高校受験における偏差値とは?偏差値が重要な理由や計算方法、目安

高校受験を控える中学生の皆さん、そしてそのご家族の皆さんのなかには、「偏差値50は低い?」「偏差値を上げるにはどうしたらいいの?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、高校受験における偏差値の基礎知識から活用方法まで、わかりやすく解説していきます。偏差値を理解し、上手に活用することで、効果的な受験勉強や高校選びにつなげていきましょう。

この記事のポイント

  1. 高校受験における偏差値の基本情報
    1. そもそも偏差値とは
    2. 偏差値の目安
    3. 偏差値でわかること
  2. 偏差値を知るには模試を受けよう
    1. 学校のテストだけでは不十分な理由
    2. 模試によって偏差値が違う理由
  3. 高校受験に向けた偏差値の活用法
    1. 志望校を選択する際の指標にする
    2. 現在の学力と目標とのギャップを把握する
    3. 自分の弱点を把握する
  4. 偏差値とは高校受験における重要な指標

高校受験における偏差値の基本情報

高校受験において、偏差値は受験生の学力を示す重要な指標です。偏差値の基本的な意味や計算方法、そして目安となる数値について詳しく見ていきましょう。これらの知識は、自分の現在の学力レベルを把握し、効果的な受験勉強を進める上でとても役立ちます。

そもそも偏差値とは

偏差値とは、試験を受けた集団の中で、自分がどのくらいの位置にいるかを示す数値です。高校入試において、偏差値は今現在の自分の学力を確認するための重要な指標となります。また、この数値を理解することで、受験生は自分の強みや弱点を客観的に把握し、効果的な受験勉強を行うことができます。

偏差値の目安

偏差値は、25〜75程度の範囲内になることが一般的です。偏差値50が「平均点」であり、偏差値70なら「偏差値が高い」、偏差値30だと「偏差値が低い」などと表現されます。

得点の分布が正規分布に従う場合、偏差値40〜60の受験者は全体の約68%になり、偏差値30〜70の受験者は約95%になります。例えば、受験者が1,000人だったとすると、偏差値70は22位くらい、偏差値30は977位くらいの成績だといえます。このように、偏差値を理解することで、自分の学力レベルを具体的に把握することができます。

偏差値でわかること

「偏差値」は、「点数」や「順位」だけでは分かりにくい、自分が集団内でどの程度の位置にいるかを明確に示すことができます。ここでいう「集団」とは、同じテストを受けた人たち全体のことを指し、これを「母集団」と呼びます。ただし、異なる母集団の偏差値は直接比較できないので注意が必要です。

・平均点が異なるテストの成績を比べられる

偏差値は「平均点との差」を加味して算出されるため、単に点数を見るだけではわからない、成績の良し悪しを把握できます。例えば、数学で80点、英語で70点を取った場合、点数だけを見れば数学の成績が良いように思えます。しかし、もし数学の平均点が85点で、英語の平均点が65点だった場合、偏差値は英語の方が高くなり、「英語の方がより良い成績だった」と判断できます。このように、偏差値を使えば平均点が異なるテスト同士の成績を正確に比較することができます。

・点数分布の異なるテストの成績を比べられる

偏差値は「集団全体の得点のバラつき(=点数の分布)」も加味して算出されるため、同じ点数でも、テストによって成績の評価が変わることがあります。例えば、中間テストと期末テスト、それぞれの平均点が70点で、あなたがどちらも80点を取ったとします。中間テストでは最高点が90点、最低点が50点と比較的得点がまとまっていた一方で、期末テストでは最高点が90点、最低点が40点で、80点台を取る人が多かったとすると、期末の方が点数のバラつきが大きくなります。この場合、同じ80点でも期末テストの方が偏差値が低くなる可能性があります。このように、偏差値を見れば、点数のバラつきによる「自分の位置づけの違い」も判断できます

偏差値の計算の仕方

偏差値は以下の公式で計算されます。

  1. (自分の得点−平均点)÷標準偏差×10+50=偏差値

ここで重要なのは「標準偏差」という概念です。標準偏差とは、データのばらつきの度合いを示す統計値で、点数の分布の広がり具合を表します。標準偏差が大きいほど、点数のばらつきが大きいことを意味します。
模試や定期テストで同じ点数を取得した場合でも、平均点の違いによって評価は大きく変わります。偏差値は平均点との差だけでなく、点数分布も考慮した評価方法となっているため、異なる試験の成績を公平に比較することができます。
基本的に、正確な偏差値を知るためには模試を受けることがおすすめです。模試では、大規模な受験者集団の中での自分の位置づけを知ることができ、より信頼性の高い偏差値を得ることができます。

偏差値を知るには模試を受けよう

偏差値を正しく把握するなら、大規模な模試を受けることがおすすめです。中学生を対象とした「全県模試(名称は地域によって異なる)」があり、学校や塾で受験が可能です。模試の成績表には偏差値が記載されており、自分の学力レベルを正確に把握することができます。

学校のテストだけでは不十分な理由

学校の定期テストだけでは、受験生全体と比較ができないため、自分の実力がどの程度なのか正確に把握できません。また、学校の定期テストは、その学校のカリキュラムに基づいた内容になっているため、テストの難易度が異なり、受験本番の難易度と一致しない可能性があります。そのため、より広範囲な受験生との比較ができる模試を受けることが重要です。

模試によって偏差値が違う理由

同じ生徒でも模試によって偏差値が違う大きな理由は、模試の受験者層が異なるためです。模試は同じ地域や志望校を目指す多くの受験生が参加するため、受験者のレベルが学校内のテストとは異なります。そのため、自分と同じ志望校を受ける人たちが受ける模試を選ぶことが重要です。

適切な模試を選ぶことで、以下のようなメリットがあります。

  1. 1. 志望校の試験の出題傾向に近い問題を解くことができる
  2. 2. 同じ受験層と比較ができる
  3. 3. 受験環境や受験者の雰囲気に慣れることができる

これらの要素は、単に偏差値を知るだけでなく、実際の受験に向けた準備として役立ちます。定期的に模試を受けることで、自分の成長を客観的に把握し、効果的な学習計画を立てることができます。

高校受験に向けた偏差値の活用法

偏差値は単なる数字ではありません。高校受験に向けて、偏差値を効果的に活用することで、自分の学力レベルを正確に把握し、効率的な受験勉強を行うことができます。ここでは、偏差値の具体的な活用方法について詳しく見ていきましょう。

志望校を選択する際の指標にする

自分の偏差値と「各高校の合格基準偏差値」を照らし合わせれば、志望校や受験校を選ぶ時の重要な参考になります。時期にもよりますが、一般的に自分の偏差値からプラスマイナス3~5の偏差値の高校を志望校にするのが適切とされています。
例えば、自分の偏差値が55の場合、偏差値50~60の高校を中心に志望校を検討するのが良いでしょう。自分の偏差値と高校の偏差値があまりに離れていると、合格が難しくなってしまいます。
ただし、偏差値だけで学校を決めるのではなく、学校の雰囲気や部活動、通学時間などを総合的に検討しながら考えることが重要です。偏差値は一つの指標であり、自分に合った高校を選ぶための材料の一つとして活用しましょう。

現在の学力と目標とのギャップを把握する

志望校合格に必要な偏差値と比較することで、現在の学力と目標とのギャップを把握できます。客観的な数字によって自分の学力を示してくれるため、効果的な学習計画を立てる際の指標としても活用できます。

  1. 1. 集団の中での自分の立ち位置を把握できる
  2. 2. 他の受験生と自分の成績を客観的に比較することができる
  3. 3. 志望校に対してどの程度学力が足りていないのか、合格圏内にいるのかを確認できる

さらに、同じ模試を定期的に受けることで、他の受験生との比較だけでなく、過去の自分と比較して学力が上がっているか、弱点が減っているかも確認できます。これにより、自分の成長を実感し、モチベーションの維持にもつながります。

自分の弱点を把握する

模試では教科ごとに偏差値が示されるため、苦手教科や得意教科を正確に把握することができます。例えば、数学の偏差値が他の教科に比べて低い場合、数学に重点を置いて勉強する必要があることがわかります。

具体的には、以下のような活用方法があります。

  1. 1. 前回の模試と比較して、学力がどれだけ上がったか、または下がったかを把握する
  2. 2. 目標とする偏差値に到達するには何点必要だったのかを分析する
  3. 3. 教科ごとの偏差値の差を縮めるよう、バランスの取れた学習計画を立てる

このように、偏差値を通じて自分の弱点を正確に把握し、効率的な受験勉強につなげることができます。

偏差値とは高校受験における重要な指標

高校受験における偏差値は、受験生の学力を客観的に評価し、志望校選びや学習計画の立案に役立つ重要な指標です。偏差値を正しく理解し、効果的に活用することで、より戦略的な受験準備が可能になります。まずは、模試を通じて定期的に自分の偏差値をチェックし、学習の成果を確認しましょう。その際、結果に一喜一憂はせずに、長期的な視点で自分がやるべきことを見極めることが大切です。

しかし、偏差値を上げるための勉強の仕方に困ったり、効果的な学習方法がわからなかったりする場合もあるでしょう。そんなときは、専門家のアドバイスを受けることも検討してみてください。

例えば、個別指導Axisでは、生徒一人ひとりの学力や目標に合わせたカスタマイズされた指導を提供しています。経験豊富な講師陣が、偏差値アップのための効果的な学習方法や受験対策をサポートしてくれます。自分に合った学習スタイルを見つけ、効率的に偏差値を上げていくためのサポートを受けることができます。

高校受験は人生の大きな節目の一つです。偏差値は重要な指標ですが、それだけにとらわれすぎず、自分の興味や将来の目標も考慮しながら高校選びを進めていくことが大切です。適切な情報と支援を得ながら、自分に合った受験勉強を進め、希望する高校への合格を目指しましょう。

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