターンに対応できる知識と経験、さらに論理的に説明する表現力が必要であることに変わりはありません。普段から教科書や定期テストのレベルを超えた問題にも取り組んでおきましょう。 問題の構成は、大問1「計算・小問」、大問2「小問・文章題」、大問3「関数」、大問4「図形」となっています。 ※ 解答形式別配点 解答のみの問題⇒81点/100点 記述式問題⇒19点/100点

対策のポイント

「規則性の問題」 が出る!

「規則性」の問題は入試では標準的ですが、学校ではあまり扱われません。対策としては、①多くの規則性の問題に取り組む(公立高校入試問題集など)、②すぐに計算せず「数える・書き出す」基本作業を徹底する、③途中の処理を必ず示す(書く・説明する)学習姿勢が重要です。

「図形の応用問題」 が出る!

「図形の応用問題」では、中3の2学期から3学期にかけて学習する「相似」「円の性質」「三平方の定理」が出題されます。証明もよく出題されていますので、演習量をできるだけ確保し「説明する」ことにも慣れておきましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 29 26 26
記述問題 図形の証明(説明) 1 1 1
その他の説明・証明など 1 1 1
立式・解法の過程の記述 1 1 1
作図(図形) 0 0 0
作図(グラフ) 0 0 0

国語

2024年度/令和6年度

出題傾向

出題構成は「語彙文法・漢詩」「論理的文章の読解」「小説の読解」「課題作文」でした。今年は漢詩が出題され、設問内容は抜き出し、記号選択、記述形式がバランスよく配置されていました。課題作文は前年度と異なり、与えられた写真の情景説明や写真から感じたことを理由とともに記述する形式です。50分の制限時間内で時間配分に注意し、抜き出し問題や記号選択問題を確実に得点しつつ、記述問題も白紙にしないことが高得点のポイントです。

対策のポイント

得点の約4割を占める記述式問題が出る!

論理的文章では、指示語や接続語、段落の関係を意識し、筆者の主張を的確に捉えることが重要です。文学的文章では、登場人物の心情や情景描写に注意して読みましょう。心情説明や理由説明などのパターンを理解し、本文のポイントをマーキングしながら読む習慣をつけることが大切です。

「自身の周りと関連したことを問われる問題」が出る!

限られた時間・字数で作文を書くためには、普段からの練習が不可欠です。文章の要約や資料の比較・活用を練習し、自分の体験や具体例を交えて200字程度で簡潔にまとめる訓練をしましょう。近年は周囲と関連した内容が多く出題されています。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 28 28 25
記号解答 9 11 8
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 19 17 17

理科

2024年度/令和6年度

出題傾向

大問は例年通り、小問集合1題と生物・地学・化学・物理から各1題の計5題でした。実験や観察に関する記述・計算・作図問題も含まれ、得点割合は記号約30%、記述約60%、計算約10%です。近年では、教科書の太字でない語句も出題されることがあり、細かい部分まで確認が必要です。また、環境やエネルギーに関する時事問題と関連付けた出題もあるため、幅広い知識が求められます。各分野からバランスよく出題されるため、苦手分野を作らず、基礎的な原理や仕組みを理解し、論理的に解答することが重要です。

対策のポイント

「生物 対照実験」が出やすい!

特に、身近にあるものを使った実験がよく出題されています。図や名称とその働きをしっかりと覚えておくことはもちろん、どのような特性があるのかまで理解しておきましょう。加えて、自然環境の保全や生物多様性の保護等が問題のリード文に入る場合が多いです。教科書のコラムなども目を通しておきましょう。

「物理 作図や計算問題」 が出やすい!

どちらも最初の状態から条件を変えて得られた結果について問われるケースが多いです。条件が変わるごとに、図や表を書き直すなどの丁寧さが必要ですので、問題集やワーク等でくり返し練習し、対応力を身につけましょう。原理や解き方の基礎をしっかり理解することで、差のつく応用問題にも対応できるようになります。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 41 37 37
記号解答 14 13 9
短文記述 23 18 24
計算問題 3 4 3
図・グラフ、モデル 1 2 1
語句記述

社会

2024年度/令和6年度

出題傾向

今年も例年通り「地理分野」・「歴史分野」・「公民分野」からほぼ均等に出題される入試となりました。出題内容も変わらず「教科書の基本知識とその応用力」が問われる問題となっています。 ※2024年度配点 分野別⇒地理33点(12問)・歴史34点(14問)・公民33点(12問) 形式別⇒記号41点(16問)・語句記述36点(14問)・記述21点(7問)・並び替え2点(1問) 100点満点 総問題数38問 試験時間50分

対策のポイント

苦手な人が多い「資料を読みとる問題」が出る!

資料問題では、データを正しく読み取り簡潔に説明させる問題だけでなく、データと知識項目を照らし合わせる推理力を求める問題も出題されます。図表などから読み取れることは何か、なぜそうなるのかを、知識をもとに推理する習慣をつけましょう。知識を断片にせず、複数の知識を関連付けて覚えるようにしましょう。

「公民分野」が配点の3分の1を占める!

公民分野は中3の夏前後に始まり、復習が不十分なまま受験を迎えやすい科目です。教科書に載っている事柄は全て出題される可能性があるため、早めに一読しておきましょう。また、秋冬に公民に時間を割けるよう、地理歴史の復習を早めに終わらせることを目指しましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 6 6 6
小問数 38 38 38
記号解答 16 14 16
用語記述 13 16 14
文章記述 7 7 7
作業・作図 0 0 0