志免南里校福岡県志免町

机に向かうだけが勉強ではない 「勉強って、机に向かうことだけだと思っていませんか？」 もちろん、問題集を解いたり、暗記したりすることも大切。 でも、実は日常の中にも学びのチャンスはたくさんあります。 たとえば、スーパーでお買い物をしているとき。 「この野菜、どこから来たんだろう？」 「この魚、どこの国で獲れたんだろう？」 こんなふうにちょっとした疑問を持つだけで、地理や社会の学びにつながります。 九州は地元の食材が豊富なので、教科書に書かれている「産地」とは違うこともあります。たとえばキャベツは群馬、ピーマンは高知、玉ねぎは北海道などが代表的な産地。でも福岡のスーパーでは、地元の粕屋、朝倉、糸島産や熊本、佐賀産の野菜が多く並んでいます。 最近は海外からの輸入もバリエーションが豊かで、見ているだけでおもしろいです。 たとえば魚介類。 サバはノルウェー産が多く、サーモンは安価なものはチリ、高めのものはノルウェー。 ノルウェー産のサーモンは、生のままで空輸されてくるのでとても新鮮でおいしいですが、その分価格も高めです。 一方、チリ産のサーモンは冷凍された状態で長い距離を運ばれてきて、解凍したものが店頭に並びます。 そんな輸送方法の違いによって、味や値段にも差が出る——そんな視点で見てみるのも勉強になりますね。 エビなどもベトナム、インド、インドネシアが定番といったところでしたが、 先日スーパーに行ったら、なんとカレイがドイツ産！ そして驚いたのは、ポテトチップスがアラブ首長国連邦製だったこと。 豚肉はスペインやカナダ、デンマーク、鶏肉はブラジル産を見かけることはありましたが、まさかお菓子が中東からとは…思わずパッケージを二度見してしまいました。 こんなふうに、日常のちょっとした場面にも「気づき」や「学び」が隠れています。 お子さんと一緒に買い物をしながら、「どこ産だろう？」「どうやって届いてるんだろう？」と会話してみるのもおすすめです。 教科書だけではわからない、“リアルな世界”の学びを、ぜひ楽しんでみてください！

前回は、スーパーでのお買い物が勉強につながるというお話をしました。 今回は、算数・数学について、もう少し「リアル」とのつながりを考えてみたいと思います。 算数・数学のテストで「計算は合っているのに丸にならなかった…」という経験、ありませんか？ その理由のひとつが、「問題文の内容に合った答えになっていない」ことです。 たとえば速さや時間の問題。 「新幹線で2時間」「自転車で30分」「車で○時間」「ロケットで△分」など、いろんな乗り物が出てきますが、 これらは単に“適当に書かれている”わけではありません。 実は、現実の世界での平均的な速度に基づいて、条件が設定されているんです。 車なら時速60〜80km 新幹線なら時速200〜300km 飛行機なら時速約1000km つまり、「新幹線で3時間走ったら、どこまで行ける？」という問題は、現実の感覚としては「福岡から大阪くらいまで行けるかな」と結びつくのです。 でも、これがなかなか子どもたちにはピンと来ないことがあります。 「3時間で600kmって言われても、どれくらい遠いのか、よくわからない」 そんな“体感”と“机上の数字”のズレが、問題を読み解く妨げになっているのかもしれません。 たとえば、計算した結果が「車で1時間走って500km」とか、「新幹線で3時間かけて10kmしか進んでいない」とか。 そういった“おかしさ”に気づけるかどうかが、とても大切です。 現実のスピード感を知っていれば、「あれ？これは変だな」と、数字の間違いや考え方のミスに自分で気づけるようになります。

ではどうすればいいのか？ 日ごろから車で移動するときに、 「今、時速何キロくらいで走ってる？」 「このペースだと、あとどれくらいで着きそう？」 こんな会話をしてみるだけでも、スピードと時間と距離の関係が“感覚”として身についていきます。 そして、実は会話をしなくてもいいんです。 ただ車に乗って、窓の外の景色を見たり、看板を読んだりしているだけでも十分。 「今どこを走ってるんだろう？」 「この町の名前、見たことあるかも」 「ここの地名、社会で出てきた！」 そんなふうに、“見てるだけ”でも立派な勉強になります。 これから万博などで関西方面に出かけるご家庭もあるかもしれませんね。 新幹線に乗って山口県周南市を通過するあたりでは、車窓の外に大きな工場群が見えてきます。 煙突やパイプが並ぶ景色に、「社会の教科書で見た工業地帯だ！」と気づく子もいるかもしれません。 また、東京に飛行機で向かうとき、着陸前に眼下に広がるのが、京葉工業地帯や京浜工業地帯。 大きな倉庫や石油タンク、ぎっしり並ぶ工場の屋根が、海沿いに広がっているのが見えるはずです。炎を噴き上げる巨大な煙突は大迫力!! これらは、まさに社会で学ぶ「臨海部の工業地帯」。 そのスケールや配置を、自分の目で“実体験”できる貴重な機会でもあります。 実際に見ることで、教科書で覚えた知識がぐっとリアルになり、記憶に深く残るんですよね。 こうした「見るだけ勉強」、実はとても効果的です。 乗り物に乗っている時間も、ちょっとした観察や会話のチャンス。 スマホに夢中になっているお子さんに、 「ちょっと窓の外、見てごらん」「あの煙突、何の工場かな？」と声をかけてみてください。 そして、今どのへんを走っているのか、あと何キロで着くのか、今は時速何キロくらい出ているのか―― そんな会話から、「速さ・時間・距離」の感覚が自然と身についていきます。 「勉強」は、教室の中や机の上だけで完結するものではありません。 日常のふとした体験こそが、教科書の内容をぐっと深く理解するきっかけになります。 次にご家族でお出かけをされる際には、ぜひ少しだけ「勉強の種」をまいてみてください。 そのひと声が、お子さんにとって大きな気づきや興味につながるかもしれません。 アクシスでは普段の授業でもこんなふうに実例を交えながら自分で考える指導を心がけています。