学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

新潟県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2026年度/令和8年度

出題傾向

〔一〕リスニング〔二〕資料活用問題 〔三〕対話文読解 〔四〕長文読解 英語の入試問題は例年大問4問で構成されています。他の都道府県と比較した際、新潟県の入試問題の特徴としては主に以下の4点があげられます。 ①リスニングの配点が高い ②対話文読解、長文読解の語数が多い ③記述問題が多い ④長めの英作文が要求される 50分という時間で大量の英語を「聞く」「読む」「書く」ことを必要とし、実際に英語を使用することを念頭に置いた入試問題となっています。

対策のポイント

リスニングの対策を万全に!

英語学習を進めていく際に、英語の音声に慣れることに重点を置いて学習しましょう。音声教材を使って、繰り返し「聞く」だけでなく、英文を見ながら英語の音声に合わせて音読するパラレル・リーディングや英語の音声だけを頼りに音読するシャドーイングなど音読学習を必ず加えてリスニング力を高めましょう。

「情報処理力」と「表現力」を鍛えよう!

大量の英文を読み聞きして、その内容を比較的短時間で理解する「情報処理力」と文脈や与えられたテーマに即した英文を作る「表現力」が必要です。基本的な文法や語彙を習得することはもちろん、それに加えて実際に英語を使用することを想定した学習を通して、総合的に英語力の向上を目指す学習をしていきましょう!

過去4年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去4年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 4 4 4 4
小問数 19 18 19 18
リスニング 10 10 10 10
英作文 1 2 2 2

数学

2026年度/令和8年度

出題傾向

〔一〕小問集合 〔二〕小問集合(求め方必要) 〔三〕立体図形 〔四〕方程式の利用 〔五〕一次関数の利用 大問構成は5問。この大問構成は令和3年度の入試形式から変化していません。大問3以降は関数・平面図形の分野が毎年出題されています。関数は「図形の移動・点の移動・水量・速さ」の問題、立体図形は「空間内の線分の長さや面積・体積」を問う問題を中心に出題されています。これからも出題可能性が高い内容です。新潟県は<求め方>を問われる問題数が多い県です。<求め方>の問題は、過程を書いていく必要があるため、必然的にその問題にかかる時間は増えます。時間配分を常に意識することが、新潟県の数学の入試では必須です。

対策のポイント

「求め方」を意識した解答づくりを!

新潟県は「求め方」を問われる問題が多い県です。日常的に「求め方」を意識して問題演習を行いましょう。①問題文を正確に読み解く。②解答の全体像をとらえる。③日本語を用いて解答を作成する。まずはこの3点を意識しながら、繰り返し問題演習に取り組みましょう。

時間配分を意識して問題を解こう!

「求め方」の出題数が多いため新潟県の数学の入試問題は時間との勝負になります。試験時間の中で「解ける問題を正確に速く解く」ことが重要です。問題集や過去問などに取り組む時は、まず問題全体を見てどの問題から解くのか、この問題にどれくらい時間を割くのかを意識しながら、時間を計って解くようにしましょう。日常的に時間への意識を持ちながら問題演習を行い、判断力と短時間で正確に解く力を身に付けましょう。

過去4年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去4年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 5 5 5 5
小問数 23 22 22 22
記述問題 図形の証明(説明) 2 1 1 1
その他の説明・証明など 1
立式・解法の過程の記述 5 5 6 7
作図(図形) 1 1 1 1
作図(グラフ) 1 1

国語

2026年度/令和8年度

出題傾向

〔一〕漢字の読み書き 〔二〕語彙・文法の知識 〔三〕古文読解 〔四〕現代文(論説)の読解 大問構成からも明確なように国語に関する基礎的・基本的な言語事項の定着、思考力・判断力・表現力を測るため、幅広い分野から出題されており、様々な形式の問題を出題するよう配慮されています。また問題の特徴として特筆すべきは、記述式設問の数と文字数の多さです。漢字をはじめとする国語知識の問題にはなるべく時間をかけず、選択肢・書き抜き・記述といった読解や表現の問題に時間を割くような時間配分が求められます。

対策のポイント

約2500字の説明的文章が出る!

制限時間内に完答するためには、文章を読み取ることと、設問に答えることに大別して自分なりの解答手順を早期に身に付ける必要があります。また読解の速度を上げるためには語彙力を強化することも大切です。意味の分からない表現や語句などはそのままにせずに調べること、漢字の読み書きの練習など、地道な基礎トレーニングを強化することで言語知識も増え、得点力向上につながります。

古文は「融合問題」形式で出題される!

新潟県の古文の問題は古文だけが出題されることはなく、「先生と生徒の会話文」が古文の解説文になっていたり、口語訳されている文章と古文のままの文章を組み合わせていたりと「融合問題」といわれる出題形式になっています。現代語によるヒントと本文(古文)を行き来することを意識して、本文を正確に理解できる練習を繰り返し行いましょう!

過去4年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去4年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 4 4 4 4
小問数 27 27 27 27
記号解答 11 12 12 10
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 16 15 15 17

理科

2026年度/令和8年度

出題傾向

〔一〕ヒトの血液の循環 〔二〕天気 〔三〕イオン〔四〕音 〔五〕被子植物 〔六〕鉄と硫黄の混合物〔七〕天体 〔八〕電流と磁界 例年通り大問8問構成。小問集合はなくなり、物理、化学、生物、地学分野から2問ずつ出題されました。昨年より計算問題、記述問題ともに減少し、その分、用語の確認といあった正確な知識を問われる問題が増えました。また近年あまり出題されていなかった「音」が出題され、令和5年度の「光」、令和6年度の「ばね」に続き、中1物理からの出題が連続しています。しばらく出題が続いていた「作図」の出題はなく、選択問題が多かったが、複数の選択肢を組み合わせて解答しなければならない答えにくい問題も出題されました。

対策のポイント

単元ごとの知識の整理を!

中1のはじめから中3の最後に学習する範囲まで各分野からバランスよく出題されています。実験や観察に関しては教科書の内容がそのまま出題されることもよくあるので、実験や観察の内容とその結果についてしっかり説明できるように整理しておきましょう。教科書に書かれている内容を覚えるだけでなく、なぜそのような現象が起こるのか、実験結果からどのような結論を導きだせるのかを考えることも大切です。

計算問題は繰り返し練習しよう!

差が付く計算問題は今年は出題数が少なくなりましたが、例年であれば10問程度出題されます。極端に難しい問題はあまり出題されず、基本的な問題が多いので、問題集にあるような各単元の代表的な計算問題は繰り返し練習しておくと良いでしょう。

過去4年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去4年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 8 8 8 8
小問数 41 43 42 42
記号解答 20 22 19 27
短文記述 3 4 3 2
計算問題 12 8 9 5
図・グラフ、モデル 1 1 1
語句記述

社会

2026年度/令和8年度

出題傾向

〔一〕世界地理 〔二〕日本地理 〔三〕古代~近世史 〔四〕近現代史 〔五〕公民 〔六〕資料の読み取り 大問構成は例年6問。問題数は1問減の35問。記述問題の数が7問から5問へ減少し、内容も頻出かつベーシックな問題が多い傾向でした。また語句を問う問題の多くが選択問題へ変化し、問われている内容も例年に比べて解きやすかったと思われます。歴史は令和6年度まで出題されていた「出来事の因果関係を答える問題」や「出来事を時系列順に並び変える問題」などの比較的難易度の高い問題がなくなったことで易化したと考えられます。

対策のポイント

苦手な人が多い「資料を読みとる問題」が出る!

例年、複数の資料から答えを導き出す問題が出題されます。今年は「空き家問題」に関する出題でした。比較的分かりやすい資料であったため65字の記述についても書きやすかったと思われますが、社会で得点を伸ばすためには資料を正しく読み解くことが重要になります。また教科書本文周辺の地図やグラフ、写真・絵なども細かく見ておくようにしましょう。

社会の学習は「教科書」が基本!

社会の学習をする際の一番の要は「教科書」です。受験生の大半が「新研究」や「ワーク」などで学習に取り組み、教科書をあまり使っていないのではないでしょうか。教科書に太字で載っている最重要用語はもちろん、歴史であればその背景や因果関係とセットにして覚えることが大切です。教科書本文以外の説明や補足、図版の部分も見逃さずに読みこんでおきましょう。分からないことは教科書に戻って確認する習慣が大切です。

過去4年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去4年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 6 6 6 6
小問数 40 39 36 35
記号解答 22 25 21 24
用語記述 7 7 7 7
文章記述 5 7 7 5
作業・作図 1 1