算数と数学の違いとは?特徴や学習の目的、苦手意識をなくすポイント

小学校では算数が好きだったのに、中学生になって数学に苦手意識を持ってしまうお子さまは少なくありません。その原因には、それぞれの基礎的な概念や、違いを理解していないことがあります。 この記事では、算数と数学の特徴や違いを明らかにし、学習方法を見直して学習の効率を高めるためのポイントを解説します。また、算数を得意とすることで数学へのハードルを下げる効果的なアプローチについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事のポイント

  1. 算数と数学の違いとは
  2. 算数が得意になるコツとは?
  3. 中学生になっても数学が苦手にならないためのポイント
  4. 算数と数学の違いを理解し、効果的な学習方法で苦手意識を克服しよう

算数と数学の違いとは

算数と数学の違いは「答え」と「答えに至る過程」どちらを重視するかにあります。算数は主に日常生活に直結した計算力を身につけて、正確な答えを出せるようになることが目的です。一方で、数学は答えに至るまでの過程や考え方が重視されます。数字だけでなく「文字」や「記号」を用いて抽象的な概念を扱い、「なぜそうなるのか」を論理的に考える力や説明する力を養います。 まずは、算数と数学の違いについて、具体的に解説していきます。

算数の特徴

算数は日常生活で必要となる基本的な計算能力を養うための教科です。小学校では、足し算や引き算、掛け算、割り算といった四則演算を中心に学びます。

学習の目的

算数の学習目的は、日常生活で必要となる計算力の向上を図ることにあります。日常生活では、買い物中における支払いなど、計算力が求められる場面が多く存在します。算数を通じて基本的な計算能力を高めることで、これらの場面においてスムーズに対処する力が身につきます。

また、算数の学習過程では、その楽しさを体験することも重要です。ゲーム感覚での学習を通じて、算数を楽しむことができれば、学習意欲が向上し、より深い理解や探求心を育てることができます。

主な学習内容

小学校の算数は、基礎的な数の理解から始まり、学年が上がるにつれて徐々に複雑な計算を学び、図形やデータ活用といった内容に進んでいきます。

小学1年生

数の読み書きや簡単な足し算・引き算を学びます。機械的に計算するというよりは「たす」「ひく」という考え方そのものを学習します。

小学2年生

掛け算の基本を学習し、より複雑な計算ができるようになります。筆算を書いて計算することや、毎日練習するなどの学習習慣をつけていきたい学年です。

小学3年生

割り算や分数の基礎を学びます。これで四則計算を一通り学習しますので、計算力をつけていきたい学年です。

小学4年生

小数や分数の計算を学び、計算問題が複雑になってきます。小5・6の学習内容の土台を築いていく学年ですが、算数の得意、不得意も出てきます。

小学5年生

割合の文章問題の対応や三角形や四角形の面積を求める練習など、将来の数学の土台となる考え方を学ぶ学年です。重要単元が多く差がつく時でもあります

小学6年生

「比」、「比例と反比例」、「円の面積」など、中学数学、あるいは理科や社会にもつながる内容を学びます。より進んだ計算や、統計、確率といった応用的な内容まで幅広く学習します。

中学1年生

数学の始まりの学年です。これまでの算数と違い、「負」の考え方や「文字」が登場します。
ちなみに、1学期前半のテストでは、学校の進度も遅く、また不安にならないように、易しい問題ばかり出題される場合が多いです。この時点で、80点とれない場合は注意が必要。小学算数の計算自体に不安があります。回り道と思わずに小学校の算数に戻って理解があいまいな内容を確実に定着させましょう。

数学の特徴

数学は、数量や図形などの概念や原理・法則について学ぶ「学問」です。数が持つ意味や、日常的な事象を数を使ってどう表せば良いのかを学びます。

学習の目的

数学の学習の目的は、論理的思考力や問題解決能力を養うことにあります。数学は数式や計算だけでなく、物事を論理的に考える力を育むために重要な科目といえます。具体的には、問題を分析し、解決策を見つけ出すプロセスを学びます。

数学の学習が重要とされる理由は、多くの分野で基礎的な役割を果たすためです。科学、工学、経済学など、多くの分野が数学的理論に基づいて発展してきました。数学を理解することで、これらの分野の内容をより深く理解し、専門的な知識を得る土台を築くことができます。

主な学習内容

中学校の数学では「数と式」「図形」「関数」「データの活用」の4つの領域を学びます。これらは小学校の算数と繋がっていますが、数学では、物事を抽象化して考えることや論理的に答えを導き出す力を身につけていきます。

例えば、「図形」に関しては、算数では基本的な形や面積、体積といった初歩的な概念を学びますが、数学ではそこから発展し、座標平面や三角関数を使って図形を解析的に捉えるといった、より複雑な内容に進みます。

算数が得意になるコツとは?

算数が得意になるためのコツを以下の項目で説明します。これらの方法を実践することで、算数への理解が深まります。

日常生活に算数を取り入れる

すでに算数に対して苦手意識があるなら、実生活に関連づけて学ぶことが一つの解決策になります。

例えば、買い物の際にレジに行く前に合計金額を数えてみるのはいかがでしょうか。買い物リストの合計を予測し、それが現実の金額とどのくらい違うのかを確認することで、計算力が自然と鍛えられます。また、料理をする際には、材料を測る作業があります。ここでは、グラムやミリリットルといった単位を正確に把握する必要がありますが、こういった計量作業を通じて算数の感覚を磨くことができます。さらに、日常生活で時間や距離を数字で把握してみるのも良い方法です。通学時間を正確に計ったり、ランニングの距離を計測したりすることで、数値感覚を養うことができます。

こうした日常の中で自然に算数を取り入れることで、算数に対する抵抗感が減り、学びへの楽しさが増すことでしょう。

「なぜそうなるのか?」を問いかける

算数の問題を解く際には、答えを出すことだけに集中せず、「なぜそうなるのか?」という問いかけを忘れないことが大切です。このように掘り下げて考えることで、表面的な解答ではなく、算数の本質を理解しやすくなるのです。このような理解の深まりは単なる事実の暗記ではないため、応用力が格段に高まります。

さらに、「なぜそうなるのか?」を他の人に説明することも有効です。問題を解くプロセスを共有することで、自分の理解度を実感することができ、説明を聞く人もまた新たな学びを得ることができます。こうした双方向の学びの場を作ることが、算数に対する苦手意識を克服する助けとなるでしょう。

問題をイメージ化する習慣をつける

問題を解く前に、まずは頭の中でおよその数を計算する習慣を身につけることが大切です。この方法を用いることで、答えを予測しやすくなり、計算ミスを減らす効果が期待できます。また、文章問題を解く際には、図や絵、表などでイメージ化するのも効果的です。問題を視覚的に整理することで、より理解がしやすくなります。特にお子さまがこうした方法に慣れていないうちは、保護者の方が一緒に問題を解いてサポートすることが望ましいです。これにより、徐々に自分で問題をイメージ化する力を育むことができるでしょう。

毎日算数に触れる機会を作る

計算力は算数の基礎を築くために非常に重要です。毎日少しずつでも計算問題を解くことで、その基礎をしっかりと固めることができます。日々の練習を通じて、基本的な計算能力を向上させることは、後々数学を学び進める上での土台となります。基礎がしっかりしていると、次のステップに進む際にもスムーズに学習を進めることができるでしょう。

中学生になっても数学が苦手にならないためのポイント

数学が苦手にならないためのポイントを理解することで、効果的な学習が可能です。続く項目では「公式を覚える・理解する」「問題を解く練習をする」「わからないところを放置しない」など、具体的な方法について詳しく見ていきます。

公式を覚える・理解する

公式を学ぶ際には、まずは公式を覚えることが大切です。しかし、それだけでは不十分です。公式をただ暗記するのではなく、なぜそのような公式になるのかを理解することが重要です。

公式を理解するためには、教科書の解説をしっかりと読むことが助けになります。教科書には公式が導かれる過程や、その背景にある理論が詳しく説明されていますので、これらを読むことで公式の本質を掴むことができます。また、教科書の例題を通して、公式がどのように使われるのかをイメージすることも大切です。理解を深めるためには、時間をかけて自分のペースで進めることがポイントです。

問題を解く練習をする

授業を聞いてわかったつもりでいても、一人で問題を解いてみると解けないことがあります。解決策としては、何度も繰り返し問題を解いて理解を定着させることが大切です。

問題を解く練習では、途中式をしっかり書く習慣をつけることが重要です。論理的に考えることができないと途中式は書けません。途中式を書くことで、自分の思考過程を明確にし、計算ミスを減らすことができます。途中式を書かずに計算を進めると、結果だけに頼ってしまい、どこで計算ミスをしたのかが分かりにくくなることがあります。

また、途中式を書くことで、解き方が頭に定着しやすくなります。問題を解くプロセスを紙に書き出すことで、どのステップが必要なのか、どの順序で解くべきかがはっきりします。この過程を繰り返すことで、同じ種類の問題に遭遇したときに、自然と解法を思い出せるようになるでしょう。

わからないところを放置しない

算数や数学は単元がひとつずつつながっている積み重ねの教科なので、曖昧なまま進めてしまうと、後々つまずきの原因になってしまいます。そのため、わからない箇所を放置することなく、疑問を一つ一つ解消していくことが大切です。これにより、算数の内容をしっかりと定着させることができ、数学への進展もスムーズに進められます。

算数と数学の違いを理解し、効果的な学習方法で苦手意識を克服しよう

小学校の算数では計算のやり方を覚えて速く正確に解けるようになることをめざし、中学校の数学では「なぜそうなるのか」をしっかりと理解して問題を解く練習をする必要があります。

算数や数学を学ぶ意欲を高く保つためには、お子さまののモチベーションを維持することがとても重要です。困難に直面したときには、ひとりで乗り越えることに限界を感じることもあるでしょう。その際、ご家庭でのサポートだけでは充分に補いきれないことがあるかもしれません。そのような場合には、外部のサポートを活用することが効果的です。

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