高校受験における偏差値の基本情報
高校受験において、偏差値は受験生の学力を示す重要な指標です。偏差値の基本的な意味や計算方法、そして目安となる数値について詳しく見ていきましょう。これらの知識は、自分の現在の学力レベルを把握し、効果的な受験勉強を進める上でとても役立ちます。
そもそも偏差値とは
偏差値とは、試験を受けた集団の中で、自分がどのくらいの位置にいるかを示す数値です。高校入試において、偏差値は今現在の自分の学力を確認するための重要な指標となります。また、この数値を理解することで、受験生は自分の強みや弱点を客観的に把握し、効果的な受験勉強を行うことができます。
偏差値の目安
偏差値は、25〜75程度の範囲内になることが一般的です。偏差値50が「平均点」であり、偏差値70なら「偏差値が高い」、偏差値30だと「偏差値が低い」などと表現されます。
得点の分布が正規分布に従う場合、偏差値40〜60の受験者は全体の約68%になり、偏差値30〜70の受験者は約95%になります。例えば、受験者が1,000人だったとすると、偏差値70は22位くらい、偏差値30は977位くらいの成績だといえます。このように、偏差値を理解することで、自分の学力レベルを具体的に把握することができます。
偏差値でわかること
「偏差値」は、「点数」や「順位」だけでは分かりにくい、自分が集団内でどの程度の位置にいるかを明確に示すことができます。ここでいう「集団」とは、同じテストを受けた人たち全体のことを指し、これを「母集団」と呼びます。ただし、異なる母集団の偏差値は直接比較できないので注意が必要です。
・平均点が異なるテストの成績を比べられる
偏差値は「平均点との差」を加味して算出されるため、単に点数を見るだけではわからない、成績の良し悪しを把握できます。例えば、数学で80点、英語で70点を取った場合、点数だけを見れば数学の成績が良いように思えます。しかし、もし数学の平均点が85点で、英語の平均点が65点だった場合、偏差値は英語の方が高くなり、「英語の方がより良い成績だった」と判断できます。このように、偏差値を使えば平均点が異なるテスト同士の成績を正確に比較することができます。
・点数分布の異なるテストの成績を比べられる
偏差値は「集団全体の得点のバラつき(=点数の分布)」も加味して算出されるため、同じ点数でも、テストによって成績の評価が変わることがあります。例えば、中間テストと期末テスト、それぞれの平均点が70点で、あなたがどちらも80点を取ったとします。中間テストでは最高点が90点、最低点が50点と比較的得点がまとまっていた一方で、期末テストでは最高点が90点、最低点が40点で、80点台を取る人が多かったとすると、期末の方が点数のバラつきが大きくなります。この場合、同じ80点でも期末テストの方が偏差値が低くなる可能性があります。このように、偏差値を見れば、点数のバラつきによる「自分の位置づけの違い」も判断できます。
偏差値の計算の仕方
偏差値は以下の公式で計算されます。
- (自分の得点−平均点)÷標準偏差×10+50=偏差値
ここで重要なのは「標準偏差」という概念です。標準偏差とは、データのばらつきの度合いを示す統計値で、点数の分布の広がり具合を表します。標準偏差が大きいほど、点数のばらつきが大きいことを意味します。
模試や定期テストで同じ点数を取得した場合でも、平均点の違いによって評価は大きく変わります。偏差値は平均点との差だけでなく、点数分布も考慮した評価方法となっているため、異なる試験の成績を公平に比較することができます。
基本的に、正確な偏差値を知るためには模試を受けることがおすすめです。模試では、大規模な受験者集団の中での自分の位置づけを知ることができ、より信頼性の高い偏差値を得ることができます。