学力検査では、中学校で習ったことをどれだけ理解しているかが試されます。最近は、知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」が重視され、「資料の読み取り」や「自分の考えや結果に至った理由を述べる」といった、覚えた知識を活用する問題が多くなっています。こうした入試問題の出題傾向を知っておくことで、受験勉強で必要な対策がわかります。

茨城県

教科別の出題傾向と対策のポイント

英語

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問数は9問で、総設問数は36問でした。例年とは異なる出題形式で、筆記と聞き取りテストが別の時間の枠組みの中で行われました。 筆記では、会話文や資料の読み取りなど、幅広い種類の文章や資料を素早く理解し、設問に答えることが求められます。 聞き取りでは、英文の内容と一致するイラストを選択する問題や対話文の内容に対する英問英答、発表を聞いてイラストを並べ替える問題、質問に対する答えの完成が出題されました。

対策のポイント

文法だけではなく、正しく素早く資料を読み取る

大問5では、日本語で書かれた資料をもとにした会話文の並べ替えが4問出題されました。それぞれ不要な語が1つずつあり、多くが資料の内容に関連しているため、文法はもとより資料を正しく把握したうえで取り組む必要があります。

長文読解では、スピードを意識しよう

大問4では試験内で1番長い文章が出題されました。設問も本文への挿入や内容に合う文章の完成、英問英答の記述問題や要約文など、どれも本文の内容をしっかり把握していないと難しい問題です。毎回本文に戻って確認していると時間が足りなくなるので、どの部分で何の話をしているかを意識しながら素早く読み進めましょう。

過去4年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
リスニング 正しい答えを選ぶ
絵や地図を使う
メモ・グラフ・表を完成する
日本語[英語]で答える
自分の考えを英語で書く
発音・アクセント 発音・アクセント
くぎり・強勢・抑揚
読解 英文和訳(記述)
脱文挿入
内容吟味
要旨把握
語句解釈
語句補充・選択
段落・文整序
指示語
会話文
文法・英作文 和文英訳
単語の穴埋め
語句補充・選択
語句整序
正誤問題
言い換え・書き換え
英問英答
条件英作文
自由英作文

過去4年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 6 6 6 9
小問数 42 40 40 36
リスニング 13 13 13 13
英作文 0 0 0 0

数学

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問数は6問、小問数21問で昨年と同じでした。 大問1は計算問題が5問、大問2は2次方程式の文章題、データの活用、円を使った図形、規則性の4問、大問3はカードを使った確率の問題、大問4は平行四辺形を使った図形問題、大問5は放物線を使った関数と図形の面積の問題、大問6は三角錐と円柱を使った空間図形の問題でした。 例年通り、基本的な問題が76点、応用問題が24点でした。証明問題は昨年と同じ選択式と記述式両方の空欄補充となりました。

対策のポイント

基本問題の徹底を

例年と同じように様々な分野から基本を問う問題が多く出題されています。各分野での考え方を身につけることや計算のミスをしないことが重要です。テストを解いているときに止まるところを少なくできるように苦手分野がある場合には早めに学習しておきましょう。

図形問題の練習を

大問4は合同の証明を含む、平行四辺形を用いた図形の問題です。証明問題は空欄補充が2問と記述が1問出題されました。合同、相似、平行四辺形などの名前の付いた図形の成立条件は書けるようにしておきましょう。大問6は円錐を使った体積を求める問題で、空間図形を様々な視点から捉える練習をしておくと良いでしょう。

過去4年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
数と式 正負の数
文字式
方程式・不等式
式の計算
連立方程式
平方根
多項式
2次方程式
関数 比例と反比例
1次関数
関数 y = ax2
図形 平面図形
空間図形
平面図形と平行線の性質
図形の合同
図形の相似
円周角と中心角
三平方の定理
データの活用 データの分布・比較
確率
標本調査

過去4年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 6 6 6 6
小問数 21 21 21 21
記述問題 図形の証明(説明)
その他の説明・証明など
立式・解法の過程の記述
作図(図形)
作図(グラフ)

国語

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問1:スピーチ文の書き方、敬語、漢字・語句 大問2:物語文 砥上裕將「一線の湖」および表現技法についてのノート 大問3:論説文 今野真二「日本語と漢字ー正書法がないことばの歴史」、石川九楊「ひらがなの世界ー文字が生む美意識」 大問4:古典 「枕草子・和漢朗詠集」 大問数は昨年と同じ4問でしたが、設問数が32問と減少しました。物語・論説文の読解が中心ですが、全般にわたって要点や語句の理解、文章の組み立てなど基礎的な表現力や語句の理解が問われているため、偏りなく対策する必要があります。

対策のポイント

漢字、語句などの基礎を固めよう

大問1では10問にわたって漢字や語句の意味、敬語表現について問われているほか、物語・論説文の中でも似た表現の中から適切な言葉を選んで補充する問題など、日本語の知識が問われました。また「スピーチでの伝え方の工夫」についても出題されました。苦手意識がある場合は、早めにこつこつ取り組んでいきましょう。

文章の内容理解を正確に

近年、本文の内容を生徒の感想文や要約ノートの形で問われる傾向があります。本文を読んだら整理しなおすことが必要です。また、二つの論説文を比較する問題など全体的に読解のスピードと正確性が問われます。日常的に本の内容を簡単に要約したり説明したりして、文章全体の内容を掴むことを心がけましょう。

過去4年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
漢字・語句 漢字(読み・書き・筆順・画数・部首)
熟語(三字熟語・四字熟語)
語句(ことわざ・慣用句)
文法 文と文節
品詞・用法
敬語、その他
表現・情報 グラフ・図表の読み取り
話し合い
伝え方の工夫
課題作文
聞き取り問題
文学史 文学史
現代文(読解) 主題・表題
大意・要旨
情景・心情
内容吟味
文脈把握
段落・文章構成
指示語
接続語
脱文・脱語補充
古典 古文のかなづかい・古語
古文の会話・主語
古文の展開
漢文・漢詩
文章のジャンル 論説文・説明文
記録文・報告文
小説・伝記
随筆・紀行・日記
和歌(短歌)
俳句・川柳
古文
漢文・漢詩

過去4年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 4 4 4 4
小問数 25 23 33 32
記号解答 22 15 24 22
記述式解答(漢字の読み書きも含む) 3 8 11 10

理科

2026年度/令和8年度

出題傾向

例年通り大問6問構成になっており、総設問数は前年度から1問減り26問でした。化学・物理・生物・地学がバランスよく出題されており、形式は全体的に記号選択問題が中心ですが、内容は用語、計算問題、図表の読み取りなど広くにわたります。記述や作図問題は出題されなかったものの、比較的難しい計算問題が2問出題されました。多くは知識問題でしたが、中には実験の内容や結果から考察する問題や、実験のセッティングからその結果を推察する問題など、応用力も必要とする問題も出題されました。

対策のポイント

基礎的な用語や公式は確実に

大問1では、知識があれば正解することのできる問題や基礎的な公式を使った計算問題を中心に出題されます。また、大問2以降の総合問題においても珍しい問題は少なく、一般的な問題集の類題が多いため、まずは広く基礎を習得することが得点につながります。

計算力も高めよう

いくつかの大問の最終問題では、やや難しい計算問題が出題されました。高得点を目指す場合、これらの問題でもしっかり得点していくことが合格へのカギとなるでしょう。単に用語や性質を暗記するだけでなく、計算力や応用力も併せて身につけることを意識しましょう。

過去4年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
物理 力のはたらき
光と音
電流
電流と磁界
力のつり合いと合成、分解
運動の規則性
仕事とエネルギー
化学 物質のすがた
水溶液
状態変化
物質の成り立ち、原子・分子
物質の化学変化
化学変化と物質の質量
水溶液とイオン、電池とイオン
化学変化と電池
生物 生物の観察と分類の仕方
生物の体の共通点と相違点
生物と細胞
植物の体のつくりと働き
動物の体のつくりと働き
生物の成長とふえ方
遺伝の規則性と遺伝子
生物の種類の多様性と進化
地学 身近な地形や地層、岩石の観察
地層の重なりと過去の様子
火山と地震
自然の恵みと火山災害・地震災害
気象観測
天気の変化
日本の気象
自然の恵みと気象災害
天体の動きと地球の自転・公転
太陽系と恒星
分野融合 エネルギーと物質(物理・化学)
自然環境の保全と科学技術の利用(化学・生物)
生物と環境(生物・地学)

過去4年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 6 6 6 6
小問数 29 29 27 28
記号解答 24 23 20 18
短文記述 0 5 2 0
計算問題 5 2 5 3
図・グラフ、モデル 16 19 18 16
語句記述

社会

2026年度/令和8年度

出題傾向

大問は地理、歴史、公民、総合問題の計4問で昨年と同じでした。 総設問数は昨年と同様に28問、そのうち文章記述問題は2問で論述問題が1問出題されました。 全体的に基本的な知識を必要とする問題が多いですが、地理・歴史分野を中心に図表やグラフ等を読み取って総合的に判断する問題が出題されました。 大問4では「将来の生き方」をテーマに地理・歴史・公民分野の問題が総合的に出題されました。またテーマに沿った歴史的な出来事の年代順の並べ替え問題も出題されました。

対策のポイント

資料を読み取る問題を正確に解き切ろう

地理分野では表やグラフ、地図などの複数の資料を照らし合わせ、そこから読み取れることとして適切な記述を選択する問題が出題されます。選択肢を一つひとつ丁寧に整理すれば正答にたどり着きやすい問題です。数値や比較対象など細かいところまで注意して解く練習をしておきましょう。

歴史では出来事の順番にも注意しよう

歴史分野では特定の出来事の後にくるものや、選択肢のうち最も古いものを選ぶ問題が出題されます。また、総合問題でも、歴史の年代ごとの並べ替えや年代に関する問題が出題されます。語句を覚えるだけではなく、前後関係や全体の流れを掴むことを心がけていきましょう。

過去4年間の出題実績

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分野 出題内容 2022年 2023年 2024年 2025年
地理的分野 日本の姿
世界の姿
地形
気候
人口
産業・貿易 第一次産業(農林水産業)
第二次産業(工業)
第三次産業(商業・サービス業)
貿易
地域 アジア州
ヨーロッパ州
アフリカ州
南北アメリカ州
オセアニア州
九州地方、中国・四国地方
近畿地方、中部地方
関東地方、東北地方、北海道地方
歴史的分野 日本史 平安時代まで
鎌倉・室町時代
戦国・江戸時代
明治時代以降
世界史 古代
中世
近世
近・現代
テーマ史 政治・外交史
社会・経済史
文化史
公民的分野 政治 現代社会と私たちの生活
個人の尊重と日本国憲法
現代の民主政治、三権分立
地方自治
経済 消費生活と流通
企業と生産活動
財政、国民生活と福祉
国際 地球社会と私たち
経済と貿易
環境問題
時事問題

過去4年間の出題数

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出題形式 2022年 2023年 2024年 2025年
大問数 4 4 4 4
小問数 36 30 28 28
記号解答 34 26 25 25
用語記述 2 3 2 1
文章記述 0 1 1 2
作業・作図 0 0 0 0