そもそもどんなもの? 続けられるの? 通塾と何が違う?
小学生でもできるの? 効果はあるの?

オンライン学習ってどうなの?メリットや通塾との違いを解説!

CMや広告でも見かける「オンライン学習」。よく聞きはするものの、その中身はいまひとつよくわからない…。そもそもどんなものがあるの? 手軽に始められそうだけど続けられるの?通塾とどっちがいいの?小学生でもできるの?効果はあるの?

「オンライン学習」にまつわる素朴な「?」に、オンライン学習サービス開発の最前線に立つプロがお答えします。

この記事のポイント

  1. オンライン学習とは?
  2. 双方向性の「ない」オンライン学習のメリット
  3. 双方向性の「ある」オンライン授業のメリット
  4. オンラインのメリットは「課題を事前提出できる」こと
  5. 通塾か?オンラインか?何を選ぶべきか?
  6. まとめ

オンライン学習とは?

さまざまなサービスや商品がいっぱい。

通う時間もいらず、通信環境とパソコン・スマートフォン・タブレットなどの端末があれば、時間と場所を選ばずに、いつでもどこでも勉強できるスグレもの、それがオンライン学習です。昨今は、新型コロナウイルス感染症の流行により、このオンライン学習に分類されるツールやサービスが充実しています。

しかし、ひと口に「オンライン学習」と言っても、サービスや商品はさまざま。YouTubeなどで配信される、映像授業がいつでも視聴できる「オンデマンド授業」や、スマホアプリでドリル問題を解くもの、通信講座を受講、学習管理ができる「e-ラーニング」形式のもの、さらには対面授業と同じ授業を、Zoomなどでオンライン受講できる「オンライン授業」など…。まずは、これらの違いを知ることが初めの一歩です。

教える人とつながるか?双方向性があるか?

初めに着目すべきは、「双方向性の有無」です。つまり、教える人とつながって質問や会話ができるか? 双方向性がないものは「リアルタイムのオンライン学習」ではなく、「Webを使った学習教材」と言った方がより正確です。

双方向性の「ない」オンライン学習のメリット

「つながっていない」とは、通信講座やオンデマンド授業、スマホアプリなどがそれに当たります。ただ、つながっていないからダメ、なワケではなく、たとえば「自宅で問題集を解く」のと「通学時間にスマホアプリでドリルをこなす」のでは、どちらがすき間時間をムダなく使えるでしょう?

たしかに「つながってはいない」けれども、後者なら通学の電車やバスの中、友達と待ち合わせした細切れの時間など、場所や時間に縛られず、思い立った時にすぐに勉強できます。これこそWebを使った学習教材、デジタル教材ならではの勉強法(メリット)です。

双方向性の「ある」オンライン授業のメリット

オンラインの学習塾にも集団型、個別指導型がある

「つながっているもの」には、実際に教室に通う塾と同様に、集団型(講師1:生徒多数)、と個別指導型(講師1:生徒5人程度まで)があります。さらには家庭教師サービス(講師1:生徒1)などもあります。いずれであっても「直接会話ができる」ことが大きな安心材料。授業中にわからないところに出くわしたなら、その場で質問・解決することができます。

オンライン集団塾なら、有名講師の授業を全国どこでも受講できる

オンライン集団塾の一番の特徴は、東京や大阪などの大都市圏で教える有名講師の授業を、遠いところからでも受講できることでしょう。また、そもそも集団塾には「学ぶ刺激」がたくさんあります。競争しながら励ましあいながらクラスの仲間同士で切磋琢磨する。この「負けてたまるか!」という思いが、勉強する気持ちを掻き立ててくれます。

オンライン集団塾では通塾の集団塾のような強いつながりや競争心は生まれにくいのでは?と思われるかもしれませんが、複数人で同じ授業を受講することに変わりはなく、多少なりとも自分以外の受講生を意識するはずです。

[関連サービス]双方向ライブ授業「オンラインゼミ」

オンライン個別指導塾なら、より細かな受験対策が講じられる

一方の個別指導のメリットは、一人ひとりの苦手や弱点に応じて学習できる点。多くの場合は、講師1人に対して生徒の人数は5人程度まで。日によっては1人で先生を独占できる日もあります。個別指導の場合も、通塾とオンラインでさほど大きな違いはないかもしれません。むしろケースによっては、オンラインの方がより個別の事情に対応できることもあります。

たとえば、北海道大学を受験したい福岡の高校生がいたとします。現役の北海道大学生に指導してもらえれば、大学特有の出題傾向などがリアルにわかります。またキャンパスの様子なども聞けるため、学ぶモチベーションにもつながります。しかし、通える範囲にある福岡の個別指導塾には、現役の北海道大学生などまずいないでしょう。それが、オンラインの個別指導塾なら可能になるのです。

[関連サービス]アクシスのオンライン家庭教師

オンラインのメリットは「課題を事前提出できる」こと

小論文など、「記述型」の受験対策に有効

「事前に課題を提出させることができる」。表立っては見えにくいことですが、このポイントは、とりわけ「オンライン個別指導」にとって大きなメリットです。

中学・高校入試であれ大学入試であれ、近年「記述型」の出題が増えています。大学の推薦入試では、小論文や自己PRが課せられます。また中学・高校入試でも、国語や社会などでは、複数の文書や資料を読んで、自分の意見をまとめ、第三者に正確・適切に伝えられる力を持っているかどうかを測るために、記述問題が増えています。

こうした記述問題の指導には添削が不可欠で、個別指導でなければ対応できません。そして、添削には専門技術が必要です。それぞれの文章から書き手が言いたいことを抽出し、それを読み手により端的に伝えられるように組み立て直す。授業前に提出させることができれば、添削にかける時間にゆとりが生まれます。そのぶん、授業時の指導密度を上げることができる、という訳です。

[関連サービス]推薦入試対策講座(基本コース)

公立中高一貫校の中学受検「適性検査」にも有効

同様に、オンライン個別指導は公立の中高一貫校受検で実施されている「適性検査」対策として利用するのも良いでしょう。

《 TOPIC! 適性検査とは? 》

教科の枠にとらわれず、小学校までに学んだことや身につけた知識を総合的に使って答えを導き、自分の考えを表現する課題。概ね以下のような狙いを持った問題が出題される。

  • 小学校での学習内容の定着度と応用力を測る。
  • 統計や写真・図から、情報の読み取りや計算処理、課題発見・解決の糸口を見つける力を測る。
  • 資料や文章に書かれている内容を理解し、自分の考えを論理的に表現する力を測る。
適性検査:たとえばこんな問題

Q.みんなで遠足に出かけます。

  • 朝10時に出発して16時には出発地点に帰ってこなければなりません。
  • その日訪ねる候補地は5カ所あります。
  • 各地点までの距離や所要時間は地図、見どころ情報などは資料集に書かれています。
  • そのうち3カ所を選び、あなたが一番いいと考える遠足のルートを書きなさい。

これは、大人でも短時間で適切に記述することは難しいでしょう。

それほどの高い読解力・情報処理力・計算力などが求められ、なぜ自分はそのルートを組み立てたのか?を根拠を示しながら論理的に表現する力が求められます。もちろん、正解は一つではありません。書かれた内容に誤りがなく、論理的にも一貫性を持って自分の考えを主張できればどれも正解です。

一人ひとりの考え方を追跡し、なぜそう考えたのか、ならばどう組立て表現するのかという指導と訓練が必要ですから、1対多の授業では対応が難しいのです。

通塾か?オンラインか?何を選ぶべきか?

オンラインで勉強するには、通塾以上の自己管理能力が不可欠

Web学習教材であれオンラインの塾であれ、オンラインで勉強するには、通塾以上に自己管理能力が必要です。ドリルは必ず毎日10問やる、夜8時になったら必ず2時間だけは机に座り、今日の復習と明日の予習をする。こうしたノルマを「自分ひとり」で達成できた人はほんの一握り、誰もが経験してきた挫折です。

それほどに「ひとり」で管理するのは難しいものです。やはり学習習慣づくりや学ぶ意欲づくりには、友達や塾の先生、あるいは家族などの「人の力」を借りることが近道です。

小学生にも「オンライン」での学習はできるのか?

中学生3年、あるいは高校生にもなれば状況も変わってきますが、小学生でそうした自己管理能力を身につけている子どもは稀です。子どもの能力を過少・過大評価することなく客観的に見極めることが大切です。その観点から見れば、どちらかと言えばオンラインを選ぶより、初めは通塾を軸にして検討することをおすすめします。

学校の友達とは違う「勉強するために集まった仲間」と一緒にいれば、勉強モードに切り替えるのも比較的簡単です。自習室がある塾なら、自分の部屋と違って「勉強せざるを得ない環境」も整っています。塾の先生なら、怠け心が起きた時にも学ぶ動機付けもしてくれます。

「オンライン」を選んだ方が良い場合もある

ただしそれは、「無理なく」「通い続けられる」範囲に塾があることが前提です。もちろん塾がない地域もたくさんあります。あるいは都市部でも「車で30分の送り迎えが必要」な環境では、およそ長続きはしません。

そのような場合はむしろ、「手軽に人とつながる」ことができるオンラインの方が良いケースもあります。オンラインの授業には、先生が画面に書いた解説をそのままデータで残せる機能や、授業を丸ごと動画で残せるものあります。これなら何度でも授業を見返すこともできます。

また、無理なく通える範囲内であっても、「子どもが夜遅く塾に通うリスク」も叫ばれています。こうした観点からオンラインを選ぶのも一つの選択です。

いずれにしても、オンラインを選ぶなら、「一人でやるWeb教材」よりも、まずは「人とつながるオンライン塾」を優先して検討されたほうが良いでしょう。

目的を整理し、子どもの性格や得意・不得意を考えて選ぶ

通塾か、オンラインか? 通塾するならどんな塾が効果的なのか? オンラインなら何を利用するか? それを考えるにあたって、押さえておいてほしいポイント(フレームワーク)があります。

これは、小学生、中学生、高校生いずれであっても同じです。

やる気を引きすために「適した学びの選び方」

【Step1】目的の整理

まず、そもそもなぜ学ばせたいのか?その目的を整理。

例)
難関〇〇中学校に入学させたい、学ぶ習慣をつけさせたい、苦手な科目や単元を克服させたい、得意科目をつくりたい…など

【Step2】目的に対する子どもの現状を把握する

子どもの今の学習力・習熟度・レベルは、目的に対してどの程度なのかを把握。

例)
通知表、定期テストや実力テスト等の結果分析、先生との面談内容の振り返り、家での学習状況の把握、得意科目や単元/不得意科目や単元の把握…など

【Step3】短期間で結果が見える「現実的な目標」を定める

Step2の「現状」に対して、短期間で結果が見えやすい具体的な「現実的な目標」を定める。

例)
まずは模試で難関〇〇中学校B判定を、期末試験で平均より上の得点を、苦手の算数数学で毎日ドリルを〇問こなす、一週間で〇個の単語を暗記する…など

【Step4】子どもの性格や得意・不得意を考える

子どもの性格や得意・不得意などから、どんなものなら向いていそうかを考える。

例)
恥ずかしがり屋、負けず嫌い、話し上手、おっちょこちょい、一人でじっくり取り組むのが好き、クラスのリーダー的な存在…など

とりあえずはここまでを整理・確認して、塾の体験会や相談会に参加して聞いてみると良いでしょう。どんな学び方があるのか、どれが適したものなのか?は、親の知る範囲だけでは限界があります。そこは専門家の知識に委ねたほうが効率的です。

まとめ

最後に、これまで見てきたように、「オンライン学習」と一言で言っても、オンライン授業や、スマホアプリ、通信講座など、多種多様な学習法があります。

最終的には、「どれが一番子どもがやる気を起こしそうか?起こしてくれる予感がするか?」といった親の感覚と、学習のしやすさ、お子さまの学習状況、学年、目的といった要素を総合的に見て、選ぶのがよいと思います。

実際に体験してお子さまに合っているかどうか、しっかり確認してから決めましょう。

\ アクシスは、全国500校超 /

お近くの校舎へお気軽にお越しください。

この記事を書いた人

(株)ワオ・コーポレーション
アクシスのオンライン家庭教師
教育アドバイザー
堤 真人(つつみ まこと)