学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

新潟県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2024年度/令和6年度

出題傾向

〔一〕リスニング〔二〕資料活用問題 〔三〕対話文読解 〔四〕長文読解 英語の入試問題は例年大問4問で構成されています。他の都道府県と比較した際、新潟県の入試問題の特徴としては主に以下の4点があげられます。 ①リスニングの配点が高い ②対話文読解、長文読解の語数が多い ③記述問題が多い ④長めの英作文が要求される 50分という時間で大量の英語を「聞く」「読む」「書く」ことを必要とし、実際に英語を使用することを念頭に置いた入試問題となっています。

対策のポイント

リスニングの対策を万全に!

英語学習を進めていく際に、英語の音声に慣れることに重点を置いて学習しよう。音声教材を使って、繰り返し「聞く」だけでなく、英文を見ながら英語の音声に合わせて音読するパラレル・リーディングや英語の音声だけを頼りに音読するシャドーイングなど音読学習を必ず加えてリスニング力を高めよう。

記述問題の配点も高い!

2024年は記述問題だけで47点分出題されました。記述問題は配点も高いので、ちょっとしたスペルミスや文法ミスによる減点の積み重ねが合否に影響します。日頃の英語学習の際に、英文をノートに正しく書く習慣をつけておくことも大切です。英作文に対応するためには単語と文法の力が必須です。まずは文法の知識を定着させ、知っている文法を活用して英文を作る練習をしていこう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 30 30 31
リスニング 10 10 10
英作文 1 2 2

数学

2024年度/令和6年度

出題傾向

〔一〕小問集合 〔二〕小問集合(求め方必要) 〔三〕平面図形 〔四〕関数の複合問題 〔五〕立体図形 大問構成は5問。この大問構成は令和3年度の入試形式から変化していません。毎年大問3以降は関数・平面図形・立体図形・規則性の単元から出題されています。特に、関数の問題は「図形の移動・点の移動・水量・速さ」の単元、立体図形の問題は空間内の線分の長さや面積・体積を問う問題、これらを中心に出題されています。4年連続でこれらの単元から出題されています。新潟県は全国で最も<求め方>を問われる問題数が多い県です。<求め方>の問題は、過程を書いていく必要があるため、必然的にその問題にかかる時間は増えます。時間配分を常に意識することが、新潟県の数学の入試では必須です。

対策のポイント

「求め方」を意識した解答づくりを!

新潟県は全国で最も「求め方」を問われる問題数が多い県です。日常的に「求め方」を意識して問題演習を行いましょう。①問題文を正確に読み解く。②解答の全体像をとらえる。③日本語を用いて解答を作成する。まずはこの3点を意識しながら、繰り返し問題演習に取り組みましょう。

時間配分を意識して問題を解こう!

「求め方」の出題数が多いため新潟県の数学の入試問題は時間との勝負になります。試験時間の中で「解ける問題を正確に速く解く」ことが重要です。問題集や過去問などに取り組む時は、まず問題全体を見てどの問題から解くのか、この問題にどれくらい時間を割くのかを意識しながら、時間を計って解くようにしましょう。日常的に時間への意識を持ちながら問題演習を行い、判断力と短時間で正確に解く力を身に付けましょう。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 5 5 5
小問数 24 24 23
記述問題 図形の証明(説明) 2 1 1
その他の説明・証明など 1
立式・解法の過程の記述 5 5 6
作図(図形) 1 1 1
作図(グラフ) 1 1

国語

2024年度/令和6年度

出題傾向

〔一〕漢字の読み書き(各「訓」2 問/「熟語」3 問) 〔二〕国語知識/国文法 〔三〕古文読解 〔四〕論説文読解 大問構成からも明確なように国語に関する基礎的・基本的な言語事項の定着、思考力・判断力・表現力を測るため、幅広い分野から出題されており、様々な形式の問題を出題するよう配慮されています。また問題の特徴として特筆すべきは、記述式設問の数と文字数の多さです。漢字をはじめとする国語知識の問題にはなるべく時間をかけず、選択肢・書き抜き・記述といった読解や表現の問題に時間を割くような時間配分が求められます。

対策のポイント

約2500字の説明的文章が出る!

制限時間内に完答するためには、文章を読み取ることと、設問に答えることに大別して自分なりの解答手順を早期に身に付ける必要があります。また読解の速度を上げるためには語彙力を強化することも大切です。意味の分からない表現や語句などはそのままにせずに調べること、漢字の読み書きの練習など、地道な基礎トレーニングを強化することで言語知識も増え、得点力向上につながります。

古文は「融合問題」形式で出題される!

新潟県の古文の問題は古文だけが出題されることはなく、「先生と生徒の会話文」が古文の解説文になっていたり、口語訳されている文章と古文のままの文章を組み合わせていたりと「融合問題」といわれる出題形式になっています。まずは古文読解を優先して練習し、より多くの古文に触れることが大切です。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 4 4 4
小問数 27 27 27
記号解答 11 12 12
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 16 15 15

理科

2024年度/令和6年度

出題傾向

〔一〕小問集合 〔二〕地層の重なりと過去のようす 〔三〕動物の分類〔四〕水の電気分解 〔五〕力とはたらき 〔六〕化学変化と物質の質量 〔七〕電流と電圧 〔八〕天体の動きと地球の自転・公転 例年通り大問8問構成。令和6年度は、物理、化学、地学分野から2問、生物分野から1問、そしていろいろな分野の問題がまじった小問集合が 1 問出題されました。毎年、中1のはじめから中 3の最後に学習する内容まで幅広く出題されています。ここ数年、対話文形式の問題や、学習指導要領の改訂により加わった「ダニエル電池」、学習する内容が変化した「動植物の分類」や「浮力」からの出題も見られました。学習指導要領の変更に絡んだ単元の出題は、全国的にも頻出なので、次年度以降も同様の傾向は続くとみられます。

対策のポイント

「計算問題」は毎年出題される!

「電流と電圧」、「天体」のほか、「質量保存の法則」を使った計算問題は頻出です。毎年10問程度出題される計算問題は極端に難しい問題は出題されず、基本的な問題が多いので、まずは問題集にあるような各単元の代表的な計算問題を繰り返し練習しておこう。

「実験」に関する出題が多い!

実験の結果だけでなく、実験方法について問われる問題も増え、基本的な原理がきちんと理解できているかを問う出題が増えています。単に教科書に書かれている内容を覚えるだけでなく、なぜそのような現象が起こるのか、実験結果からどのような結論を導き出せるのかを考えることも重要です。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 8 8 8
小問数 41 43 42
記号解答 20 22 19
短文記述 3 4 3
計算問題 12 8 9
図・グラフ、モデル 1 1 1
語句記述

社会

2024年度/令和6年度

出題傾向

〔一〕世界地理 〔二〕日本地理 〔三〕古代~近世史 〔四〕近現代史 〔五〕公民 〔六〕資料の読み取り 大問構成は例年6問。令和6年度は、地理分野から2問、歴史分野から2問、公民分野から1問、そして表の読み取り問題が1問出題されました。例年、中1から中3の内容まで幅広く出題されています。地理は「表の読み取り」問題が毎年出題されています。歴史は例年正答率が最も低い分野で、近年は出来事の因果関係を答える問題など比較的難度の高い問題が出題される傾向にあります。公民は令和3年度からは大問1問構成となりました。他の大問に比べ問題数は多めですが、それでも大問1問となったことで、出題個所の絞り込みが難しくなっています。

対策のポイント

苦手な人が多い「資料を読みとる問題」が出る!

地理においては「表の読み取り」問題が毎年出題されており、公民においては「流通の多様化」「契約」「温暖化」「米の消費」など近年の社会問題について複数の資料から複合的な視点を問われる内容となっています。まずは教科書本文周辺の地図やグラフ、写真・絵などの資料を細かく見ておくことが重要です。

「歴史の時代関係の問題」が出る!

歴史はまんべんなく出題されるので範囲を絞ることは難しいです。教科書の太字の用語は暗記することはもちろん、その背景や因果関係をセットにして覚えることが重要です。歴史は出来事の1つ1つが単独で存在しているのではなく、それぞれが因果関係で互いに結びついている場合が多いです。それを理解していくことで出来事の並び替え問題や記述問題にも対応できるようになります。

過去3年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去3年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年
大問数 6 6 6
小問数 40 39 36
記号解答 22 25 21
用語記述 7 7 7
文章記述 5 7 7
作業・作図 1 1