通信制高校とは?
通信制高校は「全日制」「定時制」と並ぶ3つの課程の一つ
通信制高校は、学校教育法第1条に基づく高等学校の一形態で、「全日制」「定時制」と並ぶ課程の一つです。学校に登校して集団対面式の授業を受けるのではなく、教科書と映像を使って自習したり、オンライン授業などに参加したりして、自主的・能動的に学習を進めます。
【通信制・全日制・定時制の学習の仕組みの違い】
| 通信制 | 全日制 | 定時制 | |
|---|---|---|---|
| 修学年数 | 3年以上 | 3年以上 | 3年以上 |
| 学習制度 | 単位制 | 単位制 (一部単位制もあり) |
単位制 (一部単位制もあり) |
| 卒業 単位数 |
74単位以上 | 74単位以上 | 74単位以上 |
| 学歴 | 高校卒業 | 高校卒業 | 高校卒業 |
| 学習方法 | 教科書や映像、 オンライン授業などで 学習してレポートを提出 |
教師による授業を 受講 |
教師による授業を 受講 |
| 登校日数 | 自由 (欠席の概念がない) 通学型もあり (週1〜5日) スクーリングあり (年5日程度の合宿など) |
週5日 (休むと欠席 扱い) |
週5日 (休むと欠席 扱い) |
| 通学 時間帯 |
自由 (午後からや土日のみも可能) |
高校卒業 | 高校卒業 |
※補注
- <単位制と学年制>
- 単位制*卒業要件の単位を修得すれば卒業できる制度
- 学年制*1学年に修得する単位が定められており、満たせない場合は留年となる制度
- <法律で定められる卒業単位数>
- 学校教育法上では、全日制、定時制、通信制のいずれも卒業に必要な単位数は74単位
- <学校ごとに設定される卒業単位数>
- 全日制高校の多くは、授業時数などが学習指導要領の標準(週30単位時間)を上回るため、実際には90~100単位程度が卒業要件となる
- <特別活動>
- 単位修得に加え、30単位時間以上の特別活動(ホームルーム、行事など)の参加も卒業要件となる
レポート提出、スクーリング、単位認定試験で指導・評価
通信制高校の学習方法は、大別すると2つに分かれます。
- ①レポート提出(添削指導)
自宅学習をして、単元ごとに定められた課題(レポート)をオンラインなどで提出。 - ②スクーリング(面接指導)
学校や学習センターに登校して、授業、実験、試験などを受ける。
このレポートとスクーリングの結果を踏まえて単位認定試験を実施し、必要単位(74単位以上)を修得すれば卒業となります。
通信制高校の数は1990年84校→2023年289校に大幅増
全日制・定時制課程を置く高等学校数は減少傾向にあるなか、近年、通信制課程を置く高等学校数は大幅増加しています。(1990<平成2>年84校→2023<令和5>年289校)
とりわけ、私立通信制の校数が大きく増加しています。
【通信制高校数の推移】
どんな生徒が通っている?
現在、高校生の約10人に1人が通信制高校に通う
【通信制高校の生徒数の推移】
文部科学省の「学校基本調査(令和7年度速報値)」によると、現在、通信制高校生徒数は305,221人で、高校生の約10人に1人が通信制高校に通っています。
ネガティブなイメージを持たれがちだった通信制高校
通信制高校は、「いじめや不登校、授業についていけずドロップアウトした生徒が通う高校」というネガティブなイメージを持たれる方も多いと思います。もともと通信制高校は、そうした生徒の「避難場所」の役割も担っていましたから、それは間違いではありません。また、実際にそうした経験をしてきた生徒も多くいます。
ただし、その「ネガティブなイメージ」自体も、実は「誤解」や「偏見」から生じていることが少なくありません。
ポジティブに通信制高校を選ぶ生徒が増えている
現在はさらに様相が変わっています。明確な意志を持って「ポジティブに通信制高校を選んで入学する生徒」が増えているのです。
たとえば、プロスポーツ選手やタレントなどの芸能活動をめざす高校生。夢や目標に向けた活動と両立したいという理由から、多くの時間を拘束される全日制ではなく通信制を選んだという生徒たちです。あるいは、デザインやプログラミングなど、自分の好きなことの専門知識を人より早く深く好きなだけ学びたいという生徒もいます。
前述の通り、通信制高校の生徒数は右肩上がりに伸びていますが、それは学校数が増えたからではありません。その因果関係は逆で、「通信制高校の魅力やメリットに気づいた生徒が、ポジティブに通信制高校を選択し始めた」から生徒が増えた。そしてその結果、その受け入れ先としての学校も増えているのです。
通信制高校のメリット・デメリット
【メリット】
「常識」や「既存フレーム」から解放され、「自由」に学べる
一番大きなメリットは「自由に学べる」ことです。とりわけ時間に関しては、全日制と比較すると圧倒的に自由度が高いことが特徴です。月に数回のレポート提出、スクーリング、試験以外の時間は、すべて生徒の裁量に委ねられます。
そしてまた、ここでいう「自由」は時間だけを指しているのでもありません。通信制高校は、全日制高校の「常識」や「既存フレーム」から解放され、学びたいことやその学び方、一緒に学ぶ仲間までも含め、自分の意志で柔軟に「学びを自分仕様に最適化」することができるのです。
自分にとって「最適化された学び」を組み立てられる
個人(自分)に最適な学び方を第一に考えるなら、いまの「全日制高校のような画一的な学習スタイル」に固執しなくてもよいはずです。
時間割があると、かえって足かせになるかも? 本物の校舎に登校してリアルに集まらなくても、バーチャルキャンパスでもよくないか? 実際に大人の仕事の場面では、コロナ禍以降は在宅勤務比率は高まり、オンライン会議も日常化して、会社に出社することなく業務を進めているのです。
好きを学びに!学びたいことを、学びたい時、学びたいだけ学ぶ
多くの通信制高校では、これまでのこうした全日制高校の「常識」や「既存フレーム」を飛び越え、新しい視点で学校とは何か?の問いに向き合い、通信制高校ならではのユニークなカリキュラムづくりに取り組んでいます。
そしていま、学びは自分仕様に最適化することができるし、それはとても楽しいことだという魅力に気がつき始めた生徒が増えているのです。
さまざまな人に対応・サポートできる環境や仕組みがある
前述の通り、通信制高校には自分の夢や意志を明確に持って入学した人以外にも、いじめや不登校を経験した生徒、若い頃に高校を卒業できなかった人、持病や障害があり毎日学校に登校することが難しい人など、様々な事情をもった生徒が通っています。
そうした生徒の日常生活に寄り添うために、インターネット上に困りごとを気軽に問い合わせできる相談窓口が開かれていたり、リアルに相談・対処してくれる専門カウンセラーがいたり、さまざまな生徒へのサポート体制が充実しています。
【デメリット】
自分で学習を進めなければならない
自由の裏返しは、自己責任です。自己管理能力がないと、自分で自由に学びを組み立てることはできません。自主・自律性に自信が持てないなら、むしろ時間割りなどの仕組み、拘束力のある学び方のほうが、学習がはかどる場合もあります。
通信制高校と「サポート校」は別のもの
自分だけで学習を進めるのが難しいと思う生徒は、「サポート校」と呼ばれる学習支援機関や学習塾などを利用し、継続的に勉強を進められる環境を整えることも検討したほうがよいでしょう。
しかし、ここで大切な注意点があります。
「サポート校」は「学校」ではありません。サポート校は、あくまで通信制高校の学習を支援するための民間教育機関であり、いわば塾です。そのため、ここでは「高校卒業資格」は取得できません。
*「学校」と「学院」の違いは何?
一般的な小学校、中学校、高等学校、大学、幼稚園など、「学校」と呼ばれる教育機関は、学校教育法第1条に定められた教育施設です。これは国が正式に「学校」として認めたもので、「一条校」とも呼ばれます。この「学校」以外の教育機関はすべて民間の教育機関で、「学校」と名乗ることはできません。その際に使われるのが「学院」です。
「●●高等学校」と「●●高等学院」は、一見すると同じものと思いがちですが、「●●高等学院」と記されていれば、それは「学校」ではなく「サポート校」を指しています。
全日制や定時制よりも、クラスメイトや先生と関わる時間が少ない
通信制高校の場合、実際に登校する頻度は週に1~3回が主流です。また、「クラス」という意識も希薄なため、全日制高校や定時制高校に比べると、クラスメイトや先生との関わりが薄くなります。そうした「つながり」を求める生徒には、やや物足りなさを感じるかもしれません。
その欠点を補い、「協働性」や「社会性」を育むためにも、部活動やレクリエーション活動などの学校行事に注力する学校もあります。こうした場と機会を活用すれば、友だちもつくりやすいでしょう。
自己実現につながる進路選択の一つに
周囲と違うことをすることの価値に気づいた生徒に向いている
ここまで通信制高校メリット・デメリットや、学校での生活の様子などを述べてきましたが、最後に、通信制高校はどんな生徒に向いているのか? 高校進学を検討する際の選択肢としてはどう活用すればよいのか?についてお話します。
まず、一般的な全日制高校よりも明らかに通信制高校が向いているという生徒はいます。それは、全日制という常識的な概念や仕組みの中では窮屈だとストレスを感じてしまう生徒です。言いかえれば、「他の人とは違うことをすることに喜びを見つけ、そこに価値があること」に気づいている生徒です。
こうした行動特性を持つ生徒は、時間や場所を物理的に強制され、学ぶことや仲間も限定されがちな環境にいると、次第に輝きを失います。
また、「いま通っている全日制高校が自分にとっては必ずしも安心・安全な場所ではない」と感じている生徒にも、通信制高校は向いていると考えます。
通信制高校に対する認知や理解はまだまだ浸透していません。高校選びの際は、残念ながら通信制高校の情報に触れることもなく全日制に入学してはみたけれど…。もし、いまの学校生活にその窮屈さを感じているなら、通信制高校へ転入学という選択も検討してみてください。
学べる内容と、そこに集う先生や仲間を重視して選ぶ
そして次に、その学校では何を学べるか?どう学べるか?どんな先生に学べる?どんな仲間と学べるか?について、できるだけ多くの情報を集めてください。学ぶ時間や場所の制限が少ない通信制高校は、「学ぶこと本来の喜び」を見つけやすい学校です。その喜びのもとになっているのは、「何を、どう、どんな先生に、どんな仲間と学べるか?」なのです。
これらは、ホームページやパンフレットだけでは理解・実感しづらいかもしれません。多くの学校では、学校説明会や見学会、オンライン授業体験、バーチャルキャンパス体験など「学校をリアルに見る・体験する」機会を設けています。そちらにも必ず参加してみてください。
最後に、いつも私たちが学校説明会や体験入学会などでご案内している、簡単な「適性チェック」をご紹介します。5つ以上当てはまれば、通信制高校も選択肢に入れた進路を検討してもよいと思います。
- Q.1 自分のペースで学びたい
- Q.2 オンラインでの学びに興味がある
- Q.3 アニメやゲーム、創作など趣味の仲間が欲しい
- Q.4 芸術やスポーツなど外部の活動に集中したい
- Q.5 アルバイトをやってみたい
- Q.6 好きな髪形やファッションで過ごしたい
- Q.7 地域を越え、全国に仲間が欲しい
- Q.8 偏差値に縛られない進路選択をしたい
- Q.9 通学時間をもったいないと感じる
- Q.10 いろいろなことに挑戦したい
- Q.11 人間関係で悩んだ経験がある
- Q.12 朝は体調がすぐれない日が多い
- Q.13 不登校経験がある
- Q.14 勉強面で不安がある
- Q.15 将来、何をしたいか漢然としている
個別指導アクシスでは、学習のお悩みはもちろん、生徒一人ひとりに寄り添った進路の相談もおこなっています。また、通信高生の学習サポートをする事も可能です。どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。
● ワオ高等学校とは?
インターネット上のバーチャルキャンパスに、全国から生徒が通う通信制高校。年2回、3泊4日の宿泊型集中スクーリングを岡山で実施。全国から生徒が集まり交流を深める。哲学、科学、経済の教養探究のオリジナル科目が学べ、対話を重視したディスカッション型の授業を行っているのも大きな特長。部活動や様々な課外活動(スタディツアー)に参加できる。また、リアルな対話の場として東京・大阪・岡山に通える「通学コース」もある。
同じワオグループ内の個別指導Axisと連携しながら、総合型選抜試験や一般入試など、大学受験に向けた対策を講じることができ、ほかの通信制高校に比べて大学進学率も59.4%と高い。また、「グローバルコース」では、1年間の高校留学を単位互換で実現、海外大学への進学も叶えている。
【バーチャルキャンパス】
\ アクシスは、全国500校超 /
お近くの校舎へお気軽にお越しください。
この記事を書いた人
ワオ高等学校 校長
平田 強(ひらた つよし)
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